曼珠沙華の群生地として有名な巾着田入口前にある高麗郷古民家(旧新井家住宅)を訪ねて来まし
た。何度も目にしている古民家でしたが初めての見学でした。
名 称:
高麗郷古民家(旧新井家住宅)(
こまごうこみんか(きゅうあらいけじゅうたく))
形 態:建造物
登 録:国登録有形文化財(
建造物)(名称:旧新井家住宅
平成26年〔2014〕4月25日登録)
時 代:明治時代中期
概 要:巾着田を見下ろす高台に建てられた、市内では珍しい大型の二階建て民家や土蔵など
所在地:埼玉県日高市大字高麗本郷245番地
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新井家の歴史
新井家の古文書から、江戸時代末の文化、文政、天保は高麗本郷村の名主をつとめていたことが分っています。
明治時代になると地域の行政事務の責任者として戸長を置きました。戸長はかつての庄屋・名主層などから選出
される場合が多くありました。新井家も戸長を務め、後に高麗村の村長も務めました。
新井家は名主、戸長、村長として地域の政治を担った歴史があります。
《パンフレット「国登録有形文化財 高麗郷古民家(旧新井家住宅}」》から抜粋引用
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高麗郷古民家(旧新井家住宅)は平成20年に日高市が買い上げて管理していますが、これ以前、以
後にわたり何度も改修されて、元の形は留めていないとのことです。
また一般公開(無料・休館月曜日及び火曜日)されるようになったのは平成25年(2013)9月から
のようです
国道299号から見る高麗郷古民家(旧新井家住宅)
石垣の近くから
高麗郷古民家(旧新井家住宅)敷地入口
左:納屋 右:南土蔵
「高麗郷古民家」のスタンプと母屋入り口前に設置されている「国登録有形文化財」登録プレート
登録プレートには
文化財愛護シンボルマーク
の下に、
登録有形文化財
第11-0135~0140号
この建造物は貴重な国民的財産です
文化庁
とありますが、登録有形文化財名(建造物名)は入っていません
第11 の [11]は埼玉県のコード番号
0135~0140 が県ごとの登録番号のようです。
上記の登録有形文化財の名称では単に「旧新井家住宅」と記しましたが、正しくは、
旧新井家住宅主屋 1棟
旧新井家住宅客殿 1棟
旧新井家住宅納屋 1棟
旧新井家住宅南土蔵 1棟
旧新井家住宅北土蔵 1棟
旧新井家住宅石垣 1基
の5棟1基がそれぞれ登録有形文化財として登録されており、これらを一括して登録されているわけではないの
です。登録日はすべてが平成26年〔2014〕4月25日。
ですから、登録番号が 0135~0140 と6個あるわけです。
一括ではないと述べましたが、事実上はひとまとめと考えてよいかもしれません。現に、プレートは棟(基)毎
に交付されるわけではなく、第11-0135~0140号と言ったように1枚しか交付されません
左:客殿 右:母屋(主屋)
・客殿は明治 39 年建設。正面に唐破風造の車寄せを設け、2階客間には高欄を設けた木造二階建、
瓦葺。
・母屋の建築年代は江戸時代末期から明治時代初期と考えられる木造の入母屋造の2階建てで、平
成5年に茅葺から瓦葺に改修されている。
七夕のの時季に訪れましたので七夕飾りがあります
客殿の式台構え
母屋一階
母屋一階 手前が【出居】
母屋一階廊下
客殿一階客間
客殿脇から前庭を
書斎
母屋の北側 中央奥に見えるのは井戸
北土蔵
前回の投稿記事は「国指定史跡」、今回は「国登録有形文化財」の(史跡と文化財の違いはありま
すが)となりました。
以前の投稿でも述べましたが、同じ「国※※」でも、指定と登録では其の趣旨や条件が違いますの
で、国指定と国登録を同格に捉えることはできません(私見)
なお、秩父郡長瀞町の宝登山神社の近くにも同じ名称の「旧新井家住宅」がありますが、こちらは
国指定重要文化財(建造物)となっています。
原則「国登録有形文化財」は取り上げないことにしていましたが、今回で2回目の取り上げとなりま
した。
1回目は、指定文化財との抱き合わせ(ついでにといったところ)でしたので、登録文化財を単独で
取り上げたのは今回が初めてで、いわば例外です。
訪館日:令和4年(2022)7月8日(金)