名 称:大堺3号墳・1号墳墳(おおさかい3ごうふん・1ごうふん)
別 名:『金崎古墳群』に属す
墳 形:円墳
規 模:3号墳 直径18m 横穴式石室
1号墳 直径16.5m 未開口
築 造:7世紀初頭
指 定:県指定史跡(名称:金崎古墳群 昭和51年(1976)3月30日指定)
所在地:埼玉県秩父郡皆野町大字金崎字大堺
天然氷のかき氷で有名な阿左美冷蔵金崎本店と国道140号線を挟んだ反対側の住宅街の中に金崎古
墳群の3号墳、1号墳があります。更にその北西約50mに2号墳があります。
金崎古墳群は、かつては10基の古墳で構成されていましたが、金崎5号墳~10号墳は消滅し、現在
は、大堺1号墳~3号墳と天神塚古墳(大堺4号墳)の4基が残存するのみとなっています。
3号墳の墳丘中断に設置の『埼玉県指定史跡 金崎古墳群』説明板
埼玉県指定史跡 金崎古墳群
昭和51年3月30日 指定
金崎古墳群は、荒川左岸の河岸段丘上にある群集墳で、かつては8基以上の円墳があったといわれている。
しかし、現在、墳丘や主体部が保存されているのは、字大堺にある大堺1号墳・2号墳・3号墳と字岩下に
ある天神塚古墳の4基である。
これらの古墳は、いずれも墳丘の形がくずれており、大堺1号墳を除いて石室が開口している。開口して
いる3基はいずれも横穴式石室で、秩父地方に特徴的な長瀞系変成岩の板岩や割石を使用した、たくみな
技術で積み上げられており、古代における技術水準の高さをうかがうことができる。石室の平面形は、大
堺2号墳・3号墳は胴張形、天神塚古墳は短冊形である。
天神塚古墳からは、円筒埴輪の破片、大堺3号墳からは、土師器や須恵器が発見されている。これらの遺
物と石室の形態から、天神塚古墳が6世紀後半、大堺3号墳が7世紀初頭の築造と考えられる。
・平成19年度 金崎古墳大堺3号墳緊急保存対策工事実施
平成20年3月31日
埼玉県教育委員会 皆野町教育委員会
『大堺三号墳』標柱 表面に『金崎古墳群』とあり
墳頂に小祠が鎮座
『金崎古墳群の配置図』と説明文(下記)
金崎古墳群は、荒川左岸段丘上に位置する古墳時代後期の群集墳で、大字金崎字大堺に3基(大堺1~3号
墳)、字岩下に1基の古墳(天神塚古墳)が現存しており、昭和51年に県指定史跡に指定されています。
現存する古墳は、高さ3m~5.2mほどの円墳で、このうち大堺1号墳は比較的良好な形を留めています。
古墳群の主体部は横穴式石室で、開口している大堺3号墳は、石室全長8mを超える胴張の両袖型石室です。
石室は、この地域に産出する緑泥片岩や紅簾片岩等の結晶片岩の板石を利用し、ドーム状に持ち送りなが
ら巧みに小口積みしたもので、高度な石積技術を垣間見ることができます。奥壁・天井石と玄門の門柱は
大型の片岩を立石にしてあり、側壁の片岩の隙間には、玉石が詰められています。
岩下の天神塚古墳は、この地方で開口している古墳に通有な「氷雨塚」の名称と伝説が残されています。
玄室崩落前の写真
墳丘南側にある石室開口部①
墳丘南側にある石室開口部②
墳丘南西部にある石室開口部③ 鋼材で補強されています
小割りした板石を小口積みした石室側壁 奥壁は大きな板石
天井部
3号墳を北方から
『大堺一号墳』標柱 この右側(南側)が墳丘
南側から この古墳群では唯一未開口
上記写真の標柱は、ここに写っている標柱を墳丘側から撮ったもの
1号墳を西南側から
1号墳を東側から
散策日:令和元年(2019)11月29日(金)