カルテ番号 か・16(5)
夜の講座の後は各自自由に過ごす。
起床時間も消灯時間もない。各自が考え、行うことだから。
その時間にオプションとして風間陽水の治療、相談時間があった。
とはいえ、個人個人だから予約になり、毎日予定が入っていた。
健康指導者、医療関係者、カウンセラーは自分がかかる相手を探すのが困難なのだ。
患者と同じような悩みも病も持つことがあるのに、立場上簡単に他の治療院に行けない。
カウンセラーは特に相談者の悩みまで引き受け、限界に近い人も多い。
だから、こういう機会は願ったりであり、それを見越しての主催指導者の計らいでもあった。
陽水に依頼するほとんどの人が自分の体調を自覚している。
だが、それに対応する手段を持たないのだ。
仕事で不調な人からの病の氣を受けているから、通常の治療では改善できない。
専門家として知っている健康法や治療法では対処できないから、更に悩んでしまう。
陽水の個人治療は僅かな時間だから全て回復できない人もいるが、対処の方法は教わる。
今まで考えなかった方法が幾つもあるのだ。
片倉信吾は特に体調も悩みもなかったが、陽水が自分をどう診るのか興味があった。
多分二十才ほど若いようだが、妙に老成している雰囲気があったのも興味深い。
そして、片倉信吾の予約時間が来た。
主催指導者と風間陽水だけは一人部屋だ。そこに出かけた。
「片倉です。失礼します」
「どうぞぉ」
ゆっくりとした風間陽水の返事があった。
これが片倉信吾の運命を変えた夜だった。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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