ACTA(模倣品海賊版拡散防止条約)の問題解決は、著作権法を現代のインターネット時代に合わせたものにしていくべき、ということではないだろうか。著作権保護もネットの自由も保障する体制をめざす、そう主張をしている政治集団があった!「海賊党」だ。
情報の自由を標榜する海賊党
バイキングの国、スウェーデン王国で2006年1月に結成された「海賊党」。ファイル共有ソフトやブートレグ(海賊版)CDの合法化を主張。政治信条は「情報の自由」「プライバシー著作権、特許改革」「政治の透明性」「教育重視」。30代のネット世代を中心に現在56カ国に存在。(日本は国際組織に未加盟)。
ドイツでは支持率第3党に
主張には急進的過ぎる部分が感じられるものの興味深い流れです。インターネットの公開性は政治浄化に貢献する。もちろんそれを阻もうとする支配層との対立は必定、そこで新党が出現する。ドイツでは海賊党が2006年9月にスタート。スウェーデンもドイツも2006年に新党が誕生。まさにWeb2.0時代に呼応した政党と感じられる。ドイツ海賊党は今年(2012年)4月、ドイツ国内で支持率13%、第3党までに躍進する勢いだ。直近のノルトラン州選挙では得票7.8%、20議席を獲得。ただ欧州議会ではまだ2議席。
多党制こそ民意を反映
海賊党(Pirate Party)の名前は、北欧などのゲルマン向きではあるが日本ではそのままの直訳では受け入れがたいように思う。もっとも「海賊」のもつインパクトは強いが・・。「パイレート党」か「インターネット自由党」、「情報民主党」などはいかがだろうか。いずれにしろ日本版「緑の党」は7月28日に誕生、この辺でもうひとつ日本版「海賊党」の誕生があっていい。閉塞した2大政党制では民意はとても反映されない。多様な価値観に基づく「多党制」にこそ、あるべき政党政治の望ましい姿があるように思えてならない。
【写真】海賊党のロゴマーク
ACTA ドイツ海賊党の女性政治家の主張