ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

山本美香記者の“取材魂”に敬畏

2012年08月22日 | 政治

シリア北部アレッポでジャーナリスト山本美香さん(45歳)が銃撃され亡くなった。シリアの情報はとても少なく、国際社会は有効な手立てをなにも打ち出せないまま、無慈悲な時間がだけが過ぎている。シリア政府軍側からの報告はあるものの、反政府軍(自由シリア軍)からのレポートはこれまた少ない。それでも6月末から5週間、反政府軍側と行動をともにしての取材内容を安田純平氏が帰国し現地の模様を報道していた=写真右人物

戦闘と死が日常になっている現実。国家間の戦いは「前線」がはっきりしているが、内戦は「前線」が無数にあり区分ができない。政府軍の空爆で重傷を負った母子、深夜に稼働するパン工場、20歳から2年間の徴兵制があるため、反政府軍の市民も武器(戦車も含め)使用は心得ている。政府軍からの離反兵士もいる。自由シリア軍の司令部はトルコの難民キャンプにあるらしいが、それぞれ現場の判断で作戦は行われていると言う。日本から見ているとどう解釈したらいいのかとても判断に苦しむ。(TBS「報道特集」8/11)

山本美香さんの死について、同業者でもある神保哲生氏が適切なコメントをしていた。

危険な取材を敢行していたジャーナリスト魂には頭が下がる。「死んだらどうするの?そんな危ないところになぜ行くのか」と言う人がいるが「そんな危ないところ」ということはこれまでに誰かが報じたから判ること。原発事故でもなぜそんな放射線量の高いところに行くのか、と言われるが行って線量を実際に測ったから、真実が判るわけ。行ってみないと判らないのが、この職業の宿命。行って初めて判り、それが次の行動、判断につながっていく・・

神保哲生氏の言葉をともにかみしめ故人への鎮魂とお悔やみに代えさせていただきたい。

山本 美香(やまもと みか)1967-2012。山梨生まれ。山梨・桂高、都留文科大学(英文)卒。ジャパンプレス所属ジャーナリスト。世界の紛争地を取材。8月20日、シリア政府軍の砲撃により死亡。

にほんブログ村 雑感

(全録)山本美香さん最後の取材映像(ジャパンプレス提供)(12/08/22)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする