本日発売のよしりんこと小林よしのりの『脱原発論』をさっそく読んでみました。
「脱原発で 原発がなくなっても 新たな 日本は江戸時代にも戻らないし 経済成長が 人類はサルにもならない。 “脱原発の先にある“新しい国の姿”を共に見よう・・。」
小林よしのりが原発に対して明確な発言をしたのはちょうど1年前、3.11福島原発事故から4カ月を経た月刊『Will』の誌上マンガからであった。当広場でも「2011.8.9小林よしのり、原発即時停止へ」に記しています。
この1年、さらに細部にわたって精査された内容になっている。自身がHIV薬害問題、カルト集団オウム真理教とのたたかいの経験から、今回の原発事故との共通性も見ている。これまでの事件のように脅迫も受けている。すでに放火予告もあったという。
研究者、小出裕章の誠実さを評価
小林よしのりは、歴史観を異にしても個々のケースで是々非々に評価するところが特徴だ。『脱原発論』では、しばしば小出裕章(京都大助教)が登場する。思想的には小出氏を「ガチサヨク」と評しているが、小出氏自身の専門分野での誠実な研究、発言態度には偏見を持たずに高く評価している。これはかつて『沖縄論』で、瀬長亀次郎(沖縄人民党)の占領軍に対して不屈に抵抗した行動を賞賛したときと同じだ。仮に主義主張は対極にあっても、こと個々の「正義」に対しては率直に認め評価する、そんな小林よしのりらしさが今回の新刊書でも随所にみることができた。
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ゴーマニズム宣言SPECIAL 脱原発論 |
小林よしのり | |
小学館 |