先日から、今日か?明日か?と気に掛けていた、庭先の桜(サクランボ)の花
が遂に咲き始めました。
♪さくら~さくら~ 弥生の空は~ 見渡す限り~ 霞か雲か~ 匂いぞいずる~
いざや~ いざや~ 見にゆかん~♪
旧暦3月「弥生」月では、まだ早生咲きの桜がチラホラ咲き始めたばかり、これか
ら日毎に季節は巡り、花の宴がそこに待ち受けています。
桜花(さくらばな)は、古来より日本人が最も愛してきた花と言ってもいいでしょう。
私も大好きな花の一つです!
本居宣長は、『しきしまの やまと心を人とはば 朝日ににほふ 山ざくらはな』と
詠み、日本人の純真無垢な心情を表しています。
「やまと魂」を、日本の自然の中に根付いて咲く、「山ざくら」にかけています。
桜について、『武士道』新渡戸稲造著の中で、
『日本人が桜を好む心情は、桜の花の美しさには気品があり、かつ優雅であるこ
とが、他のどの花よりも「日本人」の美的感覚に訴えるのである。
ヨーロッパ人の好むバラには、「桜花」のもつ純真さが欠けけている。
それのみならず、バラはその甘美さの陰にトゲを隠している。
バラの花は、いつとはなく散り果て、枝先に残り朽ち果てる事を好み、生への執着
は死を厭い、恐れている様である。
しかも、この花には、あでやかな色合いや、濃厚な香りがある。
これらは、日本の桜にはない特性である。
桜花には、美しい粧いの下にトゲや毒を隠し持ってはいない、自然のおもむくまま
に、いつでもその生命(いのち)をすてる用意がある。
その色合いは、決して華美とはいいがたく、その淡い香りには飽きることがない。
・・・・・桜の花がその香しく甘美な香りに満ちる季節には、すべての人びとが、小さ
な家から外に出て、その空気に触れ・・・そして短い快楽のひとときが終われば、新
たな力と、満たされた思いをもって、日常の仕事に戻って行く・・・・・桜が愛される所
以である・・・・・』
などと著しています。
何はともあれ、花は自然の移ろいをあでやかな色と、そこはかとない香り、膨らみ、
散りゆく風情で、私達の心を癒し新たな生きる力を与えてくれます。
(咲き始めた桜(サクランボ)の花)
~今日も良い一日を~