早朝には寒さを感じて目覚めるほど、このところめっきり寒くなってきた。
寒暖の差がはっきりしてくると、公園や野山の木々が紅葉して来る。
川沿いのいつもの散歩道には、ナンキンハゼの並木があって、先日から川面に鮮やかな彩りを映し、時折吹く秋風にカラ
ッ、カラッと葉を散らし始めている。
あぁ~ほんとうの秋がやって来たんだ。
ハゼやイチョウにモミジ等が、コントラストも鮮やかに、日毎に赤、黄、橙色に染まりつつあります。
このところ街を歩けば、紅葉が足早に秋を連れてやって来ると言う感じがする。
秋は人の心を感傷的にし、そして、年々歳々時の流れが早くなる様に思えます。
「一年なんてあっと言う間だな~」などと、人は感傷的に口ぐちにする。
人は歳を重ねる毎に、一年を早く感じるのは何故なのだろう? と疑問に思い、以前、何かの折に調べたことがある。
それによると、これは 心理学的な感じ方 なのだそうである。
フランスの心理学者(ジャネ)が、主観的に記憶される年月の長さは、子供にはより長く、年長者にはより短く評価され
るという現象を心理学的に解明したと言われる『ジャネの法則』というものがあり、これによれば、
~人の生涯のある時期における時間の心理的な長さは、年齢に反比例する。~と言う説である。
早い話が、50歳の人にとって1年の長さは、人生の50分の1ほどであるが、5歳の子供にとっては、5分の1に当たる
と言うこと。(5歳の人間の1日が、50歳の人間の10日に当たることになる。)
ただ他にも、「充実した時間と退屈な時間」の感じ方には、相違があるとの説もあった様に思う。
~輝き・驚き・刺激・発見など記憶に残る出来事の多い、若い時は時間が早く過ぎるが、その一つ一つが記憶に鮮明に残
る。 これに比べて、退屈な時間はなかなか過ぎず記憶にも残らないが、後から振り返ると、とても短かった様に感じられ
る。~という説であったと思う。
要するに、人間は歳をとるにつれて、『輝き、驚き、感動、新たな発見、好奇心』と言ったものから、次第に縁遠くなりがち
で、あとから振り返ってみると、「短かった」と感じるということではないのだろうか。
紅葉の話が、すっかり道を逸れてしまったが、要は老いても好奇心を持ち、人なりに充実した輝く一日一日を生きよ、と言
う教えでもあろうか。
今日も輝く一日であります様に
サラ・ブライトマンの「風の通り道」