(少々荒いタッチで描いて見ました~爪楊枝画)
この時期に田園地帯を散歩していると、稲刈りもほとんどが終わって、
黄金色に輝いていた田んぼは、疎らなって来ていました。
天日干し(自然)のお米は、とても美味しいということで、ここにきてまた
天日干しの良さが見直されている様です。(田舎出身の方は、こんな風景見た事
あるでしょう)
今では機械化の波に押されて、すっかり少なくなってしまいましたが、出
雲地方では七段・八段重ねの「稲はで」に、稲を掛けて干しのが普通で、
さながら、田園地帯では田んぼに沢山の屏風を立て掛けた様な風情で
した。
秋口から晩秋の頃に掛けて、彼方此方で「稲はで」に、梯子を掛けご夫
婦で絶妙に呼吸を合わせ、稲束を一把づつ投げ上げ、上で受け取り、一
段一段順序よく干し、見る見るうちに田んぼの中に、稲の屏風が出来上
がって行きました。(私も学生時代この作業を手伝ったものです。)
この「稲はで」、昔は全国どこでも見掛けられた晩秋の風物詩でした。
当地方では、「いなはで」と呼んでいますが、地域によって、呼び名も形
も様々に違うの様です。
しばらくの間北風に晒し、米が乾燥して来ると、また一家総出で干した稲
を取り込んで、脱穀、精米にとお百姓さんは年中休む暇もなかったもの
です。
当県の西部の地方には、「よずく(フクロウ)はで」などと呼ばれる、フクロ
ウの形によく似た珍しい「稲はで」があって、写真の被写体に面白く、カメ
ラマンには今でも引っ張りだこの様です。
かく言う私も、以前カメラに凝っていた頃には、何度か撮影の為に足を運
んだものです。
~今日も良い一日であります様に~
島倉千代子の「誰か故郷を想わざる」