タカちゃんの絵日記

何気ない日々の感動を、スケッチと好きな音楽と、そして野鳥写真を。。。

 「世の中は 稲刈る頃か 草の庵」  松尾芭蕉 

2015-11-05 | 風景

             (少々荒いタッチで描いて見ました~爪楊枝画)

この時期に田園地帯を散歩していると、稲刈りもほとんどが終わって、

黄金色に輝いていた田んぼは、疎らなって来ていました。

天日干し(自然)のお米は、とても美味しいということで、ここにきてまた

天日干しの良さが見直されている様です。(田舎出身の方は、こんな風景見た事

あるでしょう

今では機械化の波に押されて、すっかり少なくなってしまいましたが、出

雲地方では七段・八段重ねの「稲はで」に、稲を掛けて干しのが普通で、

さながら、田園地帯では田んぼに沢山の屏風を立て掛けた様な風情で

した。

秋口から晩秋の頃に掛けて、彼方此方で「稲はで」に、梯子を掛けご夫

婦で絶妙に呼吸を合わせ、稲束を一把づつ投げ上げ、上で受け取り、一

段一段順序よく干し、見る見るうちに田んぼの中に、稲の屏風が出来上

がって行きました。(私も学生時代この作業を手伝ったものです。)

この「稲はで」、昔は全国どこでも見掛けられた晩秋の風物詩でした。

当地方では、「いなはで」と呼んでいますが、地域によって、呼び名も形

も様々に違うの様です。

しばらくの間北風に晒し、米が乾燥して来ると、また一家総出で干した稲

を取り込んで、穀、精米にとお百姓さんは年中休む暇もなかったもの

です。

当県の西部の地方には、「よずく(フクロウ)はで」などと呼ばれる、フクロ

ウの形によく似た珍しい「稲はで」があって、写真の被写体に面白く、カメ

ラマンには今でも引っ張りだこの様です。

かく言う私も、以前カメラに凝っていた頃には、何度か撮影の為に足を運

んだものです

~今日も良い一日であります様に~

島倉千代子の「誰か故郷を想わざる」