宿り木(ヤドリギ)の不思議。 秋・冬になって木の葉が落ちる頃から、気付くのが宿り木(ヤドリギ)です。 ケヤキや桜の木等の落葉樹の枝に丸い塊が着いているのがヤドリギです。 この木の様に、時には数十個も着い占領されていることもあります。 あの、丸い塊がヤドリギなんです。
(S県庁の裏の堀川沿いにある「宿り木」です。)
こんなに大きな塊になるんです。
良く見るとプロペラの様な枝の間に、薄緑色の実が生っています。 これが、宿り木の実なんです。
この実を並べて写して見ました。 左の実は、外皮をはぎ取った中味です。 ネチョ、ネチョして粘着性の強い実です。
しかしこの種を土に撒いても、芽が出る事は絶対にありません。(普通は、植物の種を撒けば目が出るんじゃねぇ!)
文字通り「木に宿る木」なんですよ。 ただ木に宿ると言っても、ヤドリギ自身も葉緑素をもっていて光合成をしているので、栄養分の一部を自力でまかないつつ、宿主(寄生植物が寄生する相手の木のこと。)からも栄養を貰っている木の事を、「半寄生植物」と言います。 ヤドリギは、落葉広葉樹である、ケヤキ・エノキ・サクラ・コナラ・ミズナラ・ブナ等に寄生します。
さて、ここからが、私の本論です。 ヨーロッパでも日本でも、人々はヤドリギに特別な力を感じる様で、古代ローマの信仰や神話には、特別な力を持つ植物としてヤドリギが登場しています。 ヨーロッパではクリスマスに家の戸口にヤドリギの枝を吊す風習があります。 その起源には諸説ある様ですが。。。。。冬でも緑を保つ数少ない常緑植物である。。。。ヤドリギは生命力の象徴として特別な力があると信じられているようです。 日本でも、万葉集にヤドリギを詠んだ歌が収められています。 ~~『あしひきの 山の木末(こぬれ)の ほよ取りて かざしつらくは 千年(ちとせ)寿(ほ)くとぞ』~~ 「ほよ」というのがヤドリギの古名なのです。
地に撒いても芽が出ないと言う「ヤドリギは、ではどうやって増えるか」と言う問題です。(笑) 一体、どうやって樹の上に辿り着くのかと、言う事なんです。 ヤドリギも他の植物と同じく、種によって増えます。 ヤドリギが子々孫々(笑) 生き残るためには、寄主の枝や幹に種をくっつけなければなりません。 実はそれには巧妙な仕掛けがあるのるのです。
もう皆さんにはお分かりおですね?? 実は、この実を鳥が食べると、種子は消化されずに、糞といっしょに鳥のお尻から出て来ます。 このとき種の周囲のネネチョ、ネチョが、鳥の、とまったケヤキ・エノキ・サクラ等の枝に、くっ着き、やがて発芽し、ヤドリギは枝から枝への旅に出るのです。 「宿り木」の樹上の世界が始まるのです。
(試しに1個だけ潰して見ると、ネチョネチョ実の中から、縦に黒い筋の入った種が出て来ました。)
ここから先が、私の狙いとするところなんです。(笑) ヤドリギの実を好んで食べるのが、冬鳥のヒレンジャクやキレンジャクが、ヤドリギの実を好んで食べるそうです。
この、ヒレンジャクやキレンジャクを写真に撮りたいばかりに・・・またまた、「深堀り」してしまいました。 既にレンジャクは岡山県に入ったとの、情報を得ましたので、これから初夏にかけて、私の「宿り木&探鳥」の日々が続くです。
(お借りした画像です。)