このところ問題となっている、福岡市の認可保育所「中央保育園」は、多くの保護者や保育士が反対を訴えている最中、突如、着工された。高島市長は、保護者との面談を終えた、その数時間後、「安全対策の目途がたった」と仰天会見を行った。保護者の意見や不安をものの見事に撥ね退け、着工の指示を出したのだ。市民を愚弄するにも程があるが、怒りとともに思い出されたのは、「こども病院」。
こども病院の移転問題では、市民から強行したと言われないようにするため、高島市長の”演出”があった。それが有識者委員会の設置だった。「こども病院移転計画調査委員会」と呼ばれたものだが、検証する過程を市民にオープンにし、委員会からお墨付きをもらったところで移転を決めるというもの。その筋書き通り、こども病院移転は決まってしまった。しかし、ここでとんでもない事実が明らかになった。
それは、移転問題で最大の焦点となっていた、現地建て替えの見積について。福岡市は、調査委員会で「ゼネコン3社にヒアリングをした結果、PWCアドバイザリー社の見積額の1.5倍が妥当で、現地で建て替えるより人工島に移転したほうが費用は安い」と再三説明をしていた。ところが、福岡地裁で行われた「こども病院住民訴訟」(2011.10.31)で、福岡市はゼネコンにヒヤリングをしていなかったことがわかった。裁判所による嘱託調査で、ゼネコン3社のうち、大成建設と清水建設は、「福岡市からのヒアリングはなかった」と答え、竹中工務店は、「問い合わせを受けたが具体的な数値のコメントはしていない」と答えていた。司法の場において、福岡市の”嘘”が明らかになったのだ。
しかし、福岡市は未だに”嘘”を認めていない。それどころか裁判に備え、新たな業者に見積をさせ、その妥当性を主張しているのだから、どうにも始末に負えない。この往生際の悪さが、次の問題を生んだ。それが今回の「中央保育園」問題ではないか。どちらもこどもの命に関わる問題だけに、これらを見過ごすことは出来ない。中央保育園の移転については、福岡市議会議員の過半数が移転に賛成しているが、17名もの議員が反対、或いは再検証を考えているようで、今後に望みを託したい。一方の「こども病院裁判」は、10月と12月に行われる。こちらも目が離せない。
(転載はじめ)
福岡市立こども病院の人工島移転撤回を求める市民会議・訴訟原告団
事務局 脇 義重
「こども病院ビデオを観る会」のお知らせ
「こども病院裁判」は10月と12月には証人調べが予定されているなど、重要な局面を迎えています。福岡市はゼネコンから聞いて、現在地建替費を増額したと市議会に報告してきました。しかし、ヒアリングする前の7月27日の会議には、1.5倍の積算額が記載された内部資料が配布されていたことが明らかにされました。欺瞞でないでしょうか。
こうした行政で、こども病院の人工島への移転が決定された事実を、証人調で明らかにしていくのが、10月2日(水)1時30分開始、12月2日(月)1時開始の裁判です。また、8月26日と9月19日に進行協議が開かれます。
その前に、「こども病院ビデオを観る会」を開きます。ドキュメントを観て、経過を確かめ合って、裁判に臨みませんか。
と き 2013年9月7日(土)午後1時30分~3時30分
ところ あすみん「セミナルーム」 青年センター5階
(転載終わり)
※参加は自由です。