昨日(15日)、筑後川から取水した水を福岡都市圏などへ導水している「福岡導水管」が報道陣に公開された。昭和58年(1983年)に完成して以来、はじめてカメラが入った。お陰で貴重な映像を見ることができた。
福岡都市圏では、昭和30年から40年にかけて、人口増加により慢性的な水不足に陥っていた。昭和53年には、福岡市で大渇水が発生して、給水制限は287日に及んだ。(当時、大学生で下宿先に井戸があったので救われた)そうした中、当時の給水資源開発公団は、昭和51年(1976)「福岡導水」工事に着手し、昭和58年(1983)に暫定的に導水を開始した。現在、筑後川から取水した水を福岡都市圏へ約3割、佐賀県基山町へ全量の水道用水として導水している。おそらく、昨年1月、五ケ山ダムが運用開始されたことで、福岡都市圏へ送られる水量は少なくなっているのではないかと思う。(どこかに資料があるはずなので探してみよう)
しかし、40年近く水を送り続けているため、導水管の老朽化は進んでいる。管内で塗装が剥がれたり、錆が発生しているところが46ヵ所見つかっている。そこで、今月13日から水を止めて補修作業が行われている。今回のように導水管内を空水にして、導水管の中に入ることができる機会は滅多にないということで、導水管を管理する「水資源機構」が公開してくれた。個人的には、五ケ山ダム検証をしていた当時から見てみたいと思っていたので、確認できて良かった。同時に、導水管のお陰で私たちは生きてこれたのだなぁと改めて感じた。
福岡都市圏の“生命線” 地下パイプ内部にカメラ潜入 全長25キロ「導水管」(TNCテレビ西日本より)
福岡導水管内 直径1.5m、全長25km
老朽化が目立つ
速乾性のセメントを使っている?
今回の補修区間
200mで46ヵ所ということは、まだまだたくさんある?
導水施設平面図
山口調整池(筑紫野市)は天拝山の麓にあるので、天拝湖とも言われている
※今回、取水の停止期間中、この天拝湖から代替の水道用水を導水している
※牛頸浄水場(大野城市)から、福岡市の夫婦石浄水場(南区)と下原浄水場(東区)へ送られている
導水施設縦断図
取水口から基山分水工までの標高差はなんと約80m、九千部山の麓を通っているのか、、
《参考資料》