一昨日、3年半前に書いた記事「福岡市議選 わずか90票差で、親高島派21議席に」へのアクセスが多くなっていたので、何だろう?と思っていたら、なんと福岡令和会(日本維新の会所属)の堀本和歌子氏が信じられない事件を起こしていた。元衆院議員で、現在は参政党に所属する新開裕司氏に成り済まし、旧統一教会との関係を記したビラを配ったとして、博多署が私文書偽造容疑で堀本氏から任意の事情聴取をしていたというもの。本人は犯行を認めており、本日記者会見をして、正式に議員辞職するという。
事件に関しては、多く報道されているので、ここで掘り下げるつもりはないが、来春の福岡市議選に新開氏が博多区から出馬するとある。前回市議選で、堀本氏は、博多区選挙区で最下位で当選しているが、新開氏との差は124票だった。それが事件の要因となったかどうかは不明だが、議員報酬は市民の税金であり、このような形で有権者を裏切るとは言語道断。議員辞職は当然だろう。
前回の市議選時、福岡市議会はロープウエー議論が勃発しており、親高島派が何議席とれるか、固唾をのんで選挙結果を見守っていたが、最後の一議席を制したのが、この堀本氏だった。親高島派は21議席(のちに22議席)となり、高島市長は議決のやり直しを求める「再議」で議会の結論を覆すことができる定数の3分の1以上を確保した。だが、改選後、ロープウエー構想が復活して、再議が発動されるようなことはなかった。現在、高島市長と自民党市議団との関係も修復されているようなので、今となっては過去の話と言われるかもしれないが、本日、堀本氏が辞職すれば親高島派は1議席減ることになる。
いずれにせよ、福岡市議会がこのような形で全国から注目されることになってしまい(議会改革の市民活動をしていた身としては)、残念でならない。来春の福岡市議選においては、こうした不祥事が起きないように願いたい。
高島市長とのツーショット 今のところ高島市長からコメントはない(写真:堀本わかこ公式ブログより)
前回市議選直後に結成された「福岡令和会」、これで5人に(写真:西日本新聞より)
参考まで、前回の市長選博多区開票結果(福岡市ホームページ・第19回統一地方選挙投票・開票結果より)
90票差で落選した木村拓史氏だが、地方議会議員の場合、次点者が繰り上げ当選となるのは、選挙日から3か月以内に限られているので、繰り上げはない。福岡市議会(定数62人)は、元福岡市民クラブ代表の田中慎介氏が市長選のため辞職されたので、堀本氏が辞職すると、2人減り、来春まで60人となる。
《追記》
わたぬき議員のツイッターによると、堀本氏は、9月議会で共産党市議団が起案した「旧統一教会と政治家との関係について調査し、宗教法人法に基づく断固とした対応を求める意見書案 」に反対していたとのこと。本人は、今日の謝罪会見で「陥れるつもりはなかった、真実を知ってほしかった」と言っているようだが。
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・なりすまし維新市議が釈明会見 謝罪しつつも言い訳に終始 福岡市 28日付けで辞職届(RKB NEWS 2022.10.28)
・呆れた福岡市議、統一教会との関係を示す“なりすましビラ”配布(NetIB-News 2022.10.28)
《参考資料》