福岡市長選が6日、告示され、4選を目指す無所属で現職の高島宗一郎氏に、無所属新人で会社員の熊丸英治氏と元福岡市議の田中慎介氏の2人が挑むことになった。20日の投開票に向けて、福岡市内では各候補者が選挙戦を繰り広げている。
6日夕、福岡へ戻ると、各候補者の第一声を、地元TV局RKBがノーカット動画で伝えていた。早速、高島市長の第一声を聞いてみたところ、事実(データ)と違っているにもかかわらず、自らの功績として誇らしげに語っていた。集まった市民の多くは気付いていないと思うが。それほど、高島市長は要領が良い。自分にとって都合の良い部分だけを切り取って話す。だから、12年間も市長を続けることができたのではないかと、個人的には思っている。果たして、”高島流”はいつまで続くか。
というわけで、出陣式での高島市長の話をデータに基いて精査してみました。ぜひ、福岡市民の方々には目を通して頂きたいです。
【福岡市長候補】高島宗一郎氏(48)の“第一声”「明るい明日を」ノーカット動画(RKBオンラインより)
人口増加率が政令市1位と指で示しているけれど、、
以下、高島市長の発言と現実(赤文字)
①人口増加率政令市1位
増えているのは65歳以上で、0歳から44歳までは減少している。ファミリー世帯の流出がはじまっている。
※福岡大学経済学部木下敏之教授「データーが示す福岡市の不都合な真実」(EXselデータ)下表参照
②税収伸び率、7年連続過去最高更新
市税収入は、平成18と19年度は三位一体改革による国(所得税)から、平成30と令和元年度は県費負担教職員制度の見直しによる県(個人住民税所得割)からの税源移譲の影響で大幅に増えている。ここが大事なところで、令和2年は減っている。
※九州大学経済学八木信一教授ツイッター及び令和4年版福岡市税務統計参照(下グラフは八木教授作成)
③市政信頼度41%から87.3%へ
行政運営の取り組み(各項目)をみると、満足度は4割から5割程度となっている。
④アイランドシティ完売150億円の黒字
人工島事業の一部の分譲地の収支を取り出して、全体が黒字のように繕っているが、実際は黒字どころの話ではない。
・人工島4割の土地を市が自ら購入731億円(自作自演)
・立地交付金238億円(土地購入者に上限30億円のプレゼント)
・住宅市街地総合整備事業369億円(セキスイハウスなどへインフラ整備の肩代わり)
・第三セクター「博多港開発株式会社」の救済399億円(土地の買取、増資、緊急融資)など
これまで人工島事業に総額3940億円の税金を投入。高島市長は黒字150億円のうち100億円を子供政策のために使うとアピールしているが、いかに微々たるものかがわかる。
※倉元議員「人工島 黒字150億円の真実〜福岡市最大の公共事業を検証」(オススメ動画、10分程度なのでぜひ!)
⑤天神ビッグバンで固定資産税は1棟当たり7千万円から3倍の2億4千万円へ
空室率5%超える状況で3倍になる?
「天神ビッグバン」エリア、地価上昇にブレーキ 供給過剰でオフィス空室率5%突破(西日本新聞 2022.10.25)
※天神ビッグバンについてはこちらもご一読下さい。
⑥12年間の課題に区切りがついた、これから種を撒くとき
今頃、種を撒いて芽が出るの?そもそも12年間の課題は何?
⑦12年前、2034年に166万人と推定されていたが、2022年の今、163人超で人口は増えている
人口が増えているのは、全九州の若者が(福岡市に大学が多いため)集まっているから。しかし、2012年以降、毎年2000人前後の若者男性が福岡から東京へ流出しており、結果、女性の独身者が増加(福岡市の女性独身率は4割と政令市中で2番目に高い)。こうしたことから、福岡市の出生率は1.2で九州最下位、2021年に生まれた赤ちゃんは40年間で最少となっている。福岡市の超少子化は待ったなしの状態で、人口増加率が政令市1位と威張っている場合ではない。
若者吸い上げる福岡市の「ダム機能」に異変(西日本新聞 2022.11.6)
※木下氏「データーが示す福岡市の不都合な真実」(EXselデータ)下図表参照
高島市長3期目以降、急激に出生数が下がっている。
出生率表を見ると、福岡市は下から5番目。福岡市の中では中央区が一番低い。
東京流出の要因について、一つは理系の職場が少ないこと、もう一つは大企業の本社が少ないことと木下氏は指摘。
⑧12前前、イムズ、コア、福ビルがなくなっている状況は誰も想定していなかった、チャレンジすることで未来は変えられる
いや、誰もなくしてと頼んでないし、勝手に未来を変えないでほしい。
以上、20日投票のお役に立てば幸いです。現実をしっかり見てくれる市長が誕生することを願っています。