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♪「池袋ウエストゲートパーク」石田衣良著 文春文庫





以前に読んだ「4TEEN」がなかなか良かったので、デビュー作も読んでみたくなった。
池袋駅西口公園に屯する少年グループの物語。
どこのグループにも属さないが、各グループのリーダーやメンバーから一目置かれている「マコト」が主人公だ。
マコトを中心に、池袋界隈で発生する連続女性殺人未遂事件や、やくざの娘の失踪、池袋を2分する少年グループの抗争などを解決してゆく。
「4TEEN」同様、少年達の青臭いツッパリと瑞々しい感性が溢れている。
マコトはヒーロー然として冷静に難事件にアタックしてゆく・・・。
文章の書きっぷりも勢いがあって、続きが気になって一気に読んでしまう。
ストーリーも、あの池袋の雑踏にいかにもありそうな話でリアリティーもある。
でも「マコト」のスーパーマン?ぶりはどうだろう。
マコトは『卒業までに三分の一が退学する、ヤー公のファームのような地元の工業高校』を出て、池袋の西口商店街にある母親経営の果物屋の店番をしている。
普段は西口公園の噴水前に屯し、何をするでもなく無為に時間を過ごす。
しかし、いつの間にか少年達のリーダー的存在になり、チャイコフスキーやバルトークを聴き、ヤクザとも対等にやり合う・・・。
ちょっと無理があるなぁ。
別にそんなディティールに拘らずに読めばいいんだけれど、ちょっと気になる。
それに「体言止め」的表現が多くて、最初のうちは気持ちよかったが、あとからちょっとうんざりしてきた。
特に最終話の「サンシャイン通り内戦」では、やたらに多いところと全然出てこないところが混然としていて読みづらかった。
続編を読むかどうかは、微妙・・・。
でもこの人がオトナを書くとどんな感じになるんだろう。
それは一度読んでみたい気がする。