
♪「ハーンの秘宝を奪取せよ!上・下巻」クライブ・カッスラー著 新潮文庫
僕の大好きな「ダーク・ピット」シリーズの最新刊。
前作から息子のダーク・カッスラーと共著となったが、今回も読んでいて特に違和感はない。
小説の中でも、主人公ダーク・ピットはNUMA(国立海中海洋機関)の長官に就任し
前作では、双子の息子と娘、ダークJr.とサマーに活躍の場を譲っていた。
しかし今回は、久しぶりにピットとジョルディーノ、ガンの3人がメインとして活躍している。
確かピットもジョルディーノも60歳を超えているはずだが、40代のように元気に飛び回っている。
多少の違和感は否めないが、このシリーズでピットとジョルディーノが活躍しなければ全くつまらない。
そうは言うものの、「いつまでも年を取らないピット」というのも如何なものか、とも思う。
個人的には前作のときにも書いたが、前々作(「オデッセイの脅威を暴け」)の感動的ラストを以って、このシリーズを終えれば良かった気がする。
これから段々物語の設定が難しくなっていくだろうね。
今回の舞台のメインはモンゴル。
話はチンギス&クビライ・ハーンの莫大な財産を手に入れたモンゴル人のボルジンが、地震発生装置を使って意図的に世界中の原油供給ルートを混乱させ、巨万の富を貪る計画を実行する。
さあ、どうやってピットたちはこの計画を阻止するのか!?
本作の冒頭に、日本への「蒙古来襲と神風」の模様が語られる。
改めてチンギス・ハーンの偉大さに感服するとともに、あの時に「神風」が吹かなかったら今の日本はどうなっていたのかと考えてしまう。
今度チンギス・ハーン関連の本を読んでみよう!