ふろしき王子のブログ◎
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時おり撮影に協力いただいている、風呂敷仲間の1人が
ブログに「潮干狩り専用帽子」の結び方を、
なんとミャンマーの同僚先輩に伝えたと書かれていました。

furoshikigirl

バンダナを三角に折ってから頭に巻くかぶり方はよく見かけますが、
後ろに出っ張っている角はほんのおきもちのため、日よけとしては足りない。
そこで、三角に折らず、おでこ部分をひとつ結びしてまとめれば、
対角は全部引っぱり出して首を覆うことができます。

そのひらひらが風でまくれると帽子ごと飛ぶ可能性もあるので、
残りの2つの角を、上から真結びで止めている。

潮干狩りは、江戸時代には潮干とも呼び、初夏の風物詩。
日本人の主食は、コメ以前はクリと僕は考えているのですが、
クリには「どんぐり」と「はまぐり」があります。

縄文時代は多くの人が東京湾周辺に暮らしていたのは、
貝塚からも分かりますが、味の深さとサイズにより
アサリ以上にはまぐりが人氣あったろうと、勝手に想像する。
潮があるときに捕るときは、裸足で砂の中を掘って探り、
足の指先で挟んで持ちあげることもできる。
浮世絵においては、潮干にいるのはほぼ女性で、
着物のすそは濡れないように端折るため、
二布(ふたの)…反物2巾(約70cm)の丈×横幅約140cmの布の
両端にヒモをつけたのもの…
とも呼ばれた腰巻とふくらはぎが出るため、
色っぽい光景だったようです。

また、ドングリはアク抜きの楽なシイが、関東以南では
好まれていたと推察する。秋に1年分を収穫する。
他にもボラや鹿など多種多様な食文化があるけれど、
貝や木の実は採るのに命がけということは少なく、暮らしの安定を支えるから
主食にふさわしい。

これは過去の話ではなく、現在でも、東京湾はあまたの魚介類を生み出す
ポテンシャルはあるはずなので、護岸や干潟、海藻の再生を
川の上流や生活排水の流れまで含めて、変えていこうと思っています。
その一環として、我が家からは流して魚の棲めなくなるような
つよい洗剤は一切つかっていないのと、
庭でヨシを栽培し少しずつ株分けしている。
日本の古名でもある「豊葦原水穂国」(豊かなヨシ原と水田のくに)を、
風土の必然として、よみがえらせたい。

隅田川は、浅草付近などは海水が上ってきていて今も塩分濃度が比較的
高いようですが、上野の不忍池も、大昔は東京湾にそそぐ川の河口に位置し、
いのちあふれる汽水域だったため、貝類も豊富だったと思われます。


不忍池でしおひがり? 右手にはまぐり、左に熊手。
頭はふろしきの潮干狩り帽子。袋は、麻の蚊帳の生地で縫ったふろしきを結んだもので、網状。
風呂敷の機能は、結び方と素材によって多様にひろがる。

(モデル:asamin')

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近々、レジ袋が有料化されるという。
通常サイズは1枚2円~5円。

5円となると、結構な額であるが、
だからといってエコバッグを買うのはちょいとひと呼吸。

せっかくエコというなら、家の押し入れの隅に眠っている
生地を引っ張り出して、マイバッグや風呂敷を作りませんか。

市販のエコバッグはポリエステル製が多いのですが、
レジ袋のポリエチレンよりも生産にエネルギーを使う割に、
結局はうす汚れてくると捨てられるケースが多いようなので、
あまり環境のためになりそうもありません。

マイバッグを自作するまでゆかずとも、
今家にあるレジ袋を、使い回せばよいと思う。
それが完全に尽きたら、5円払って新品レジ袋を購入し、
何度も何度も使ったらいい。

そこでおすすめなのが、カチコチにならない結び方で、
言葉で簡単に(分かりにくく…)説明すると、
レジ袋の2つの取っ手の外側から、左右それぞれの手を通し、
通したまま、向かい側の持ち手をつかんで、
また左右にしゅっと引くと、口が閉まります。
同じことを2度繰り返すとさらに安定しますが。
ほどくのがたやすいので、使いまわしをしやすくなります。



(モデル:asamin'  撮影:白井智)

でもやっぱり、買い物は、布の袋、竹や柳、山ぶどうのかご、そして風呂敷をむすんだバッグなどを
こまやかにメンテしながら、楽しむことが暮らしのこころを豊かにすることでしょう。
上の写真は、商店街のパン屋さんでのひとコマですが、
麻(ヘンプ)の小風呂敷をつかっています。

風呂敷に向いている麻は、ヘンプ(大あさ)とリネン(亜麻)の2種類。
ジュート(黄麻)はチクチクしますし、ラミー(苧麻)は多少毛羽立つため、
摩擦の多い使い方には不向きです。

麻は水分を貯めこまない性質と、多孔質で隙間が多いため、
木綿よりも軽く感じます。そして乾きやすいため、高湿の日本にはぴったりで清潔。

レジ袋有料化の機会に、まずは家のなかに眠りたるレジ袋を掘り出して
大切に愛用するとともに、しわくちゃのレジ袋を持って歩くのが抵抗ある場合は
ぜひ、同じくタンスに眠っている風呂敷や布を利用して、
マイバッグは手づくりしましょう。何でも材料から買いそろえるのはエコといえない。
今あるものに、いのちを吹きこむことを、人は、その手と思いによって叶えられます。

今まではきっと、何でもかんでもレジ袋に入れていた方が多いと思われますが、
これからは、レジ袋は
1.野菜などの湿りもの→2.肉魚など臭いがつくもの→3.ごみ入れ
というように、段階を追って用途を変遷させ、使い倒した後に捨てるという
愛用の仕方に工夫し、普通の乾きものはぜひ、
風呂敷でまとめると、中身もずれにくく安定し、見た目もおしゃれにできます。

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