漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

紛らわしい漢字 「衝ショウ」 と 「衡コウ」

2017年10月24日 | 紛らわしい漢字 
 「衝ショウ」と「衡コウ」は、どちらも行コウに挟まれた字。音符は衝が中に挟まれた重ジュウ、衡は両側の行コウである。

 ショウ・つく  行部  
解字 「行(ゆく)+重(おもみがかかる)」 の会意形声。重い物が行き当ること。ぶつかること。発音は重ジュウが変化したショウ。
意味 (1)つく(衝く)。ぶつかる。「衝突ショウトツ」「緩衝カンショウ」(あたりを和らげる)「折衝セッショウ」(敵の衝いてくる戈先をくじき(折)とめる。外交のかけひき) (2)つきうごかす。「衝動ショウドウ」 (3)かなめ。大事な所。「要衝ヨウショウ
参考 音符「重ジュウ」へ

 コウ・はかり・くびき  行部
    
  スキをつけたくびき     車をつけたくびき        天秤ばかり

解字 金文・篆文は、「角(牛のつの)+大(牛のからだ)+行コウ(渡す)」 の会意形声。二頭の牛の角とその体(大)の間の首にかけ渡し(行)た横木(くびき)をいう。行の字は左右に分かれている。現代字は角が略体の「ク+田」になった。写真で分かるように牛のくびきの中央後ろにスキをつけて田畑を起したり、荷車を引かせたりする。この横木は後に、天秤ばかりの横棒の意となり、はかりを意味するようになった。転じて、つり合いがとれる。横の意ともなる。
意味 (1)くびき(衡)。横木。馬車や牛車の横木(くびき) (2)はかり(衡)。はかり竿。重さをはかること。「度量衡ドリョウコウ」(度は長さ、量は容積、衡は重さ。ものを測ること、また、その単位) (3)平らか。つり合いがとれている。「平衡ヘイコウ」(つりあいがとれる。=均衡) (4)よこ。「連衡レンコウ」(東西の国が同盟すること)「合従連衡ガッショウレンコウ」(従ショウは縦の意で、合従は南北の国が同盟すること。連衡は東西の国が同盟すること。あわせて、どちらの同盟に入るか外交上のかけひきをすること)
参考 音符「行コウ」へ
<紫色は常用漢字>

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