安 アン・やすらか・やすい 宀部

解字 「宀(たてもの)+女(おんな)」の会意。宀は祖霊をまつる廟(ビョウ)の建物、その中で女がひざまずき静かに祈っている形で、静かで落ち着いた安らかなさまを意味する。値段が安い意は、後に日本で付けられた意味である[字統]。
意味 (1)やすらか(安らか)。しずか。おだやか。「平安ヘイアン」「安康アンコウ」(世の中が平穏無事) (2)やすんじる(安んじる)。おちつく。「安心アンシン」 (3)おく。すえる。「安置アンチ」(据えて置く) (4)たやすい。「安易アンイ」 (5)[国]やすい(安い)。値段が安い。「安価アンカ」
イメージ
「やすらか・やすんじる」(安・案・鞍・按・晏)
「形声字」(鮟)
音の変化 アン:安・案・按・鞍・晏・鮟
やすらか・やすんじる
案 アン 木部
解字 「木(き)+安(やすんじる。安定した)」の会意形声。脚のある安定した木の台で、つくえの意。また、机の上で練った計画や下書きをいう。
意味 (1)つくえ(案)。物をのせる台。「几案キアン」(つくえ。几も案も、机の意) (2)考える。考え。机の上で練った計画。「考案コウアン」「案出アンシュツ」 (3)下書き。「草案ソウアン」「案文アンブン」
鞍 アン・くら 革部
解字 「革(かわ)+安(やすんじる。安定する)」の会意形声。馬の背において乗るひとを安定させる革製のくら。
意味 くら(鞍)。人や荷物をのせるために牛や馬の背につける道具。また、鞍のような形。「鞍馬アンバ」(①鞍をおいた馬。②体操競技の種目の一つ)「鞍替(くらが)え」(馬の鞍をかえる。職などをかえる)「鞍部アンブ」(山の稜線のくぼんだ所)
按 アン・おさえる 扌部
解字 「扌(て)+安(やすんじる)」の会意形声。手をおいて、おさえたり、なでたりすること。また、手でおさえる意から転じて、とりしまる意ともなる。
意味 (1)おさえる(按える)。なでる。もむ。「按摩アンマ」(もんで、さする) (2)さだめる。おちつける。「按排アンパイ」(ぐわいよく並べる) (3)取り締まる。調べる。「按察使アンサツシ」(地方の行政・風俗を検察する長官)
晏 アン・おそい 日部
解字 「日(太陽)+安(やすらか)」の会意形声。安らかな太陽の意から、①晴天で雲がないこと。②安らかに通じ、静かで安らかの意味となるほか、形声字としての意味もあり、暗アン(くらい)に通じ、暮れる・晩の意。また遅い意となるなど、多様な意味のある字。
意味 (1)晴天。「晏温アンオン」(晴れて温かい)「晏日アンジツ」(よく晴れた日) (2)静かで安らか。「晏然アンゼン」(おだやか)「晏晏アンアン」(やすらかなさま) (3)暮れる。晩。「晏駕アンガ」(日暮れに出発する霊柩車。天子の崩御を意味する) (4)おそい(晏い)。時刻・時期がおそい。「晏起アンキ」(朝おそく起きる。朝寝坊)「蚤寝晏起ソウシンアンキ」(蚤(はや)く寝ね晏く起く。赤子や幼児の様子。蚤は早と同じ) (5)人名。「晏子アンシ」(斉の宰相・晏嬰アンエイの敬称)
形声字
鮟 <国字> アン 魚部
解字 「魚(さかな)+安(アン)」の形声。アンという名の魚。
鮟鱇アンコウ(ウィキペディアより)
意味 鮟鱇アンコウに用いられる字。鮟鱇とは海底にすむアンコウ科の海魚。体は平たく口は大きい。背びれに突起があり、これで小魚を誘引して呑みこむ。「あんこう」の語源は、口をあんぐり開けるから「あん口コウ」という説がある。日本語の「あんこう」という名の魚に、魚へんに安康をつけて表したもの。「鮟鱇形アンコウガタ」(鮟鱇のように太って腹の出ている力士)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。

解字 「宀(たてもの)+女(おんな)」の会意。宀は祖霊をまつる廟(ビョウ)の建物、その中で女がひざまずき静かに祈っている形で、静かで落ち着いた安らかなさまを意味する。値段が安い意は、後に日本で付けられた意味である[字統]。
意味 (1)やすらか(安らか)。しずか。おだやか。「平安ヘイアン」「安康アンコウ」(世の中が平穏無事) (2)やすんじる(安んじる)。おちつく。「安心アンシン」 (3)おく。すえる。「安置アンチ」(据えて置く) (4)たやすい。「安易アンイ」 (5)[国]やすい(安い)。値段が安い。「安価アンカ」
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「やすらか・やすんじる」(安・案・鞍・按・晏)
「形声字」(鮟)
音の変化 アン:安・案・按・鞍・晏・鮟
やすらか・やすんじる
案 アン 木部
解字 「木(き)+安(やすんじる。安定した)」の会意形声。脚のある安定した木の台で、つくえの意。また、机の上で練った計画や下書きをいう。
意味 (1)つくえ(案)。物をのせる台。「几案キアン」(つくえ。几も案も、机の意) (2)考える。考え。机の上で練った計画。「考案コウアン」「案出アンシュツ」 (3)下書き。「草案ソウアン」「案文アンブン」
鞍 アン・くら 革部
解字 「革(かわ)+安(やすんじる。安定する)」の会意形声。馬の背において乗るひとを安定させる革製のくら。
意味 くら(鞍)。人や荷物をのせるために牛や馬の背につける道具。また、鞍のような形。「鞍馬アンバ」(①鞍をおいた馬。②体操競技の種目の一つ)「鞍替(くらが)え」(馬の鞍をかえる。職などをかえる)「鞍部アンブ」(山の稜線のくぼんだ所)
按 アン・おさえる 扌部
解字 「扌(て)+安(やすんじる)」の会意形声。手をおいて、おさえたり、なでたりすること。また、手でおさえる意から転じて、とりしまる意ともなる。
意味 (1)おさえる(按える)。なでる。もむ。「按摩アンマ」(もんで、さする) (2)さだめる。おちつける。「按排アンパイ」(ぐわいよく並べる) (3)取り締まる。調べる。「按察使アンサツシ」(地方の行政・風俗を検察する長官)
晏 アン・おそい 日部
解字 「日(太陽)+安(やすらか)」の会意形声。安らかな太陽の意から、①晴天で雲がないこと。②安らかに通じ、静かで安らかの意味となるほか、形声字としての意味もあり、暗アン(くらい)に通じ、暮れる・晩の意。また遅い意となるなど、多様な意味のある字。
意味 (1)晴天。「晏温アンオン」(晴れて温かい)「晏日アンジツ」(よく晴れた日) (2)静かで安らか。「晏然アンゼン」(おだやか)「晏晏アンアン」(やすらかなさま) (3)暮れる。晩。「晏駕アンガ」(日暮れに出発する霊柩車。天子の崩御を意味する) (4)おそい(晏い)。時刻・時期がおそい。「晏起アンキ」(朝おそく起きる。朝寝坊)「蚤寝晏起ソウシンアンキ」(蚤(はや)く寝ね晏く起く。赤子や幼児の様子。蚤は早と同じ) (5)人名。「晏子アンシ」(斉の宰相・晏嬰アンエイの敬称)
形声字
鮟 <国字> アン 魚部
解字 「魚(さかな)+安(アン)」の形声。アンという名の魚。

意味 鮟鱇アンコウに用いられる字。鮟鱇とは海底にすむアンコウ科の海魚。体は平たく口は大きい。背びれに突起があり、これで小魚を誘引して呑みこむ。「あんこう」の語源は、口をあんぐり開けるから「あん口コウ」という説がある。日本語の「あんこう」という名の魚に、魚へんに安康をつけて表したもの。「鮟鱇形アンコウガタ」(鮟鱇のように太って腹の出ている力士)
<紫色は常用漢字>
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