目 モク・ボク・め・ま 目部
解字 めを描いた象形。甲骨文・金文は、目の形をそのまま描いているが、篆文からタテになった。目は、目の動きや状態、見るなどの意で部首となる。
意味 (1)め(目)。ものを見るめ。見る。「目前モクゼン」「注目チュウモク」「目(ま)のあたりにする」 (2)めあて。大切なところ。「目当(めあ)て」「目的モクテキ」 (3)見出し。区切った一つ一つ。「目次モクジ」「項目コウモク」 (4)かお。名誉。「面目メンボク」(人に合わせる顔)
参考 目モクは部首「目め・めへん」になる。意味は目・目の動作・見る意を表す。目は部首としての活躍が中心で、音符「目モク」で、モク・ボクの発音を受け継ぐポピュラーな字は見当たらない。ここに収録した泪ルイは会意である。部首「目め・めへん」に属する字は、常用漢字で20字、約14,600字を収録する『新漢語林』では156字が収録されている。
常用漢字 20字
目モク・め <部首>
看カン・みる(目+手の会意)
眼ガン・まなこ(目+音符「艮コン」)
県ケン・あがた(字形に目を含むため)
瞬シュン・またたく(目+音符「舜シュン」)
盾ジュン・たて(目を含む象形)
省ショウ(目+音符「少ショウ」)
真シン・まこと(字形に目を含むため)
睡スイ・ねむる(目+音符「垂スイ」)
相ソウ・あい(目+木の会意)
眺チョウ・ながめる(目+音符「兆チョウ」)
直チョク(目を含む会意)
瞳ドウ・ひとみ(目+音符「童ドウ」)
督トク・ただす(目+音符「叔シュク」)
眉ビ・まゆ(目を含む象形)
冒ボウ・おかす(目+音符「冃ボウ」)
睦ボク・むつみ(目+音符「坴リク」)
眠ミン・ねむる(目+音符「民ミン」)
盲モウ・めくら(目+音符「亡ボウ」)
瞭リョウ・あきらか(目+音符「尞リョウ」)
※目部のうち、会意や象形やその他に属する、相ソウ・盾ジュン・直チョク・眉ビ・真シン・県ケンは音符ともなる。
イメージ 「め」(目・泪)
音の変化 モク:目 ルイ:泪
め
泪 ルイ・なみだ 氵部
解字 「氵(水)+目(め)」 の会意。目から流れる水、つまりなみだの意。涙ルイの異体字。現代中国では、涙が異体字で、泪は標準字として使われている。
意味 なみだ(泪)。なみだを流す。「泪珠ルイシュ」(涙の粒)「泪痕ルイコン」(涙が流れたあと)
眉 ビ <まゆ>
眉 ビ・ミ・まゆ 目部
解字 甲骨文は目のまゆを強調したかたち。意味は、①視察すること。閲兵の意味にも用いられる。②地名またはその長、③祭祀名となっている(甲骨文字辞典)。金文は目から離れた上に山型のマユを描いた象形。意味はマユのほか水辺(=湄ビ)、長い・満ちる、王や君の名前などがある。篆文から、目がタテ書きになったのに伴い、マユのかたちもタテ書きになって変形し、現代字は尸のなかにタテ棒が入った形になった。
覚え方 め(目)の上のコノ(尸)ぼう(I)は眉毛なり。[漢字川柳]
意味 (1)まゆ(眉)。まゆげ。「眉目ビモク」(眉と目。容貌)「眉目秀麗ビモクシュウレイ」(容貌が優れて美しい)「白眉ハクビ」(①白いまゆ、②同類の中で最も傑出している人や物)「眉墨まゆずみ(=黛)」「眉間ミケン」(まゆとまゆの間)「焦眉ショウビの急」(火が眉をこがすほどの急) (2)(老人は眉毛が長くのびるから、また白い眉毛から)としより。老年。長寿。「眉雪ビセツ」(雪のような眉。老人の敬称)「眉寿ビジュ」(老人。長命の人) (3)地名。「眉山ビザン」(今の四川省にある市の名)
イメージ
「まゆ」 (眉・媚・楣)
眉は目に「近い」(湄)
「形声字」(嵋)
音の変化 ビ:眉・媚・楣・湄・嵋
まゆ
媚 ビ・こびる・こび 女部
解字 「女(おんな)+眉(まゆ)」 の会意形声。女の眉を強調した字で、女が眉をうごかして色っぽくふるまうこと。
意味 (1)こびる(媚びる)。こび(媚)。へつらう。なまめかしい。「媚笑ビショウ」(なまめかしい笑い)「媚態ビタイ」(男にこびる女の態度)「媚薬ビヤク」(性欲を増進させるとされる薬) 「蛾媚ガビ」(蛾の触覚のような三日月形の眉。美人の形容) (2)うつくしい。「風光明媚フウコウメイビ」
楣 ビ・まぐさ・のき 木部
窓の楣(まぐさ)
https://polaris-hs.jp/zisyo_syosai/magusa.html
解字 「木(き)+眉(まゆのような)」の会意形声。家の入口や窓の上に、眉のように横に付いている木。目草(まぐさ)とも書く。目草は目の上の草のような眉の意と思われる。
意味 (1)まぐさ(楣)。目草(まぐさ)とも。門または出入口の扉の上に横にわたした木。「門楣モンビ」「楣石まぐさいし」(窓または出入口の上に水平に渡した石)「楣式まぐさしき構造」(窓・出入口の上に横材を置く構造⇔アーチ式構造)(2)のき(楣)。ひさし。
近い
湄 ビ・ほとり 氵部
解字 「氵(みず)+眉(近い)」の会意形声。水に近いところで、ほとりの意。
意味 (1)ほとり(湄)。みぎわ。水辺。「在水之湄」(水の湄ほとりに在り) (2)地名。「湄州島ビシュウトウ」(福建省莆田県にある島。中国の民間信仰の女神で海上航行の安全の守護神である媽祖(まそ)の昇天の地とされ対岸に媽祖廟がある)
形声字
嵋 ビ 山部
解字 「山(やま)+眉(ビ)」の形声。ビという名の山。
意味 「峨嵋山ガビサン」に使われる字。峨嵋山とは、中国四川省にある山。中国仏教三大霊山の一つで奇勝に富む。「峨眉山」とも。
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
解字 めを描いた象形。甲骨文・金文は、目の形をそのまま描いているが、篆文からタテになった。目は、目の動きや状態、見るなどの意で部首となる。
意味 (1)め(目)。ものを見るめ。見る。「目前モクゼン」「注目チュウモク」「目(ま)のあたりにする」 (2)めあて。大切なところ。「目当(めあ)て」「目的モクテキ」 (3)見出し。区切った一つ一つ。「目次モクジ」「項目コウモク」 (4)かお。名誉。「面目メンボク」(人に合わせる顔)
参考 目モクは部首「目め・めへん」になる。意味は目・目の動作・見る意を表す。目は部首としての活躍が中心で、音符「目モク」で、モク・ボクの発音を受け継ぐポピュラーな字は見当たらない。ここに収録した泪ルイは会意である。部首「目め・めへん」に属する字は、常用漢字で20字、約14,600字を収録する『新漢語林』では156字が収録されている。
常用漢字 20字
目モク・め <部首>
看カン・みる(目+手の会意)
眼ガン・まなこ(目+音符「艮コン」)
県ケン・あがた(字形に目を含むため)
瞬シュン・またたく(目+音符「舜シュン」)
盾ジュン・たて(目を含む象形)
省ショウ(目+音符「少ショウ」)
真シン・まこと(字形に目を含むため)
睡スイ・ねむる(目+音符「垂スイ」)
相ソウ・あい(目+木の会意)
眺チョウ・ながめる(目+音符「兆チョウ」)
直チョク(目を含む会意)
瞳ドウ・ひとみ(目+音符「童ドウ」)
督トク・ただす(目+音符「叔シュク」)
眉ビ・まゆ(目を含む象形)
冒ボウ・おかす(目+音符「冃ボウ」)
睦ボク・むつみ(目+音符「坴リク」)
眠ミン・ねむる(目+音符「民ミン」)
盲モウ・めくら(目+音符「亡ボウ」)
瞭リョウ・あきらか(目+音符「尞リョウ」)
※目部のうち、会意や象形やその他に属する、相ソウ・盾ジュン・直チョク・眉ビ・真シン・県ケンは音符ともなる。
イメージ 「め」(目・泪)
音の変化 モク:目 ルイ:泪
め
泪 ルイ・なみだ 氵部
解字 「氵(水)+目(め)」 の会意。目から流れる水、つまりなみだの意。涙ルイの異体字。現代中国では、涙が異体字で、泪は標準字として使われている。
意味 なみだ(泪)。なみだを流す。「泪珠ルイシュ」(涙の粒)「泪痕ルイコン」(涙が流れたあと)
眉 ビ <まゆ>
眉 ビ・ミ・まゆ 目部
解字 甲骨文は目のまゆを強調したかたち。意味は、①視察すること。閲兵の意味にも用いられる。②地名またはその長、③祭祀名となっている(甲骨文字辞典)。金文は目から離れた上に山型のマユを描いた象形。意味はマユのほか水辺(=湄ビ)、長い・満ちる、王や君の名前などがある。篆文から、目がタテ書きになったのに伴い、マユのかたちもタテ書きになって変形し、現代字は尸のなかにタテ棒が入った形になった。
覚え方 め(目)の上のコノ(尸)ぼう(I)は眉毛なり。[漢字川柳]
意味 (1)まゆ(眉)。まゆげ。「眉目ビモク」(眉と目。容貌)「眉目秀麗ビモクシュウレイ」(容貌が優れて美しい)「白眉ハクビ」(①白いまゆ、②同類の中で最も傑出している人や物)「眉墨まゆずみ(=黛)」「眉間ミケン」(まゆとまゆの間)「焦眉ショウビの急」(火が眉をこがすほどの急) (2)(老人は眉毛が長くのびるから、また白い眉毛から)としより。老年。長寿。「眉雪ビセツ」(雪のような眉。老人の敬称)「眉寿ビジュ」(老人。長命の人) (3)地名。「眉山ビザン」(今の四川省にある市の名)
イメージ
「まゆ」 (眉・媚・楣)
眉は目に「近い」(湄)
「形声字」(嵋)
音の変化 ビ:眉・媚・楣・湄・嵋
まゆ
媚 ビ・こびる・こび 女部
解字 「女(おんな)+眉(まゆ)」 の会意形声。女の眉を強調した字で、女が眉をうごかして色っぽくふるまうこと。
意味 (1)こびる(媚びる)。こび(媚)。へつらう。なまめかしい。「媚笑ビショウ」(なまめかしい笑い)「媚態ビタイ」(男にこびる女の態度)「媚薬ビヤク」(性欲を増進させるとされる薬) 「蛾媚ガビ」(蛾の触覚のような三日月形の眉。美人の形容) (2)うつくしい。「風光明媚フウコウメイビ」
楣 ビ・まぐさ・のき 木部
窓の楣(まぐさ)
https://polaris-hs.jp/zisyo_syosai/magusa.html
解字 「木(き)+眉(まゆのような)」の会意形声。家の入口や窓の上に、眉のように横に付いている木。目草(まぐさ)とも書く。目草は目の上の草のような眉の意と思われる。
意味 (1)まぐさ(楣)。目草(まぐさ)とも。門または出入口の扉の上に横にわたした木。「門楣モンビ」「楣石まぐさいし」(窓または出入口の上に水平に渡した石)「楣式まぐさしき構造」(窓・出入口の上に横材を置く構造⇔アーチ式構造)(2)のき(楣)。ひさし。
近い
湄 ビ・ほとり 氵部
解字 「氵(みず)+眉(近い)」の会意形声。水に近いところで、ほとりの意。
意味 (1)ほとり(湄)。みぎわ。水辺。「在水之湄」(水の湄ほとりに在り) (2)地名。「湄州島ビシュウトウ」(福建省莆田県にある島。中国の民間信仰の女神で海上航行の安全の守護神である媽祖(まそ)の昇天の地とされ対岸に媽祖廟がある)
形声字
嵋 ビ 山部
解字 「山(やま)+眉(ビ)」の形声。ビという名の山。
意味 「峨嵋山ガビサン」に使われる字。峨嵋山とは、中国四川省にある山。中国仏教三大霊山の一つで奇勝に富む。「峨眉山」とも。
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。