丙 ヘイ・ヒョウ・ひのえ 一部

解字 甲骨文字は建築物の入り口の象形。しかし、単独では原義の用例がなく、十干の三番目に仮借カシャ(当て字)された[甲骨文字辞典]。金文では筋かいの入った台座のような形になり、篆文で上に一が追加され、現代字は丙になった。
意味 ひのえ(丙)。十干の三番目。「甲乙丙コウオツヘイ」「丙午ひのえうま」(干支の丙午の年。災害が起きると考えられた)
十干とは、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10の要素の順列。これを五行(木・火・土・金・水)に配列し、おのおのに兄(え)と弟(と)を当てて訓読みする。以下を参照。

十干の読み方(オンライン無料塾「ターンナップ」より)
イメージ
「仮借カシャ」(丙)
「形声字」(病・柄・炳)
「その他」(陋・鞆)
音の変化 ヘイ:丙・柄・炳 ビョウ:病 ロウ:陋 とも:鞆
形声字
病 ビョウ・ヘイ・やむ・やまい 疒部
解字 「疒(やまい)+丙(ヘイ)」の形声。ヘイは并・併ヘイ・ヒョウ(あわせる)に通じ、病気がさらに重くなること。重い病をいう。ビョウ(ヒョウ)は呉音、ヘイは漢音。
意味 (1)やむ(病む)。やまい(病)。「病気ビョウキ」「病院ビョウイン」「看病カンビョウ」「疾病シッペイ」(2)欠点。短所。「病癖ビョウヘキ」「病根ビョウコン」(悪い習慣)
柄 ヘイ・がら・え 木部
解字 「木(き)+丙(ヘイ)」の形声。ヘイは秉ヘイ(手に取る)に通じ、手に取る木製の部分をいい、斧などの手に取る木製の柄をいう。なお、後漢の[説文解字]は、同字として棅ヘイをあげており、この字はまさしく「手に取る木」である。また、武器の柄を持つと、権力を手にできるので、権力・勢いの意がある。
意味 (1)え(柄)。ある道具を持つための棒。「ほうきの柄」 (2)勢い。権力。「権柄ケンペイ」(政治をおこなう権力)「横柄オウヘイ」(おごりたかぶって無礼な)(3)[国]がら(柄)。身体つき。性質。状態。「人柄ひとがら」「大柄おおがら」「身柄みがら」 (4)[国]がら(柄)。布地の模様。「図柄ズがら」
炳 ヘイ・ヒョウ・あきらか 火部
解字 「火(ひ)+丙(ヘイ)」の形声。ヘイは并・併ヘイ・ヒョウ(あわせる)に通じ、火の灯りがあわさり明るくかがやくこと。また、あきらかなさまをいう。
意味 (1)あきらか(炳らか)。「炳焉ヘイエン」(明らかなさま)「炳然ヘイゼン」(明らかなさま)「炳炳ヘイヘイ」(①明らかに輝く。②著名なさま)「炳煥ヘイカン」(炳も煥も、あきらかの意)
その他
陋 ロウ・せまい・いやしい 阝部
解字 春秋戦国時代の古文は、「L字形+丙」の形。意味は「せまい」であることから、「匸(奥まった場所)+内(うち)」と解釈し、奥まった内側の狭い場所としたのではないかと思われる。篆文は「阝(おか)+匸(奥まった場所)+丙」となったが、楷書で古文にもどり「阝(おか)+L字形+丙」となった。意味は丘にある狭い岩穴の部屋の形で、狭い意と、岩穴にすむいやしい人・ところを表す。発音も丙ヘイ・ヒョウとは全くことなるロウであり、これは牢ロウ(牢屋)の発音と似ている。
意味 (1)せまい(陋い)。「陋屋ロウオク」(小さく狭い家) (2)いやしい(陋しい)。悪い。「陋劣ロウレツ」(いやしく劣る)「陋巷ロウコウ」(狭くきたない街)「俗陋ゾクロウ」(俗でいやしい)「陋習ロウシュウ」(悪い習し)
鞆<国> とも 革部
解字 「革(なめしがわ)+丙(丙の字形)」の会意。丙の字形に似た腕にはめる当て革をあらわす国字。丙の字の内の部分に手首をはめる形。
鞆

鞆を手首につけた射手(ウィキペディア「鞆」より)
意味 とも(鞆)。ほむだ。弓を射る時に左手首につけて、矢を放ったあと弓の弦が手首に当たるのを防ぐ道具。革製の半円形で、はめてから紐で結びつける。「鞆音ともね」(弦が鞆に当った音)「鞆の浦」(地名:鞆に似た手首輪の形をした浦。広島県福山市にある。古くから潮待ちの港として栄えた)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。

解字 甲骨文字は建築物の入り口の象形。しかし、単独では原義の用例がなく、十干の三番目に仮借カシャ(当て字)された[甲骨文字辞典]。金文では筋かいの入った台座のような形になり、篆文で上に一が追加され、現代字は丙になった。
意味 ひのえ(丙)。十干の三番目。「甲乙丙コウオツヘイ」「丙午ひのえうま」(干支の丙午の年。災害が起きると考えられた)
十干とは、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10の要素の順列。これを五行(木・火・土・金・水)に配列し、おのおのに兄(え)と弟(と)を当てて訓読みする。以下を参照。

十干の読み方(オンライン無料塾「ターンナップ」より)
イメージ
「仮借カシャ」(丙)
「形声字」(病・柄・炳)
「その他」(陋・鞆)
音の変化 ヘイ:丙・柄・炳 ビョウ:病 ロウ:陋 とも:鞆
形声字
病 ビョウ・ヘイ・やむ・やまい 疒部
解字 「疒(やまい)+丙(ヘイ)」の形声。ヘイは并・併ヘイ・ヒョウ(あわせる)に通じ、病気がさらに重くなること。重い病をいう。ビョウ(ヒョウ)は呉音、ヘイは漢音。
意味 (1)やむ(病む)。やまい(病)。「病気ビョウキ」「病院ビョウイン」「看病カンビョウ」「疾病シッペイ」(2)欠点。短所。「病癖ビョウヘキ」「病根ビョウコン」(悪い習慣)
柄 ヘイ・がら・え 木部
解字 「木(き)+丙(ヘイ)」の形声。ヘイは秉ヘイ(手に取る)に通じ、手に取る木製の部分をいい、斧などの手に取る木製の柄をいう。なお、後漢の[説文解字]は、同字として棅ヘイをあげており、この字はまさしく「手に取る木」である。また、武器の柄を持つと、権力を手にできるので、権力・勢いの意がある。
意味 (1)え(柄)。ある道具を持つための棒。「ほうきの柄」 (2)勢い。権力。「権柄ケンペイ」(政治をおこなう権力)「横柄オウヘイ」(おごりたかぶって無礼な)(3)[国]がら(柄)。身体つき。性質。状態。「人柄ひとがら」「大柄おおがら」「身柄みがら」 (4)[国]がら(柄)。布地の模様。「図柄ズがら」
炳 ヘイ・ヒョウ・あきらか 火部
解字 「火(ひ)+丙(ヘイ)」の形声。ヘイは并・併ヘイ・ヒョウ(あわせる)に通じ、火の灯りがあわさり明るくかがやくこと。また、あきらかなさまをいう。
意味 (1)あきらか(炳らか)。「炳焉ヘイエン」(明らかなさま)「炳然ヘイゼン」(明らかなさま)「炳炳ヘイヘイ」(①明らかに輝く。②著名なさま)「炳煥ヘイカン」(炳も煥も、あきらかの意)
その他
陋 ロウ・せまい・いやしい 阝部

解字 春秋戦国時代の古文は、「L字形+丙」の形。意味は「せまい」であることから、「匸(奥まった場所)+内(うち)」と解釈し、奥まった内側の狭い場所としたのではないかと思われる。篆文は「阝(おか)+匸(奥まった場所)+丙」となったが、楷書で古文にもどり「阝(おか)+L字形+丙」となった。意味は丘にある狭い岩穴の部屋の形で、狭い意と、岩穴にすむいやしい人・ところを表す。発音も丙ヘイ・ヒョウとは全くことなるロウであり、これは牢ロウ(牢屋)の発音と似ている。
意味 (1)せまい(陋い)。「陋屋ロウオク」(小さく狭い家) (2)いやしい(陋しい)。悪い。「陋劣ロウレツ」(いやしく劣る)「陋巷ロウコウ」(狭くきたない街)「俗陋ゾクロウ」(俗でいやしい)「陋習ロウシュウ」(悪い習し)
鞆<国> とも 革部
解字 「革(なめしがわ)+丙(丙の字形)」の会意。丙の字形に似た腕にはめる当て革をあらわす国字。丙の字の内の部分に手首をはめる形。


鞆を手首につけた射手(ウィキペディア「鞆」より)
意味 とも(鞆)。ほむだ。弓を射る時に左手首につけて、矢を放ったあと弓の弦が手首に当たるのを防ぐ道具。革製の半円形で、はめてから紐で結びつける。「鞆音ともね」(弦が鞆に当った音)「鞆の浦」(地名:鞆に似た手首輪の形をした浦。広島県福山市にある。古くから潮待ちの港として栄えた)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます