改訂しました。
艮 コン・ゴン・うしとら 艮部 gèn・gěn
上が艮コン、中が限ゲン、下が見ケン
解字 上段の艮コンは篆文からある字で「目+後ろ向きの人」の形。真ん中の限ゲンは艮の音符字のなかで最も古くからある字で、金文は「阝(かいだん・はしご)+目(め)+後ろ向きの人」の形で、目と人が離れており、人は右向きで通常の人の逆向きになっている。即ちこの字の艮コン⇒ゲンは、後ろを向いて相手を見る形で、相手を無視する・拒絶する形である。下段の見は「目+左向き(前を向く)の坐った人」で前を見る意を表している。篆文の見の下部を反転させると、艮の下部に近くなる。
[説文解字]は、艮コンを「很(もと)る也」(そむく・さからう・たがう意)とする。 しかし、現在の艮は仮借カシャ(当て字)され、「易の八卦のひとつ」および方角の「うしとら(北東の方角)」の意味で使われる。
意味 (1)そむく。もとる。さからう。(=很)(2)易の八卦の一つ。 属性は静止。(3)うしとら(艮)。北東の方角。鬼門。八卦の艮を方角・時刻にあてていう。
参考 艮は部首「艮こん」になる。漢字の右辺につき「とどまる」意を表すが、艱カンの1字しかない。また、良リョウは形が似ているため便宜的に艮部になっている。多くの漢和辞典で、艮部は艮・艱・良の3字のみが一般的。
イメージ
「後ろを向いてにらむ」(艮・限・垠・很)
「形声字」(跟・銀・根・恨・齦・痕・眼)
音の変化 コン:艮・跟・很・根・恨・痕 ゲン:限 ガン:眼 ギン:垠・銀・齦
後ろを向いてにらむ
限 ゲン・かぎる 阝部 xiàn
解字 金文は「阝(かいだん・はしご)+目(め)+後ろ向きの人」の会意形声。聖所へ上がる階段の下で、背を向けた人が目をひからせて見張っている形。目で見はって相手を拒否する形。階段の下で、くぎる・かぎる意となる。
意味 (1)かぎる(限る)。くぎる。「限定ゲンテイ」「制限セイゲン」 (2)さかいめ。はて。「限界ゲンカイ」「限度ゲンド」
垠 ギン・かぎり・はて 土部 yín
解字 「土(とち)+艮(=限の略体。意味②の、はて・さかいめ)」の会意形声。土地のはて、はるかかなたのさかいめの意味となる。発音はゲン⇒ギンに変化。
意味 (1)はて。かぎり。限界。「垠際ギンザイ」(はて)「無垠ムギン」(はてがない)「一望無垠イチボウムギン」(一目でかなたまで広々と見渡されること) (2)丘の末端や続いた平地のさかい目。「垠岸ギンガイ」(そびえたつがけ)
後ろをむく
很 コン・もとる 彳部 hěn
解字 「彳(路上)+艮(後ろをむく)」の会意形声。彳は十字路(行)の左半分で、ここでは路上の意、很は、路上で相手に対し後ろを向くことから、さからう・したがわない意となる。
意味 (1)もとる(很る)。たがう。さからう。したがわない。人の言うことをきかないでさからう。「很戻コンレイ」(ねじけさからう)「傲很ゴウコン」(傲慢にさからう)(2)うらむ。「很心ヘンシン」。(3)はなはだ(很)。
跟 コン・かかと 足部 gēn
解字 「足(あし)+艮(後ろをむく)」の会意形声。人が後ろを向いたとき、足の後ろは、かかとになる。また、かかとに付いて行く意となる。
意味 (1)かかと(跟)。くびす。きびす。 (2)したがう。人のあとについていく。「跟随コンズイ」(人の後について行く。=跟従)
銀 ギン・しろがね 金部 yín
解字 「金(きん)+艮(=跟の略体。あとにつく)」の会意形声。金のあとに従う銀。金の次に位置する銀の意。
意味 (1)ぎん(銀)。しろがね(銀)。「銀箔ギンパク」(2)銀に似た色。「銀河ギンガ」(天の川)「銀幕ギンマク」(映画のスクリーン)(3)お金。「銀貨ギンカ」
形声字
根 コン・ね 木部 gēn
解字 「木(き)+艮(コン)」の形声。木のねもとを根コンといい、さらに物事のもとの意味を表す。
意味 (1)ね(根)。草木の根。「球根キュウコン」(2)物のねもと。おおもと。「根源コンゲン」「根本コンポン」(3)がんばり。気分。「根気コンキ」「精根セイコン」
恨 コン・うらむ・うらめしい 忄部 hèn
解字 「忄(心)+艮(コン=根)」の形声。いつまでも心に根をもつこと。
意味 うらむ(恨む)。うらめしい(恨めしい)。「遺恨イコン」(恨みを残す)「痛恨ツウコン」
齦 ギン・コン 歯部 yín
解字 「歯の旧字(は)+艮(ギン・コン=根) の会意形声。歯の根元の意で、はぐきをいう。
意味 (1)はぐき(齦)。歯の根を含む歯肉をいう。「歯齦シギン」(はぐき) (2)かむ。
痕 コン・あと 疒部 hén
解字 「疒(傷のやまい)+艮(コン)」 の形声。身体にいつまでも残る傷のあとを痕コンという。
意味 (1)あと(痕)。きずあと。「刀痕トウコン」「傷痕ショウコン」(2)あと(痕)。あとかた。「痕跡コンセキ」「墨痕ボッコン」(すみのあと。筆のあと)
眼 ガン・ゲン・め・まなこ 目部 yǎn
解字 「目(め)+艮(ガン)」の形声。目の丸いめだまを眼ガンという。すなわち目玉・眼球をいう。
色彩101(「眼の構造」より)
意味 (1)め(眼)。まなこ(眼)。めだま。まなざし。「眼球ガンキュウ」「眼光ガンコウ」「眼下ガンカ」「開眼カイゲン」(新たにできた仏像や人形に目を描きいれ魂を迎えいれること) (2)目のようなかたち。「銃眼ジュウガン」(城壁などに開けた射撃用の穴)「方眼紙ホウガンシ」(多数の方形[四角形]を描いた紙)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
艮 コン・ゴン・うしとら 艮部 gèn・gěn
上が艮コン、中が限ゲン、下が見ケン
解字 上段の艮コンは篆文からある字で「目+後ろ向きの人」の形。真ん中の限ゲンは艮の音符字のなかで最も古くからある字で、金文は「阝(かいだん・はしご)+目(め)+後ろ向きの人」の形で、目と人が離れており、人は右向きで通常の人の逆向きになっている。即ちこの字の艮コン⇒ゲンは、後ろを向いて相手を見る形で、相手を無視する・拒絶する形である。下段の見は「目+左向き(前を向く)の坐った人」で前を見る意を表している。篆文の見の下部を反転させると、艮の下部に近くなる。
[説文解字]は、艮コンを「很(もと)る也」(そむく・さからう・たがう意)とする。 しかし、現在の艮は仮借カシャ(当て字)され、「易の八卦のひとつ」および方角の「うしとら(北東の方角)」の意味で使われる。
意味 (1)そむく。もとる。さからう。(=很)(2)易の八卦の一つ。 属性は静止。(3)うしとら(艮)。北東の方角。鬼門。八卦の艮を方角・時刻にあてていう。
参考 艮は部首「艮こん」になる。漢字の右辺につき「とどまる」意を表すが、艱カンの1字しかない。また、良リョウは形が似ているため便宜的に艮部になっている。多くの漢和辞典で、艮部は艮・艱・良の3字のみが一般的。
イメージ
「後ろを向いてにらむ」(艮・限・垠・很)
「形声字」(跟・銀・根・恨・齦・痕・眼)
音の変化 コン:艮・跟・很・根・恨・痕 ゲン:限 ガン:眼 ギン:垠・銀・齦
後ろを向いてにらむ
限 ゲン・かぎる 阝部 xiàn
解字 金文は「阝(かいだん・はしご)+目(め)+後ろ向きの人」の会意形声。聖所へ上がる階段の下で、背を向けた人が目をひからせて見張っている形。目で見はって相手を拒否する形。階段の下で、くぎる・かぎる意となる。
意味 (1)かぎる(限る)。くぎる。「限定ゲンテイ」「制限セイゲン」 (2)さかいめ。はて。「限界ゲンカイ」「限度ゲンド」
垠 ギン・かぎり・はて 土部 yín
解字 「土(とち)+艮(=限の略体。意味②の、はて・さかいめ)」の会意形声。土地のはて、はるかかなたのさかいめの意味となる。発音はゲン⇒ギンに変化。
意味 (1)はて。かぎり。限界。「垠際ギンザイ」(はて)「無垠ムギン」(はてがない)「一望無垠イチボウムギン」(一目でかなたまで広々と見渡されること) (2)丘の末端や続いた平地のさかい目。「垠岸ギンガイ」(そびえたつがけ)
後ろをむく
很 コン・もとる 彳部 hěn
解字 「彳(路上)+艮(後ろをむく)」の会意形声。彳は十字路(行)の左半分で、ここでは路上の意、很は、路上で相手に対し後ろを向くことから、さからう・したがわない意となる。
意味 (1)もとる(很る)。たがう。さからう。したがわない。人の言うことをきかないでさからう。「很戻コンレイ」(ねじけさからう)「傲很ゴウコン」(傲慢にさからう)(2)うらむ。「很心ヘンシン」。(3)はなはだ(很)。
跟 コン・かかと 足部 gēn
解字 「足(あし)+艮(後ろをむく)」の会意形声。人が後ろを向いたとき、足の後ろは、かかとになる。また、かかとに付いて行く意となる。
意味 (1)かかと(跟)。くびす。きびす。 (2)したがう。人のあとについていく。「跟随コンズイ」(人の後について行く。=跟従)
銀 ギン・しろがね 金部 yín
解字 「金(きん)+艮(=跟の略体。あとにつく)」の会意形声。金のあとに従う銀。金の次に位置する銀の意。
意味 (1)ぎん(銀)。しろがね(銀)。「銀箔ギンパク」(2)銀に似た色。「銀河ギンガ」(天の川)「銀幕ギンマク」(映画のスクリーン)(3)お金。「銀貨ギンカ」
形声字
根 コン・ね 木部 gēn
解字 「木(き)+艮(コン)」の形声。木のねもとを根コンといい、さらに物事のもとの意味を表す。
意味 (1)ね(根)。草木の根。「球根キュウコン」(2)物のねもと。おおもと。「根源コンゲン」「根本コンポン」(3)がんばり。気分。「根気コンキ」「精根セイコン」
恨 コン・うらむ・うらめしい 忄部 hèn
解字 「忄(心)+艮(コン=根)」の形声。いつまでも心に根をもつこと。
意味 うらむ(恨む)。うらめしい(恨めしい)。「遺恨イコン」(恨みを残す)「痛恨ツウコン」
齦 ギン・コン 歯部 yín
解字 「歯の旧字(は)+艮(ギン・コン=根) の会意形声。歯の根元の意で、はぐきをいう。
意味 (1)はぐき(齦)。歯の根を含む歯肉をいう。「歯齦シギン」(はぐき) (2)かむ。
痕 コン・あと 疒部 hén
解字 「疒(傷のやまい)+艮(コン)」 の形声。身体にいつまでも残る傷のあとを痕コンという。
意味 (1)あと(痕)。きずあと。「刀痕トウコン」「傷痕ショウコン」(2)あと(痕)。あとかた。「痕跡コンセキ」「墨痕ボッコン」(すみのあと。筆のあと)
眼 ガン・ゲン・め・まなこ 目部 yǎn
解字 「目(め)+艮(ガン)」の形声。目の丸いめだまを眼ガンという。すなわち目玉・眼球をいう。
色彩101(「眼の構造」より)
意味 (1)め(眼)。まなこ(眼)。めだま。まなざし。「眼球ガンキュウ」「眼光ガンコウ」「眼下ガンカ」「開眼カイゲン」(新たにできた仏像や人形に目を描きいれ魂を迎えいれること) (2)目のようなかたち。「銃眼ジュウガン」(城壁などに開けた射撃用の穴)「方眼紙ホウガンシ」(多数の方形[四角形]を描いた紙)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。