MSN産経ニュース2011.10.31 22:42
【ニューヨーク=黒沢潤】ボリビアの反米左派モラレス政権が窮地に立たされている。経済は好調ながら内政でゴタゴタが続き、一時、約6割あった政権支持率が2割程度にまで激減。モラレス政権への事実上の「信任投票」ともいえる10月中旬の裁判官選挙でも手痛い敗北を喫した。
2006年1月、先住民初の大統領に就任したモラレス氏は09年に大差で再選を果たした。モラレス氏は、人口でわずか13%のヨーロッパ系住民に富が集中する現状を打破するため、「先住民主義」を掲げて諸改革に取り組み、国民一般からの人気も高かった。
しかし昨年末、世界的な燃料価格の高騰を受け、ガソリンの値上げを発表すると支持率は30%台に急落。ストライキが発生し大混乱が生じた。慌てたモラレス氏は数日後に方針を撤回したものの、支持率の大幅回復にはつながらなかった。
モラレス政権は9月、国の中央部からブラジル方面へと伸びる高速道路(全長約300キロ、総工費約4億2千万ドル)の建設に反対する地元先住民のデモを、治安部隊約500人を投入して粉砕。支持率は20%台へと低下し、追い込まれたモラレス氏は10月21日、建設計画の撤回を発表した。
10月16日には最高裁判事などの選挙が行われ、野党側が無効票の投票を呼びかけた。結果、政権与党が多数派を占める国会が選出した判事候補に対し、有権者の投じた無効票(白票を含む)が約6割に上り、政権への不支持が裏付けられた。
人口約1千万人のボリビアは、世界最大規模のリチウム埋蔵量を有し、昨年の経済成長率は約4%と好調を維持した。だが、モラレス氏が内政の諸問題解決に向け力を発揮できない場合、3選をうかがう14年の大統領選にも微妙な陰を落としそうだ。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111031/amr11103122420006-n1.htm
【ニューヨーク=黒沢潤】ボリビアの反米左派モラレス政権が窮地に立たされている。経済は好調ながら内政でゴタゴタが続き、一時、約6割あった政権支持率が2割程度にまで激減。モラレス政権への事実上の「信任投票」ともいえる10月中旬の裁判官選挙でも手痛い敗北を喫した。
2006年1月、先住民初の大統領に就任したモラレス氏は09年に大差で再選を果たした。モラレス氏は、人口でわずか13%のヨーロッパ系住民に富が集中する現状を打破するため、「先住民主義」を掲げて諸改革に取り組み、国民一般からの人気も高かった。
しかし昨年末、世界的な燃料価格の高騰を受け、ガソリンの値上げを発表すると支持率は30%台に急落。ストライキが発生し大混乱が生じた。慌てたモラレス氏は数日後に方針を撤回したものの、支持率の大幅回復にはつながらなかった。
モラレス政権は9月、国の中央部からブラジル方面へと伸びる高速道路(全長約300キロ、総工費約4億2千万ドル)の建設に反対する地元先住民のデモを、治安部隊約500人を投入して粉砕。支持率は20%台へと低下し、追い込まれたモラレス氏は10月21日、建設計画の撤回を発表した。
10月16日には最高裁判事などの選挙が行われ、野党側が無効票の投票を呼びかけた。結果、政権与党が多数派を占める国会が選出した判事候補に対し、有権者の投じた無効票(白票を含む)が約6割に上り、政権への不支持が裏付けられた。
人口約1千万人のボリビアは、世界最大規模のリチウム埋蔵量を有し、昨年の経済成長率は約4%と好調を維持した。だが、モラレス氏が内政の諸問題解決に向け力を発揮できない場合、3選をうかがう14年の大統領選にも微妙な陰を落としそうだ。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111031/amr11103122420006-n1.htm