先住民族関連ニュース

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国の名勝:室蘭の絵鞆半島海岸を追加指定 一連の「ピリカノカ」に

2011-11-19 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2011年11月18日 22時22分

 国の文化審議会は18日、道内で6カ所が指定されている名勝「ピリカノカ」に、新たに室蘭市の絵鞆(えとも)半島外海岸を加えるよう文部科学相に答申した。ピリカノカはアイヌ語で「美しい形」の意味で、九度山(名寄市)や黄金山(石狩市)などアイヌの物語や伝承、祈りの場ともなった景勝地が指定対象になっている。
 同海岸は急峻な断崖が10キロ以上続き、入り江と岩礁が入り組んだ自然美豊かな地形が特徴。トッカリショ(アザラシの岩)▽ポロチケウェ(大きな断崖)▽マスイチセ(海猫の家)▽ハルカラモイ(食料を取る入り江)--など100カ所以上のアイヌ語地名が残っている。【千々部一好】
http://mainichi.jp/hokkaido/news/20111118hog00m040006000c.html

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台湾…先住民語 消滅の危機

2011-11-19 | 先住民族関連
(2011年11月17日 読売新聞)

 「テマーナ」(キャベツ)、「バーウン」(カボチャ)、「ウーシィグ」(トウガラシ)――。先住民のセデック族子弟ばかり84人が通う台湾中部南投県仁愛郷の合作国民小学校。付属幼稚園の園児13人がヘイサ・バサウ先生(38)に合わせて、セデック語の発音を練習する。
 時折「日本語」も顔をのぞかせる。日本の植民統治時代に、日本語がそのまま吸収された例が多々あるためだ。例えば、ネギが「ネギ」、ナシは「ナシ」だ。「子どもたちにとってセデック語は、英語、日本語同様に『外国語』でしかない」と、ヘイサ先生は言う。
 仁愛郷でセデック語をはじめとする先住民語教育を研究するキリスト教会牧師、クム・タパスさん(48)によると、戦後、国民党政権が台湾全土の学校で使用言語を中国語に限定する政策を実施した結果、先住民語が急速に衰退した。特に1971~87年に生まれた先住民族の多くは、自民族語が話せない「失語」状態にあるという。
 これに歯止めをかけようと、台湾当局が先住民教育に各民族の言語学習を取り入れたのは、2001年9月から。14民族38種類の言語があり、5万人の子どもがそれぞれ週1回50分間の授業を受けている。
 しかし、悩みは深い。学校で学んでも、家庭で話すのは中国語。クムさんは「社会全体が連携して実践の場を作らなければ、定着しない。多くの先住民語は近く消滅する」と指摘する。
 打つ手がないまま、「いずれなくなるにしても、民族特有の言語に触れることで、民族としての自尊心を養うことができる」(ヘイサ先生)との信念だけが、先住民語教育の現場を支えている。(台北 源一秀、写真も)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/jijou/sekai/20111117-OYT8T00237.htm

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登別出身の知里幸恵が著した「アイヌ神謡集」英語版完成

2011-11-19 | アイヌ民族関連
【室蘭民報 2011年11月17日(木)朝刊】
 
登別出身の知里幸恵(1903~22年)が民族の手で初めて著した「アイヌ神謡集」の英語版が刊行された。米国・ベイツ大学のサラ・ストロング教授が約8年がかりで執筆、A5判320ページに及ぶ大作に仕上げた。関係者は「幸恵の功績がまた世界に広まる」と期待している。
 英訳版はハワイ大学出版局から出版された。全6章で構成され、アイヌ神謡集の英文訳のほか、幸恵と知里家を含めた歴史、アイヌ民族の世界観を詳しく紹介。今月1日に「銀のしずく記念館」(登別本町、横山むつみ館長)に届けられた。
 表紙に横山館長の夫で漫画家・孝雄さんが撮影した白老町アヨロ海岸のカムイミンタラ(神々が遊ぶ庭)の写真を掲載。本文内には、海洋生物調査員の笹森琴絵さんや自然愛好グループ・ヨシキリの会の伴野俊夫代表が撮影した動物の写真も使われている。題名に「AINU SPIRITS SINGING」と記し、継承されるアイヌ民族の精神を訴え掛けた。
 ストロング教授はメーン州ルイストン市にあるベイツ大学アジア研究学部日本語・日本文学学科教授。専門は「宮澤賢治」で、宮澤文学研究では欧米の第一人者として知られる。
 幸恵生誕100年の平成15年などこれまで3度登別を訪問。横山館長宅での聞き取りや登別市立図書館などで文献を熱心に調べ上げ、幸恵ゆかりの地にも足を運び“息吹”を感じたという。
 ストロング教授は「メーン州と北海道の風土がよく似ており、親しみを持って仕事ができた」と感想。初版本に同封された書簡には「やっと本が出ました」と日本語で書かれており、感慨深げな様子だ。
 横山館長は記念館の完成などに触れ「(NPO法人知里森舎と)ストロングさんの活動が実りうれしい。世界に幸恵さんの功績を伝えることができる」と敬意を表していた。
 一般公開はフランス語、ロシア語、エスペラント語など世界各国で翻訳された本などと一緒にお披露目される予定。問い合わせは同記念館(電話0143・83局5666番)へ。
(粟田純樹)
http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2011/11/17/20111117m_05.html

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