先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

道立近代美術館で企画展 アイヌの美しき手仕事 衣装、木彫品、装身具など多彩 /北海道

2019-12-28 | アイヌ民族関連
毎日新聞2019年12月27日 地方版
 道立近代美術館(札幌市中央区北1西17)では1月13日まで、アイヌ芸術の魅力を紹介する展覧会「アイヌの美しき手仕事 柳宗悦と芹沢銈介のコレクションから」を開催中だ。衣装や木彫品、装身具など、多彩な展示を通して、アイヌ文化の豊かな精神世界に触れられる。
 会場で特に目を引くのは、個性豊かな文様の衣装の数々だ。渦巻きや、とげの形を複雑に組み合わせた切伏(きりぶせ)(アップリケ)と刺しゅうが丹念に施され、人の手が生み出した布の宝石のようだ。白や茶、紺を基調にした衣装の中に1点だけ、全体を赤いモスリン(薄地のウール)で仕立てた珍しい品があったのには驚いた。
 針仕事の細かさには、ため息が出た。1着仕上げるために、どれほど手間がかかるのだろう。衣装の文様は、…
この記事は有料記事です。
残り542文字(全文869文字)
https://mainichi.jp/articles/20191227/ddl/k01/040/037000c

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“食”だけではない北海道の魅力続々 来春開設のアイヌ文化施設、地域交流体験、玉入れ

2019-12-28 | アイヌ民族関連
OVO 12/26(木) 15:28配信
 北海道といえば、新鮮な魚介類、ジンギスカン、ラーメン、スープカレー、甘いトウモロコシ、アスパラガス、新鮮な牛乳から作られるアイスクリーム、ケーキといったデザートなどなど、食の魅力を語りだしたら、止まらなくなる。
 実際、民間シンクタンク「ブランド総合研究所」が10月中旬に発表した今年の市区町村別の魅力度調査によると、北海道函館市が2年連続6度目の1位を獲得し、2位も札幌市で(昨年3位)、街としてのブランド力の高さを示した。
 この結果についてブランド総合研究所は、函館市が地元産食材の豊富さなどが、札幌市は地場産品の魅力や住みたい町としての評価が上がったことが要因とみており、やはり「食の魅力」が大きなアピールポイントになっていることは間違いない。
 ただ、北海道は「食」だけでは語りきれない、さまざまな魅力を備えている。そんな数々の魅力を伝えようと、公益社団法人北海道観光振興機構がこのほど東京都内で、道内の自治体関係者らによる記者発表会を開いた。プレス関係者らで満席となった、当日の様子を報告する。
「あなたの心にそっと触れる」
  「イランカラプテ」という言葉が会場内に響いた。マイク台に立った、公益財団法人アイヌ民族文化財団民族共生象徴空間(ウポポイ)開業準備室の金子健太郎・誘客広報部長が、アイヌ語であいさつし、プレゼンテーションが始まった。
 イランカラプテとは、「こんにちは」という意味。元参議院議員の萱野茂氏がこの言葉を「あなたの心にそっと触れさせていただきます」と解釈し、広く知られるようになったという。政府(内閣官房アイヌ総合政策室北海道分室)が推進している「イランカラプテ」キャンペーンのメッセージで、これからの北海道のおもてなしの合言葉として使用している。

 ウポポイとは、北海道白老町で来年4月にオープンするアイヌ文化施設「民族共生象徴空間」のことだ。アイヌ語で「(おおぜいで)歌うこと」を意味する「ウポポイ」の愛称を持つ。
 広さ約10ヘクタールの土地に、国立アイヌ民族博物館、国立民族共生公園を中心に展開され、アイヌ文化を体験できる施設になる。公園の中には伝統的な住まい「チセ」がある集落「コタン」が再現されるなど、アイヌの生活も感じられるよう工夫がされている。
 新千歳空港から車で約40分の「ウポポイ」は現在、急ピッチで施設の工事が進められ、来年4月24日にオープンする。政府はアイヌ文化の復興・発展のための拠点となるナショナルセンターとして、年間来場者100万人を目標にしている。
 金子さんは「アイヌの歴史、アイヌ文化への理解を深め、未来に伝えていくことを目的にしたウポポイにぜひ来ていただきたい」と話した。
 開園時間、入場料など詳細はHPまで。
ウポポイ(民族共生象徴空間):https://ainu-upopoy.jp/
自分だけの名所を見つけて
 次に登壇したのは、(株)北海道宝島旅行社の観光地域づくり事業部でプランナーを務める常井玄さんだ。
 この会社は2007年に創業。北海道を宝の島にたとえ、道内各地域の人々と一緒に「観光地域づくり」を進め、地域の良さを再発見することを目指し、スタートした。その作業を通じ、 これまでになかった、時間や空間の過ごし方を積極的に提案している。最近は訪日外国人の観光客が増えているという。
 常井さんは「道内各市町村の自治体と連携し、交流人口を増やすための『観光地域づくり』を通じた地域の支援を行っています」と語り始めた。
 今回、紹介したのは、「岩宇(がんう)で人と暮らしにであう旅」という企画だった。岩宇は、北海道の西に位置し、新千歳空港から車で約2時間半。積丹半島の西側の岩内町、共和町、神恵内村、泊村の計4町村の地域が「岩宇」と呼ばれている。
 地域住民との体験プログラムでは、例えば共和町の農家の冬の暮らしぶりを味わうツアーを行っている。雪上車で冬の畑を散策したり、まゆ玉飾りを作ったりする体験を楽しんでもらうという。
 北海道宝島旅行社の企画する「岩宇で人と暮らしにであう旅」は通年実施されており、1日のツアー料金は1万2000円から(目安。要問い合わせ)。同社は「絶景やグルメだけが、名所ではありません。けれども、知られざる名所こそ、かけ足では出会えません。どうぞ、あちらこちら寄り道しながら、自分だけの名所を見つけて、心も、荷物も、いっぱいにしてお帰りください」と呼び掛けている。
 北海道の岩宇地域で、あなた自身の名所をみつけてみませんか。
北海道宝島旅行社:http://h-takarajima.com/town/town/ganwu
高さ4メートル12センチの玉入れに挑む
 幼稚園や小学校の運動会で、定番の競技が玉入れだろう。それを町おこしに活用しているところがあった。北海道中央部の旭川市から北へ36キロ、旭川空港から車で約1時間の和寒町(わっさむちょう)だ。
 人口3228人(2019年11月)。カボチャの作付面積、収穫量が「日本トップクラス」で、雪の下で甘みが増す「越冬キャベツ」の産地で知られる。
 その和寒町で1995年、全日本玉入れ協会(All Japan Tamaire Association)=AJTA(アジャタ)を設立。翌年 150チーム、選手関係者2000人が参加した、第1回玉入れ選手権大会が和寒町内で開催された。
 このアジャタは、写真を見ていただければ分かるように、地面からバスケットの高さが、なんと4メートル12センチもある。とにかく高いのだ。これは、過去の最低気温マイナス41・2度を記録したことから、決められた。バスケットの直径、深さも、この場所が北緯44度にちなみ、いずれも44センチになっている。
 このバスケットをめがけ、4~6人の選手が合計100個のボールを入れ終わるまでの時間を競う競技。毎年、和寒町AJTA(全日本玉入れ選手権)が開催され、優勝すれば賞金50万円(一般部門)を獲得できる。
 プレゼンした、和寒町産業振興課の山口敏典主事は「健常者と障害者が一緒に楽しめるウィルチェア アジャタも登場しています。未来のパラリンピックの競技を目指したい」とアジャタの新しい取り組みを紹介した。
 今後については「アジャタの競技人口を増やし、全国各地での認知度をいっそう高めていきたい」と意気込む。
 アジャタで汗をかいた後は、ビールを片手に、甘い「越冬キャベツ」を使ったホルモン鍋もおいしいだろう。雪が降るのが早く、量が多いという和寒町の気候条件を生かし、秋に収穫されたキャベツを畑に並べておいて、冬の間、雪の下になるようにする。このキャベツを掘り出し、ゆっくり暖めてやれば、みずみずしい新鮮なキャベツによみがえり、甘みも増しているという。
 大人から子どもまで楽しめるアジャタ。未体験の玉入れ競技に挑戦し、甘い越冬キャベツを食べに訪れてはいかがでしょう。
全日本玉入れ協会:https://ajta.jp/
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191226-00000005-ovo-life

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アイヌを名乗っていたのは…詩森ろば書き下ろし、流山児★事務所「コタン虐殺」

2019-12-28 | アイヌ民族関連
ナタリー 2019年12月26日 16:18 63

流山児★事務所公演「コタン虐殺」チラシ表
大きなサイズで表示(全2件)
流山児★事務所「コタン虐殺」が、2月1日から9日まで東京のザ・スズナリで上演される。
流山児★事務所と詩森ろばが2016年の「OKINAWA 1972」ぶりにタッグを組む本作は、1974年に起きた白老町長襲撃事件をもとにしたヒューマンドラマ。北海道白老町の町長を刺した若い男は、当初アイヌを名乗っていたが、実は本州から来た運動家であることが明らかになっていき……。
詩森が新作を書き下ろし、演出も担当。流山児★事務所の面々に加え村松恭子、みょんふぁ、serial numberの田島亮、杉木隆幸、藤尾勘太郎、黒色綺譚カナリア派の牛水里美が出演する。
https://natalie.mu/stage/news/361037

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大学の保管するアイヌ遺骨等の出土地域への返還に係る他の団体からの申請等の有無の確認について

2019-12-28 | アイヌ民族関連
文部科学省 2019年12月26日
 文部科学省では、平成30年12月に関係省庁が定めた「大学の保管するアイヌ遺骨等の出土地域への返還手続に関するガイドライン(※PDF 内閣官房アイヌ総合政策室ホームページへリンク)」に基づき、アイヌの人々の御遺骨等の出土地域への返還手続を進めています。
 出土地域が明らかな御遺骨等の返還申請については、10月25日で受付を終了したところですが、この度、文部科学省が設置した第三者委員会の意見も踏まえ、申請のあった一部の団体について地域返還対象団体として適切な者であると確認できたため、反対意見の受付を実施します。
 つきましては、以下のとおり、地域返還対象団体となり得る申請団体が返還を求める御遺骨等に関する情報を確認し、自団体への返還や北海道白老町の慰霊施設への集約を希望する場合には、申請を行ってください。
(1)地域返還対象団体となり得る申請団体が返還を求める御遺骨等に関する情報を確認
 以下より、地域返還対象団体となり得る申請団体が存在する出土地域が特定された御遺骨等に関する情報を確認してください。
地域返還対象団体となり得る申請団体が返還を求める御遺骨等に関する情報 (PDF:475KB)
(2)アイヌ遺骨等地域返還連絡室への連絡
 反対意見の提出を希望する方(出土地域アイヌ関係団体の代表者)は、アイヌ遺骨等地域返還連絡室にお問い合わせください。
   (アイヌ遺骨等地域返還連絡室)
    〒060-0001
     北海道札幌市中央区北一条西二丁目11-1 23山京ビル902
    TEL:011-330-8314
       011-330-8315
    FAX:011-330-8316
    E-mail:chiikihenkan@mext.go.jp
    受付時間
     月曜日~金曜日 10時00分~12時00分、13時00分~17時00分(祝祭日を除く)
     ※E-mailによる連絡は、申請受付期間中24時間受け付けております
(3)反対意見の提出
 反対意見を提出する団体は、返還を希望する御遺骨等の出土地域に居住する又は縁のあるアイヌの人々を中心に構成された団体であることや、返還後の祭祀供養方法を確認するための書類等を提出していただきます。
(4)当事者間の話合いを実施
 申請団体と反対意見を提出した団体により、話合いを実施していただくとともに、申請者等から文部科学省に対して当該話合いの結果を報告していただきます。
(5)返還の詳細に関する合意
 御遺骨を返還する団体が決定しましたら、御遺骨を保管する大学と協議の上、引渡日時、場所、方法等を決定し、合意の書面を交わします。
https://www.mext.go.jp/mext_00085.html

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アイヌ政策基本構想提示【新ひだか】

2019-12-28 | アイヌ民族関連
日高報知新聞2019.12.26
【新ひだか】町は25日、静内の真歌公園に整備を計画しているアイヌ文化拠点空間について、関係団体の代表らから意見を聞く「第2回町アイヌ施策懇談会」を静内庁舎で開き、町のアイヌ政策基本構想と拠点空間の全体ビジョン、現在の主要施設を建て替え一体化した施設イメージなどを示した。
 11月に発足の懇談会は、町企画課を事務局に町内3アイヌ協会や関連団体、主要産業・文化団体などの代表13人で構成。来年3月まで毎月1回開催し、本年度と来年度に基本構想の策定(業務委託)と構想内容を検討し、2021年度以降に設計、工事で拠点空間の整備を進める方針。
 町は本年度「町アイヌ施策推進地域計画」を策定。真歌公園の拠点空間は、この計画に基づきアイヌ文化を肌で感じる機会を継続的に作り、違和感なくアイヌ文化を受け入れる拠点と位置づけている。事業整備は、国のアイヌ政策推進法に基づく新たな交付金事業を活用する。
 この日は、議論のたたき台となる町のアイヌ政策基本構想を提示。全町民がアイヌ文化に対して理解を深めていけるよう、中長期の総合的なアイヌ政策の推進を説明。これをベースに、業務委託で基本構想の策定にあたる2社のコンサルが、真歌の拠点空間の整備ビジョンや施設イメージを紹介した。
 主要施設イメージは、アイヌ文化多機能型交流拠点施設として、老朽化したアイヌ民俗資料館と隣接のシャクシャイン記念館をアイヌの自然観を形にした建て替えで一体化。現2施設の機能のほか、体験学習などにも機能する新たな交流イベント・ホールの3ゾーンを設け、アイヌ文化関連図書や資料室、調理室、サロン、収蔵庫なども配置するイメージだ。
 ほか、新シャクシャイン像などがあるシャクシャイン・メモリアルゾーンのイメージなども説明。文化拠点空間での多様な事業で、収益事業を含めた人材育成と交流人口の拡大を図る構想。
 懇談会メンバーからは、静内を境界地にアイヌの2部族が東西で長く争ってきたこの地域の特異性から、文化も儀式も違う2部族の展示方法などに対する要望や疑問の発言もあった。
 次回懇談会は、年明け1月後半を予定している。
http://www.hokkaido-nl.jp/article/15347

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アイヌ文様刺しゅうサークルの作品展開催【白老】

2019-12-28 | アイヌ民族関連
室蘭民報2019.12.26
「チシポの会」によるアイヌ文様刺しゅう展
アイヌ文様の着物やタペストリー
 白老町内のアイヌ文様刺しゅうサークル「チシポの会」(石井シゲ代表)による作品展が、町内末広町のしらおいイオル事務所チキサニで開かれており、アイヌ文様刺しゅうを施した22点が並んでいる。1月13日まで。
 着物やタペストリー、きんちゃく袋、鉢巻き、バッグ、はし入れ、刀掛け帯など。タペストリーは大小さまざま。「チシポ」はアイヌ語で「針入れ」を意味する。
 チキサニは28日から1月5日まで休館。問い合わせはチキサニ、電話0144・82局6301番へ。
 ※「チシポ」の「シ」は小文字
http://www.hokkaido-nl.jp/article/15334

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人生で大切なことは偉人の泥酔から学ぼう

2019-12-28 | アイヌ民族関連
JBpress 12/28(土) 6:00配信
 忘年会続きに加え、来週には新年会ラッシュも始まるはずで、肝臓がお疲れの方々も多いことかと思います。二日酔いの重い体、断片的に思いだされる失言の数々、計算以上に軽くなっている財布。後悔先に立たず、の気持ちを抱えながらもそれでも翌日には会社に向かう、日本のサラリーマン。今夜も日本中のあちらこちらの街中で、酒席での失敗談、武勇伝が数多く生まれていることでしょう。
■ 秀逸な例えが冴える酒呑み伝
 そんな彼らに贈る励ましの書が、『人生で大切なことは泥酔に学んだ』(栗下直也)。
 泥酔してヤクザに殴りかかってしまった「世界のミフネ」三船敏郎、飲みかけの一升瓶を抱えたまま中央線水道橋駅のプラットホームから落下した「批評の神様」小林秀雄、二日酔いの酷さにゲーム中にかかわらずグラウンドに戻してしまった「あぶさん」永淵洋三・・・。
 作家や批評家、俳優、政治家、スポーツ選手といったさまざまなジャンルの偉人たちの逸話を通じて酒との上手い付き合い方を探っています。
 と、紹介すると、得てして武勇伝の列挙に終わってしまい、何かとコンプライアンスに厳しい現代ではありえない憧憬で終わってしまうもの。その点、本書は全体を通して肩の力を抜いて楽しめる読み物に仕立て上げており、著者の力量を感じずにはいられません。
 まず驚かされるのは、秀逸な例えを駆使した読みやすい文章。
 例えば太宰治の章でのフレーズ。
「無頼ぶらない太宰など、現代でいえば、裸にならない小島よしおであり、すべらないダンディ坂野である。」
 さらに梶井基次郎を指して
「キリンレモン、レモンサワーの次くらいに梶井基次郎である。レモネードより梶井基次郎である。」
 取りあげている偉人に、作家や評論家が多く含まれているところからも著者の文壇志向が垣間見られます。さらに書評サイトHONZや週刊誌、月刊誌などでレビューも執筆しており、本書の構成の上手さにも納得できます。
 表紙を開くと、「本書は偉人の泥酔ぶりから、処世術を学ぼうというコンセプトだ。」と書かれていますが、疑う読者も多いはず。ところが読み終えると、著者の術中に嵌められてしまったことに気づいてしまうのが不思議なところ。
 本書で、著者の妙技に酔ってみてはいかがでしょうか。
■ 箱根駅伝小説に新たなスタイルが
 ところで、今日から正月休みに入るサラリーマンも多いと思います。
 忘年会の疲れを取り、新年会に向けて、本来ならば肝臓を休めなければならないこの期間。それなのに炬燵に入り、テレビを見ながら熱燗をちびちびと、というのを楽しみにしているのが酒飲みの哀しい性で、おそらく私だけではないはず。
 特に目が離せないのが、令和最初の箱根駅伝。今年、平成最後の大会では、青山学院大学の一強体制が崩れ、東海大学が初の総合優勝を飾りました。今回はこの二校に東洋、駒沢、國學院、の各校が加わり、五強の争いになると見られています。
 東京・箱根間217.1kmを舞台に2日間にわたって繰り広げられるこの長丁場、今回はどんなドラマが待ち受けているのでしょうか。
 その前に、ぜひ今年中に読んでおいて欲しい一冊が、『タスキメシ 箱根』(額賀澪)。
 本書は、2015年に刊行された『タスキメシ』の続編です。前作で、自分の限界を感じアスリートの土俵から降りた主人公の眞家早馬が、弱小校の紫峰大学駅伝部に栄養管理兼コーチアシスタントとして赴任してくるシーンから物語がスタートします。
 キャプテンで4年生の仙波千早はそんな早馬に反発しつつも、徐々に距離を縮めながら、箱根駅伝出場を目指しますが、果たして・・・。
 登場人物のサクセスストーリーが主流になっているスポーツ青春小説。それに逆行するかのように、挫折や焦燥、妬みといったマイナスの感情も隠さずに織り込んで行く展開は、物語に深みを与えています。決して思い通りの道を進んでいなくても、全てを受け止めて自分の足で前に進む主人公の姿に、思わずうるっとくることでしょう。
 また前回同様に、具だくさん雑煮といった早馬が調理した美味しそうな献立がそれぞれ物語のアクセントになっており、さらに弟の春馬、親友の助川、またライバルの藤宮たちが元気な姿を見せてくれているところにも、著者の丁寧な執筆ぶりが伺えます。
 『風が強く吹いている』(三浦しをん)や『チーム』(堂場瞬一)といった箱根駅伝をテーマにした小説が増えてきた書店の店頭。そこに今回、新しいスタイルの傑作が仲間入りを果たしました。
■ 次回直木賞候補作の一押しはコレ! 
 そんな正月休みも終えると、出版業界の話題は第162回芥川賞・直木賞の発表に移ります。
 先日には候補作、それぞれ5作が発表され、なかでもすべて単行本化されている直木賞に関しては、さわや書店でも特設コーナーを設置しました。
 巨大ショッピングモールで起きた無差別殺傷事件が謎を呼ぶミステリー『スワン』(呉勝浩)や、小さな町で起こった忌まわしい事件に迫る映画監督と脚本家の姿を描く『落日』(湊かなえ)といった力作がノミネートされましたが、なかでも私の一押しなのが『熱源』(川越宗一)。
 明治から昭和初期にかけての樺太を舞台に、列強に並び立たんとする日本と、帝国主義を推し進めるロシアの狭間で翻弄されるアイヌの姿を描いています。
 何も悪いことはせずに、自己完結した生活を送っているにも関わらず、なぜか庇護するべき存在と認識されてしまい、必要以上に介入されてしまう主人公のヤヨマネクたち。しまいには滅びゆく民族の烙印まで押されてしまいますが、それでもアイヌの誇りを胸に、ヤヨマネクは子どもたちへの教育に尽力します。
 そんなアイヌ文化を研究し、伝播することで彼らをフォローすることになったプロニスワス・ピウスツキ。彼の故郷であるリトアニアもまた、ロシア領に取り込まれてしまっており、領土はもちろんのこと、急激な統一化のもと失った母語であるポーランド語を取り戻すことが悲願でした。
 本書は、巻末にあるように史実をもとにしたフィクション。金田一京助の筆記による「あいぬ物語」の著者であり、ピウスツキにも説話を語りつつ、白瀬矗の南極探検隊にも犬ぞり担当で参加したヤヨマネク、日本名・山野辺安之助を中心に、祖国を失ったピウスツキの姿も交えて、物語は進みます。
 この民族とは、国家とは何かを問いかけてくる壮大なスケールの物語、とにかくまずは読んでいただきたい。
 そして私の力不足もありますが、なかなか言葉にできない、内から噴き出してくるこの熱い感情を、ぜひ一人でも多くの読者と共有したいものです。読み終えたあと、「熱源」というタイトルに魅入られてしまうのは、きっと私だけではないことでしょう。
栗澤 順一(さわや書店)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191228-00058711-jbpressz-life&p=3

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サンタの故郷ラップランド観光、先住民族サーミ人に影落とす

2019-12-28 | 先住民族関連
JIJI.com 2019年12月27日08時33分
【ロバニエミAFP=時事】フィンランドの北極圏、ラップランド地方にあるアミューズメントパーク「サンタクロース村」は、トナカイのそりやスノーモービルに乗ったり、雪の家イグルーに泊まったりできる、1年365日クリスマスを味わえる場所だ。その真ん中には、サンタクロースが住むメルヘンチックなログハウスがある。(写真はフィンランド・ラップランド地方にあるアミューズメントパーク「サンタクロース村」)
 観光業界のトップたちは1980年代、ラップランドの中心都市ロバニエミを世界公認のサンタクロースの故郷として打ち出すことにした。今では北極圏の冬を体験しようと訪れる観光客が、かつてなく増えている。
 しかしラップランドは同時に、先住民族であるトナカイ遊牧民、サーミ人の故郷でもある。サーミ人たちは今、観光業界の一部の人々が侮辱的なサーミ人像を広めたり、古代から続く彼らの文化でもうけようとしたりしていると抗議している。
 「毎日のようにサーミ人の住む地域に誰かがやって来て、『シャーマン(霊媒師)にはどこで会えるのか、サーミの魔女はどこにいるのか?』と聞かれる」「これは、観光産業が創り出し、展開したイメージに過ぎない」と、フィンランドのサーミ議会議長、ティーナ・サニラ・アイキオ氏はAFPに語った。
 今では使われなくなった「ラップ人」という呼称でかつて知られていたサーミ人は、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーの北欧3国北部とロシアのコラ半島にまばらに居住している。
 サーミ議会の議員らは、観光業者の中にはサーミ人ではないのにサーミ人を装う者や、サーミ人を「魔術を使う原始的な人々」といった描き方をして、みやげ物や催しを売り出している者がいると批判している。
 サーミ議会は昨年、サーミの文化保存のため、ツアー業者や観光客らに「倫理的責任」のある振る舞いを求めるガイドラインを発表した。
 3000年以上にわたり広大な森林地帯でトナカイ放牧を行ってきたサーミ人は、ラップランド観光で最も人気のあるハスキー犬のそりも批判している。議員らによると、ハスキー犬のそりはラップランドの伝統ではなく、また森の中を自由に歩き回っているトナカイに苦痛を与えているという。
 イグルーを使ったホテルの増加にも、サーミ人は反対している。イグルーは北極圏の別の地域から借りてきたもので、やはりラップランドの伝統ではない。
 イグルーは北極圏の文化を混合させ、均一化させてしまう恐れがあるとサーミ議会は警告している。代わりにラップランドの歴史に即した宿泊施設として、米先住民族の住居ティピに似たサーミ人の木造テント、「ゴーティ」を建てるよう観光業者に提案している。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕
この記事の英文はこちら【英文時事コム】
https://jen.jiji.com/jc/eng_afp?k=20191227039542a
https://www.jiji.com/jc/article?k=20191227039542a&g=afp

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界で一番孤独な木の物語、ニュージーランド

2019-12-28 | 先住民族関連
「絶滅は確実」とされた、世界に1本しかない木、復活を目指す科学者の奮闘
ナショナルジオグラフィック 2019.12.28

「世界で最も孤独な」カイコマコの葉。スリー・キングズ諸島に唯一残された野生の木に起源を持ち、ニュージーランド本土で何百本に増えつつある。(PHOTOGRAPH BY BRADLEY WHITE, MANAAKI WHENUA)
 ニュージーランドの北端から約60キロの海に浮かぶスリー・キングズ諸島に、「世界で最も孤独」と言われる1本の木がある。見つかってから70年のときを経て、この木はついにその肩書きを失うかもしれない。朗報だ。
 科学者と先住民マオリの一部族、ンガティ・クリ族から成るチームが、最近、保全に向けた調査を終えてこの島から戻ってきた。また、ンガティ・クリ族のメンバーは2019年、カイコマコの苗木80本をニュージーランド本土に植えた。
 こうした進展が見られたのは、2つの重要な問題に向き合ったからだ。受粉相手のいない木をどうやって救うのか、その仕事を誰が担うかだ。
ヤギの導入と実をつけない木
 カイコマコの木の物語は、その故郷の物語とよく似ている。困難かつ、幸運に恵まれた物語だ。
 1945年、スリー・キングズ諸島(マオリ語でマナワタウィと呼ばれる)の最も大きな島で、野生のカイコマコの木が1本発見された。最も大きな島といっても面積は4平方キロほど。このカイコマコは、完全に独りぼっちだった。(参考記事:「ギャラリー:はるばる訪れる価値がある、世界の象徴的な木 19選」)
 責任はヤギにある。
 1889年、難破船の乗組員と思われる人が、食料源として4頭のヤギを島に持ち込んだ。ヤギはどんどん増え、1946年に外来種として根絶されるまでに100倍にも膨れ上がっていた。
 ヤギたちは島の植物を食べ尽くし、複数の種が絶滅に追い込まれた。だがカイコマコは、ヤギがいた一帯より200メートルほど高い岩だらけの急斜面に生えていたため、生き延びた。
 カイコマコを貴重な植物と考える科学者もいた。1度の大嵐で消滅しかねない、ニュージーランドの遺産だと。その一方で、カイコマコが本当に「孤独」かどうかを疑問視する科学者もいた。どこにでもある木の1本が辺境に生えているだけで、特に気に掛ける必要などないと。
 分類に関する議論が何十年も続き、最終的にこのカイコマコはPennantia baylisianaという固有種であると結論づけられた。Pennantia baylisianaと近縁のカイコマコは、雌雄異株、つまり、雄花をつける個体と雌花をつける個体に分かれている。これは、個体数が1つしかない木にとっては解決不可能な問題だ。
「この個体は特殊だったのです」と、かつてオークランド近郊で園芸店を営んでいたジェフ・デイビッドソン氏は語る。
参考ギャラリー:はるばる訪れる価値がある、世界の象徴的な木 19選(画像クリックでギャラリーへ)

ニュージーランド、まるで湖の底から生えてきたようなヤナギの木。1000年近く前からフランスの聖地に立つ古木や、サッカー場を覆いつくすほど枝葉を広げたブラジルのカシューの木など、はるばる訪れる価値がある世界の木々を紹介する。 (PHOTOGRAPH BY MARTIN VALIGURSKY, ALAMY)
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/122600760/

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

健康は遺伝子レベルで管理する。「遺伝子検査」の可能性

2019-12-28 | 先住民族関連
AMP12/26(木) 17:00配信
大手IT業者も参入し、ますます激化
個人の遺伝子を解析し、最適化した病気予防策を提案する「遺伝子検査サービス」。世界ではすでに1兆円を超える市場規模となり、日本国内でも数百社以上の事業者が参入している。
一般的な消費者向けの遺伝子検査は、人体の細胞に含まれるDNAを調べるものだ。
検査方法は、検査キットに唾液を出して郵送するだけ。ヒトの細胞内に含まれるDNAは主にアデニン、グアニン、シトシン、チミンという4種類の塩基で構成されている。もし、何らかの疾患を発症するリスクが高ければ、その配列に普通と異なる点が見られるというわけだ。
通常、遺伝子検査を受けることで、がん、糖尿病、高血圧、ぜんそく、花粉症など病気の発症リスクがわかるだけでなく、「太りやすいか」「はげやすいか」「アルツハイマー症を発症しやすいか」などの体質も判明する。判明する項目は事業者によって異なるが、だいたい数百項目にも及ぶ。
個人の持つDNAは誕生後、ほとんど変化しないため、DNAの配列を読み解くことで、自分自身の生まれ持った“運命”が手に取るように示されるのだ。
検査の価格はおよそ1~5万円。なかには1万円を切るほど安価なものもあり、低価格化が進んでいる。インターネット、バラエティショップ、スポーツ施設などの身近なところで購入でき、また、検体を郵送して約1か月後にメールで通知されるという手軽さも加わって、その人気はますます拡大中だ。
日本における遺伝子検査サービスの黎明期は、2008年だ。化粧品会社のディーエイチシー(DHC)が遺伝子検査サービスを開始。のち、2014年には大手IT企業のDeNAとYahoo!が検査をスタートした。
なぜ、多くの企業が遺伝子検査サービスに参入するかといえば、検査後の消費者行動を促すためだ。
たとえばDHCは検査結果をもとに、自社のサプリなどを提供しており、また、DeNAは検査結果を元に対面もしくはテレビ電話で助言が受けられる生活改善プログラムを提供している。
Yahoo!は、遺伝子情報をスマートフォンなどで計測した脈拍や血圧などの情報と組み合わせ、運動量や食生活をアドバイスする健康管理サービスを提供。さらに、集めた個人データをビッグデータとして蓄積し、新薬や新たな治療法の開発につなげるという狙いもある。
アメリカ人はルーツを探り、日本人はダイエットや疾病予防に活用する
遺伝子検査の先進国アメリカでは、現在、価格競争がますます激化している。
次のグラフは、アメリカ国内において展開している、一般消費者向けの遺伝子検査サービスの主要業者5社のユーザー数を表したものだ。
この分野の先駆けともいえる「23andMe」をはじめ、5社のユーザー数は2017年から急増し、全体で2750万人以上に達した。つまり、総人口が約3億2千万人のアメリカでは、既に12人に一人が遺伝子検査サービスを利用していることになるのだ。
アメリカでは、なぜ、これだけ遺伝子検査が注目を集めているのか?
それは、アメリカが移民の国であることに関係している。自分の祖先はどこからきたのか? 自分のルーツは、一体どこにあるのか?そうした素朴な疑問を解決するために、遺伝子検査を受けるアメリカ人が急増しているのだ。
それを示すユニークなエピソードが、ドナルド・トランプ大統領とエリザベス・ウォーレン米上院議員の間での口論が、遺伝子検査で決着をつけたという一件だ。
ウォーレン議員は、かねてから先住民の祖先を持つと語っていたが、これに対し、トランプ大統領は同議員を「偽のポカホンタス」(ポカホンタスとは、17世紀の先住民族女性の名前)と呼ぶなどからかい、DNA鑑定を受けるよう挑発していた。そしてついにウォーレン議員は遺伝子検査を受け、2018年10月15日、DNA鑑定結果とともに家系に先住民が含まれていることを強く主張。
トランプ大統領はこの結果を「インチキだ!」と非難したが、議員と大統領の口論が一応、遺伝子検査で決着をみたことは、アメリカ国民に強いインパクトを与えた。
一方、日本では、遺伝子検査を用いる目的として代表的なものがダイエットや疾病予防だ。
日本における遺伝子検査のパイオニアであるジェネシスヘルスケア株式会社は、病気のリスクや身体的特徴など約360項目を一度に検査できる「Genesis2.0」のほか、肥満や肌老化など調べたい項目だけを検査する「肥満遺伝子検査」「肌老化関連遺伝子検査」などを発売。
特に人気なのが「Genesis2.0」で、Amazonと楽天市場それぞれでランキング1位を獲得した(2017年12月27日時点)。自分のために活用するほか、両親や健康志向の高い友人へのプレゼントなどに活用する人も多いという。
また、ダイエットを目的にした痩身エステでも、遺伝子検査を組み込んだコースが増えている。入会者にまず遺伝子検査を受けてもらい、それに基づいた痩身プログラムを提供するというもので、一人一人の体質を考慮した、オーダーメイド感覚の贅沢さも、人気を集める理由となっている。
遺伝子検査は今後、どう進化していくか
それでは、遺伝子検査は今後、どう変わっていくのか。
アメリカでは市場競争が激化しており、今後も価格の低下が続くと見られている。一方、日本では、「まだ遺伝子検査に興味はあるものの、二の足を踏んでいる」という人も少なくない。
なぜ、二の足を踏むのか。
その理由は、CPIGI(個人遺伝情報取扱協議会)が2017年8月末に公表した、「DTC遺伝子検査に対する生活者の関心事と事業者調査から見えた今後の課題」と題する調査レポートから見えてくる。
CPIGIは2017年3月、ヤフーの「Yahoo!クラウドソーシング」を利用して、消費者1,072人を対象に遺伝子検査サービスへの関心や懸念点を聞いた。遺伝子検査サービスの利用経験について、最も多かった回答は「興味はあるが利用したことはない」で、全体の63%。「利用経験がある」と回答したのは全体の4%であり、「存在は知っていたが興味がない」が24%、「存在を知らなかった」が10%だった。
さらに、「興味はあるが利用したことはない」と回答した672人に、遺伝子検査を受けるに当たってどのような点を懸念するかも尋ねたところ、次のような結果になった(複数回答)。
CPIGIによる消費者意識調査の結果(出所:CPIGI)
調査が行われたのは今から2年半前であるため、「利用経験がある」の回答者は現在、間違いなく増加している。
だが、「興味はあるが利用したことはない」と答えた人が述べた「遺伝子検査の懸念点」は、おそらく、現在でもほとんど変わっていない。
その理由は、遺伝子検査を提供する側と、受ける側の心理的なギャップが、今もなお、埋められていないからだ。一般的な消費者向け遺伝子検査は、体質や健康上のリスクを指摘するヘルスケアサービスであり、検査を行うのは医療従事者ではなく、民間の非医療関係者である。
あくまでも「医療」ではないため、一般的な遺伝子検査で示されるものは、生活習慣などが深く関与する多因子疾患が対象であり、その発症リスクを統計学的に(しかも、事業者ごとの基準で)示したにすぎない。
だが、こうしたことを理解せず、単なる好奇心で遺伝子検査を受けてしまうと、結果を重く受け止めることになるかもしれない。そのため、「知りたくないリスクを知ってしまう」という恐れを感じる人も多いのだ。
反対に、「遺伝子検査は単なる統計だ」とみなし、検査結果の信ぴょう性を信じきれない人は、「どこまで信じたらいいのかわからない」「受ける価値がない」と考えてしまう。
一般に、「日本のヘルスサービスはアメリカから数年遅れている」と語られることが多いが、遺伝子検査についても今後、日本ではアメリカを追うようにして、ますます伸びるだろうと予測される。
大手企業が次々と参入し、独自のチャネルで消費者を囲い込み、検査後のサービスを拡充し、ビッグデータを蓄積していくことは間違いない。
同時に、「ダイエット」「がんリスク」「生活習慣病予防」など、検査用途の細分化も進むだろう。
そうなれば、「数百項目もの検査結果がわかる高額な遺伝子検査」ではなく、「目的に応じてカスタマイズできる低額の遺伝子検査」が一般化していくだろう。
さらに、従来、スマホなどのアプリとして提供されてきたヘルスケアサービスも遺伝子検査を取り込むことで、個人の健康維持に対して最適なアプローチを提案できる可能性も高まってくる。
さまざまな可能性が考えられる、遺伝子検査。日本での市場競争が、これからますます熾烈になることは間違いない。
文:鈴木博子
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191226-00010003-ampreview-bus_all

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なぜ富と機会は社会に還元しなくてはならないか

2019-12-28 | 先住民族関連
プレジデント 2/26(木) 9:16配信
地球環境破壊を訴えるドキュメンタリー映画を製作し、数々の賞を取ってきたロックフェラー家のメンバー、スーザン・ロックフェラーにインタビュー。「富と機会は還元するもの」と語る彼女が選んだキャリアとは……。
■行動へと突き動かされた環境問題の実態
 1970年代にアースデイがつくられた頃から、地球環境とサステイナビリティについては関心がありました。大学で環境問題と有機栽培を学び、農業と漁業のプロジェクトに関わったアラスカ北極圏でイヌピアット(アラスカの先住民族)と共に暮らしたことが大きく影響しているのだと思います。しかし、「いざ行動に起こさなくては」と危機感を抱いたのは、雑誌『ザ・ニューヨーカー』に掲載されていた「The Darkening Sea」という記事を読んだときでした。二酸化炭素がいかに海の生態に影響を及ぼし、海水の気温上昇を引き起こし、食物網を破壊するような酸化につながっているかということが書かれ、私は衝撃を受けました。
 そうした実態とこれまでの学びが一緒になり、より私たちの地球を守るために行動しなければいけないと思い始めたのです。
 これまで、環境問題や発展途上国の医療、音楽療法などをテーマにドキュメンタリー映画をつくってきました。そして、映画製作以外にも、海洋自然保護団体「OCEANA」や持続可能な農業を提唱する「ストーンバーンズ」の理事も務めています。
 さらに、美しい海、美しい地球を次世代の子どもたちに渡していかなければいけないという強い思いを、メッセージ・ジュエリーという形で多くの人に感じてもらおうと、私の名前を冠した「SUSAN ROCKEFELLER」というジュエリーブランドも立ち上げました。売上の一部は海洋自然保護活動に役立てています。2019年には、アトリエ・スワロフスキーとコラボして、「Beautiful Earth Collection」という自然の色、素材、神秘を感じてもらえるようなグリーンやブルーをあしらったジュエリーコレクションも発表しました。女性の美と地球の美、両方にインスパイアされ、そしてその両方を称えるジュエリーです。
 過去15年ほど夫と共にアジアを旅行してきました。その中で、建築資材、洋服の繊維、そして食べ物にまでなってしまう竹の素晴らしさに気づいたのです。竹は、森林再生にも大きな役割を担います。そして中国で絶滅危機にあるジャイアントパンダの食料でもあります。そうした、健全なエコシステムを考えさせる、アジアで出合った竹とパンダも、ジュエリーのデザインのインスピレーションになっています。
■「ガラスの天井」を打ち破るには声を上げること
 女性が働き、そして女性の声を社会に反映させていくのは容易ではありません。
 映画業界では、女性が平等に扱われてこないことが多くあり、今後改善しなければいけないと思ってきました。映画業界で影響力を持てるようになるまでが大変でしたが、20年以上を過ぎ、やっと私たちの会社「Louverture Films」をとおして、男性と女性の素晴らしいネットワークができました。
 成功の秘訣は、共通の土台を見つけ、ともに働くことです。男性ばかりの職場にいるのならば、あなたの声をきちんと聞いてもらえるようにすることが大事です。そして、あなた自身も自分の考えをきちんと表現して、伝えるようにとにかく実践あるのみです。あなたの提案がしっかりと評価されるまであきらめず、少しずつでも前進していけるといいですね。
 小さな一歩でも、行動することは、あなたが大事にしていることの価値をきちんと伝えることでもあるのです。あなたが変えていけるのです。
 そして、あなたの意見は、若い人たちにも影響力を持っていることにも気づいてくださいね。メンターやインフルエンサーとして、若い人たちと対話していきましょう。
 私は、年齢を重ねるごとに、いかに自分が知らないことが多いか、そして、内面の知恵が人間性をつくり出すことを思い知らされます。どんなに貧しくても、人生を他人のために捧げている人もいます。大なり小なり、私たちも還元していくことを考えなくてはいけません。小さな親切の行動が積み重なれば大きくなるのです。
■富と機会は、還元すべきもの
 「ノブレス・オブリージュ」という考え方があるのはご存じかと思います。富と機会というのは、還元する義務があるものだと思っています。あなたの時間、才能、宝物など、与えられるものはたくさんあります。世界の苦しみを癒やすために、みんなで協力しなければいけないのです。私たちの地域にも世界全体にも、困難を抱えた人はいますし、動物たちだって声を上げられなくてもこの地球社会の一員です。社会の一員として、そうした脆弱なコミュニティを守っていくのだという強い意思を持ちましょう。
 地球環境に対しても、日々の生活で少しずつ変えることができるのです。例えば、洋服や食べ物などの選び方を変えてみたり、もしあなたが会社のトップ役職についているのならCSR(企業の社会的責任)やESG(企業の環境、社会、ガバナンスへの取り組み)にもっと目を向け、確固たる取り組み姿勢を見せましょう。
 みなさんも、日々の生活の中で少しでも環境にやさしい行動を心がけてみてください。そして、必要なことには声を上げてください。あなたの選択が、影響を与える行動だと信じてください。
 そして、モノの購入を減らし、もっと健康的で環境が継続できるような食材を使い、自家用車より公共交通機関を使ったり歩いたりしてみてください。
 文化、芸術、美、海の恵にあふれ、訪れる人を魅了し、インスピレーションを与える美しい日本をどうか大事にし、楽しんでください。人は、愛するものを守ります。小さなさざ波が大きな波へと変わります。一緒にもっと良い世界をつくっていきましょう。
----------
スーザン・ロックフェラー
アントレプレナー
ニューヨークの名門一族であるロックフェラー家のメンバー。ドキュメンタリー映画製作者として、環境問題や発展途上国の医療問題などを提唱し、数々の賞を受賞。社会の変化を導き出し、持続可能な未来への道を切り開くメッセージを伝える彼女の歩みは、全世界に大きな影響を与えている。2011年「SUSAN ROCKEFELLER」ブランドを設立。2019年、アトリエ・スワロフスキーとのコラボレーションを通し、彼女の哲学と価値観が込められた美しいジュエリーコレクションを発表。
----------
アントレプレナー スーザン・ロックフェラー 構成=岩辺 みどり
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191226-00031710-president-bus_all

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする