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先住民族の村に映画館誕生 ブラジル北部の森林地帯に初 背景に深刻な社会問題

2025-02-05 | 先住民族関連

 

ワイド!スクランブル[2025/02/04 20:06]

 ブラジルのアマゾンで暮らす先住民族コミュニティーに初めての映画館が完成した。住民らが喜びの声を上げる一方で、映画館建設の背景にはブラジルが抱える社会問題があった。

■短編ドキュメンタリーを上映 村人たちが制作

広大なジャングル

 広大なジャングルの中を流れる川。水面を滑る1艘の小型ボート。たどり着いたのは、ブラジル北部の都市マナウスから熱帯雨林に分け入ったイニャンベ村だ。

 色鮮やかな鳥が遊ぶこの村に誕生したのが…。

文化村プロジェクト創設者 タイス・コカマ氏

「きょう、私たちはブラジル北部地域初の先住民映画館を開館させます」

 1日、イニャンベ先住民の村人たちが心待ちにしていた映画館がオープン。ポルトガル語で「先住民映画」と書かれた看板もかけられた。広場に建てられたかやぶきの建物は、最大で200人入ることができるという。

多くの村人が集まった開館式

 開館式には、羽飾りのかぶり物でおしゃれをした若者をはじめ、子どもから高齢者まで多くの村人が集まった。

短編ドキュメンタリー映画

 そして、村を宵闇が包むころ、映画の上映が始まった。これは、村人たちが制作した自らの暮らしを捉えた短編ドキュメンタリー。

イニャンベ村の村長

「自分たちを観られるのはすてきだ」

イニャンベ村の若者

「私たちは小さな村ですが、芸術を評価し、求める人々の目には私たちの姿が映っています」

 今回の映画館開館は、マナウス市が先住民のために取り組むプロジェクトの一環だという。

■ブラジル先住民族の苦境

 映画館の建設の背景には、ブラジルが抱える社会問題がある。

 現地のメディアによると、ブラジルには305の先住民族が暮らしていて、274言語が使用されているといい、このことがブラジルの民族、そして文化的に多様な社会を形作っているという。

 アムネスティ・インターナショナルによると、1500年にポルトガル人によってブラジルが発見された時、先住民族の人口は100万から300万人程度だったと推定されている。

 しかし、現在の人口は20万人ほどにまで減少していて、少なくとも100近い民族が消滅したという。

 その原因は、白人による虐殺や奴隷狩り。さらに、近年ではアマゾン開発や火災によって先住民族の土地が奪われてしまったことなどが挙げられている。

 イニャンベ村は6つの先住民族が集まって暮らしているというが、そんな彼らが文化を残していくために目をつけたのが映画だった。

 実は、イニャンベ村は映画などの撮影地になることが多かったことから、文化村プロジェクトと銘打ち、映画制作を通じて文化交流を深めてきたという。

 さらに、自分たちのドキュメンタリー映画を制作することで生活や文化を発信してきた。

 今回完成した映画館は、こうした活動の象徴としての役割もあるという。

 自身も先住民族であり文化村プロジェクトの創設者でもあるタイス・コカマ氏は、「プロジェクトには先住民族の俳優が参加し、演技や制作に携わっている。重要なのは私たちも歴史の主人公になれるということ」と話す。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年2月4日放送分より)

https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/900017861.html

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