北海道新聞 2025年2月5日 18:45(2月5日 19:20更新)
鳥沼の地名はアイヌ語の「チカプントウ」(鳥・そこにいる・沼)に由来し、アイヌ語の意味を和訳して名付けられた。鳥沼公園はその名の通り「鳥の楽園」であり、北海道でみられる430種ほどの野鳥のうち110種ほどが観察されている。
鳥沼の豊富な湧水の水温は、年間を通じて8度前後で真冬でも凍らず、冬鳥たちの越冬地となる。お尻を水面に出し水草などを食べるマガモやコガモのほか、潜水して小魚などを採餌するカイツブリやカワアイサなどが観察できる。
鳥沼公園に生育する樹木は秋に葉を落とす広葉樹が多い。葉が上空を覆い鬱蒼(うっそう)としていた夏の姿はなく、冬の林内は明るい空間が広がる。落葉した木々の梢(こずえ)で目を引くのは、常緑の葉が茂る寄生植物のアカミヤドリギである。自ら光合成を行うが、寄主から水分などを得るのでいわば「半寄生」だ。2~3月に開花、果実は11~12月ごろに赤く熟し、・・・・・・・
絵・イマイカツミ
文・井口和信(元東大演習林技術職員、樹木医)