最底辺の10億人の地域固有非伝染性疾患の撲滅」に対応
JCN Newswire Boston, MA, Mar 7, 2011
ハーバード・メディカル・スクール国際保健・社会医学部(DGHSM)主催の「グローバル医療の公平性のロングテール: 最底辺の10億人の地域固有非伝染性疾患の撲滅」会議で本日行われたプレゼンテーションによれば、啓蒙活動、擁護運動、政策などの深刻な不足により、世界最貧国で何十万人もの子どもたちや若者たちが、リウマチ性心疾患(RHD)の犠牲となっています。会議は、PIH (Partners In Health)により運営され、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(BWH)、ハーバード大学公衆衛生学部(HSPH)、発展途上国におけるがん治療・抑制の利用拡大のための作業部会、およびNCDAllianceが協力しています。
「RHDにより、貧困層の人々は無為に亡くなったり、障害を負ったりしています。」と、世界心臓連合の最高経営責任者Johanna Ralstonは、ハーバードでの会議で述べました。「この疾病の有病率は、貧困指標や、医療格差の悪化の主要原因となっています。」
「RHDは主に、子ども、青少年、若年層などに影響を与えています。RHDは、処方薬剤の中でも最も古く安価な抗生剤のペニシリンで予防できます。」と、世界心臓連合のRHD専門家で、オーストラリアのダーウィンのMenzies School of Health Research校長のJonathan Carapetis博士は述べました。「先進国では事実上根絶されており、新興国でも急激に減っていますが、最貧国では依然として壊滅的な状況になっています。」
「資金提供が必要な金額は最低限で、場合によっては、既存の予算の優先順位を変更するだけで、病気の抑制を成功することができます。」と、Carapetis博士は述べました。「太平洋諸島では、重篤なRHD患者を島の外に搬送して、高コストの心臓弁手術を行う必要があるため、その国や地方自治体のRHD対応予算の中で、大きな負担となっています。しかし、このような手術費用に比べてほんのわずかの金額で、RHDの悪化を防ぐ抑制プログラムを協調して実施することができます。これにより、最初から子どもや若者を、心臓病から守ることができます。」
以前の推定では、RHD患者数は1500万人以上で、毎年350,000人が死亡し、さらに多くの人が障害者となっています。(i)しかし、最近ニカラグアで行われた研究によれば、このデータの患者推定数は低く見積もられたもので、実際にはその4倍から5倍に上ると見られています。つまり、RHDの患者数は全世界で6200万から7800万人で、RHDや合併症で毎年140万人が亡くなっている可能性があります。(ii)
RHDプログラムにはさらに支援が必要
RHDは、20世紀後半に富裕国でほぼ根絶され、国会などで議事に取り上げられることは無くなり、医学部のカリキュラムで教えられる時間も減り、研究予算も大幅に縮小されました。その結果、研究、予防、抑制などの活動予算は不足することになりました。しかし、この疾患の被害が深刻な国々の医学界では、新しいリーダーが次々と生まれています。
Bongani Mayosi博士に率いられた南アフリカのグループ(南アフリカのGroote Schuur Hospitalとケープタウン大学)は、アフリカの10か国で、RHDの負担を軽減し、リウマチ熱の撲滅に貢献するための「意識調査、擁護活動、予防(ASAP)」プログラムというイニシアチブを確立しました。
「RHDはサハラ以南諸国で重大な健康問題になっており、この病気の撲滅のために我々が何かをしなければならないことは明らかです。」と、Mayosi博士は述べました。「ASAPイニシアチブを通じて、研究者と医療関連擁護団体をアフリカ中から動員し、アフリカで効果を上げることのできる包括的なアプローチを開発するために、RHD有病率、この疾病の自然史、現在の治療法の正確な把握を目指します。」
「RHDの抑制とASAPイニシアチブの支援のために、世界規模での活動を推進するという世界心臓連合の役割は、ますます大きくなっています。世界最貧国の多くで、RHDは、後天性心疾患の主因になっています。」と、Johanna Ralstonは指摘しました。「世界心臓連合は、医師、患者、関連団体などがこの疾患の予防と抑制に対してコミットメントを確立できるよう、協業を行っていきます。」
RHDについて
RHDは、リウマチ熱が原因で起きる慢性心臓病です。一方、リウマチ熱は、A群連鎖球菌感染症に罹患することで発生する炎症性疾患です。RHDは、不可逆の心臓障害や死を引き起こす深刻な世界規模の健康問題です。発展途上国での発生が圧倒的に多く、中所得国 (ブラジル、インドなど)の貧困層や、富裕国(オーストラリア、ニュージーランド)の先住民にも、よく見られます。現在の予防施策がさらに拡大され、維持されていかない限り、RHDは世界的な問題であり続けるでしょう。
RHDの予防と制御は可能です。
連鎖球菌性咽頭炎を抗生剤で治療することにより、リウマチ熱を防ぐことができます。定期的な抗生剤の使用(通常は月1回の注射)により、リウマチ熱患者の連鎖球菌感染の拡大と、心臓弁障害の進行を防ぐことができます。もっともよく使用されている抗生剤(ペニシリンGベンザチン)は特許の期限はすでに切れていますので、わずか数セントで基本的なプライマリーケアにより投与することができます。
世界心臓連合について
世界心臓連合は、200以上の加盟団体が団結し、低中所得国を中心に、全世界の心臓病および脳梗塞の撲滅運動の推進を専門に行っています。世界の死因第1位の循環器疾患を撲滅するため、世界心臓連合は加盟団体と共に、心血管関連疾患に政策レベルで対応し、アイデアの創出と交換を行い、ベストプラクティスを共有し、科学知識を進歩させ、知識の移管を推進するなどの、グローバル目標を掲げて活動しています。加盟団体の数は増え続けており、100か国以上の医師会と心臓病支援基金が力を結集するまでになりました。連合では、世界中の人々の心臓の健康を増進し、寿命を延ばすことを目指して、協業を行っています。 www.worldheart.org .
(i)Carapetis JR, Steer AC, Mulholland EK, Weber M. The global burden of group A streptococcal diseases.Lancet Infect Dis 2005; 5:685- 694.
(ii)Paar JA, Berrios NM, Rose JD et al.Prevalence of Rheumatic Heart Disease in Children and Young Adults in Nicaragua.Am J Cardiol 2010;105:1809 -1814.
お問い合わせ先:
さらに詳しい情報と、取材のお申し込みは、下記にご連絡ください。
世界心臓連合
Charanjit Jagait
+41 22 807 0334
charanjit.jagait@worldheart.org
www.worldheart.org
Figment Communications
Joanne Basford
+971 56 680 0234
joanne@figmentcommunications.com
Monday, March 07, 2011 1:38:18 PM
From the Japan Corporate News Network
http://www.japancorp.net/japan
トピック: Corporate Announcement
セクター: 国際, ディスクロジャー
Copyright © 2011 JCN Newswire. All rights reserved. A division of Japan Corporate News Network KK.