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父の仇討つ娘の過酷な旅…トゥルー・グリット

2011-03-16 | 先住民族関連
(2011年3月15日11時10分 スポーツ報知)

 今年度のアカデミー賞は「英国王のスピーチ」が作品賞を始め4部門に輝いたが、この先も洋画の良作が公開を控えている。名優ジョン・ウェインが主演した西部劇のリメイク版「トゥルー・グリット」(18日公開)もそのひとつ。奇才コーエン兄弟が監督を手がけた本作は、父の命を奪われ、復讐(ふくしゅう)を誓った少女の視点から描いた人間ドラマでもある。
 米国で愛された古き良き時代の西部劇が形を変えて現代に戻ってきた。スティーブン・スピルバーグ製作総指揮、コーエン兄弟監督作とくれば話題になるのも当然だ。
 14歳の少女・マティ(ヘイリー・スタインフェルド)は、父親を殺したチェイニー(ジョシュ・ブローリン)に罪を償わせるため、大酒飲みの連邦保安官コグバーン(ジェフ・ブリッジス)に犯人追跡を依頼した。最初は相手にしなかったコグバーンだが、少女の執念と報酬に負けて依頼を引き受ける。
 別の容疑でチェイニーを追うテキサス州公安局の法執行官のラビーフ(マット・デイモン)も加わり、過酷な3人旅が始まった。次々と試練が降りかかる中、それぞれに「トゥルー・グリット(真の勇気)」が試される。
 1969年にジョン・ウェインが主演し、アカデミー賞主演男優賞に輝いた「勇気ある追跡」のリメーク版。ウェイン演じる荒くれ保安官の男らしさが強調された前作とは異なり、今作では少女にスポットライトを当てている。
 映画初出演となるスタインフェルドが、頭が良くてしっかり者の少女を熱演。大人たちを難しい言葉で言いくるめ、父の遺産である車や馬の売買を思い通りに進めたり、「仇(かたき)討ちしなければ家には帰らない」と涙も流さずコグバーンを“泣き落とし”たり。
 幼い少女がアメリカ先住民の地に足を踏み入れること自体が死を意味する時代。マティも大きな代償を払うのだが、大人になったラストシーンで、背筋をピンと伸ばし歩く姿は、少女の頃の信念そのものを表しているようで印象深かった。
 コーエン兄弟といえば「ノーカントリー」(07年)や「シリアスマン」(11年)のような不条理でブラックな笑いが特徴的だが、今作は正統派の仕上がり。お決まりの決闘シーンでミラクルが起こり、少女が経験したスリル満点の冒険談としても楽しめた。男くさい西部劇になじみのない世代にも、新たな魅力を教えてくれた気がする。
 ◆監督・脚色 ジョエル&イーサン・コーエン。梅田ブルク7ほかで18日公開。110分。PG―12。
http://hochi.yomiuri.co.jp/osaka/gossip/cinema/news/20110315-OHO1T00077.htm

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