赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

ひこ・田中さん、新刊

2015-03-04 09:23:38 | その他
ひこ・田中さんが新刊、『なりたて中学生・初級編』を送ってくれました。 

目のつけどころがおもしろいと思いました。今まで、小学校、中学校とまたぐ本ってなかったような気がします。だって、小学校高学年向けとか、パッケージわけしてしまうから。
でも、その間は、変化の年。
小学生では普通にもっていたキャラクターのふでばこが制服をきてみると急にはずかしくなって、無地のものに変えたりします。いろんなことが急激にかわります。
男子の背が高くなったり、ヒゲがはえてきて、びっくりしたり・・・。

そんな微妙で繊細な時期、この『なりたて中学生』の主人公テツオは、友だちとは別の中学に行かなければなりません。それもけんか相手のいる学校。引っ越したため、学区域がちがってしまうからです。
これは、けっこう大変な事態。わたしもなんと同じような経験をしています。小学校と中学校、小さな引っ越しをしたのです。だから、学区が変わって知らない人ばかりの中学へ。中学になりたてって、みんな自分のことで必死なので、なれるのが大変だったように思いました。それに自分も会えるところに友だちがいるので、そちらへの未練があったような。

わたしは次は中二でまた転校。こちらは新設校で全員転校生状態。こっちはみんなが、なじもうとするから、気合いがちがってすごくまとまった思い出に残るクラスになりました。
転校って子どもにとって、すごいドラマがありますね。

さて、まだ、初級編。軽快な大阪弁で内面をテンポよく、また、おもしろく描いていく独特な文体。大人目線でなく、あくまでなりたて中学生の目線でかかれた作品です。
中学生になったテツオがどんな位置をみつけてなじんでいくのか、気になります。


ひこ・田中さんは、わたしがデビューした時は、もう、第一線の押しも押されぬ人気作家、評論家でした。『お引っ越し』は映画化もされて、わたしも見に行きました。
でも、わたしの作品もよく読んでくださって、レビューも書いてくれたりしました。
それにどれだけ、はげまされたか!
今回もこのように本を送ってくださり、大変うれしいです。