森元首相の発言が波紋をよんでいます。わたしは、やめていただきたいと思って、毎日、アタマにきています。自分ではいわないでも、容認しているまわりの男性方、同罪ですよ。って、めずらしく意見を書いてみました。
さて、気持ちを切り替えて。
安東みきえさんが新刊『夜叉神川』をだされました。
めずらしく文学作品を読んだぞ!って気になりました。心の底にねむっている深層心理をあぶりだす、力作です。
文章もなめらかで、きれい。けど、今回は今までの安東さんにはない、ダークな色合い。だれの中にでもある鬼の部分に光をあてています。でも、読み進めていくと、強くやさしい。安東さんは人間の良心を信じている人だなっと思いました。つきはなすようで、つつみこんでくれます。
短編集で、『川釣り』『青い金魚鉢』『鬼が守神社』『スノードロップ』『果ての浜』の五作品。
わたしが一番心ひかれたのは、『スノードロップ』
そして、庭を見たら、植えてあったんですね。この花が。
去年、植えたばかりです。あじさいの根元、日がささないところに植えたので、まだ、あまり元気がありません。
もう少ししたら、花びらを開くのですが、それでも、ひっそりした印象。このうつむいて咲くすがたが、可憐でかわいいんです。
安東さんの作品で、この白い花が「春告げ草」とよばれていることや、言い伝えを知ることになりました。今後、この花を見るたび、この短編集を思いだすでしょうね。
作品の『スノードロップ』は重苦しさもあるのですが、最後、タイトルの「スノードロップ」をうまくつかい、希望へとつないでいます。
今、やるせないこと、せちがらいこと、たくさんあります。そんな中、心をどこにもっていっていいか、迷子になりそうなときもあります。そういう人の救いになる本のような気がしました。
ぜひ、読んでみてください。