赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

クマのあたりまえ

2012-01-17 09:22:31 | 日記
魚住直子さんの去年の作品、『クマのあたりまえ』ポプラ社を読みました。灯台守さんが去年のベスト1に選んでいたからです。
短編集で、出版社からのうたい文句は、『生きることに真摯にむきあう動物たとの7つの物語』とありますが、これはぴったりでしょう。
表紙が地味なので、あまり期待しないで手にとってしまいましたが、かなりよかったです。表面は、チドリやらヘビやらサルやらが、おかしなことを考えて実行する話なのですが、なかなか哲学的な趣すら感じられる奥行きのあるストーリーになっていて、読み終わったあと、心の奥に言葉がひっかかってのこる感じがします。
文章も落ち着いていて、余分なフレーズがなく、格調のたかさまで感じます。わたしがとくに気にいったのは、「アメンボルース」「クマのあたりまえ」とにかく、読んでみてください。

魚住さんの作品の読後感の言葉が心の奥の残る感じ、いい意味でひっかかって、じんわり心をあたためてくれる感じ、それは、わたしは大好きな作家安房直子さんの作品の時、よく感じました。
安房直子さんは、亡くなってもうずいぶんたちます。創作教室の生徒さんたちも、安房直子さんを知らない方も多くて、わたしはびっくりしました。
でも、そんな時がたっても安房さんの世界の魅力はすたれないようで、新しい絵本を発見しました。『ひめねずみとガラスのストーブ』降矢ななさんの色鮮やかな絵が印象的です。降矢さんは、お話しのどこをすくいとって描くかというところがうまく、絵本としてよりよく見せることにもたけていて、安房さんの新しい魅力をひきだしています。
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