つい先日の読売新聞の訃報欄に載っていた記事。
名曲を生み出した「ミュージシャン」に合掌です。どんな人でもガンには勝てませんねえ・・。
それにしても、プロコル・ハルムの「青い影」とは懐かしい。青春時代に何回となく繰り返し聴いていたお気に入りの曲だった。
ネットにはこう書かれていた。
「バッハの旋律をモチーフにした印象的なオルガンのイントロとソウルフルなボーカルが人気を博しロックのスタンダード曲となった。」
たしかに・・。
ほかにも賛辞が続く。
「生前、ジョン・レノン(ビートルズ)はこの曲をお気に入りの一つとして挙げており、人生でベスト3に入る曲、今の音楽業界でこの曲以外は聴く価値がない、とまで語っていたという。
またこのメロデイーは日本のアーティストにも大きな影響を与えており、松任谷由実(ユーミン)はこの曲をきっかけにして音楽を自作するようになったという。
山下達郎も当時ラジオでこの曲を聴いてすぐさまレコードショップへと走り、購入したその日に100回は聴いた、と語っている。」
と、いった具合。
ポピュラーの世界でも何曲も中途半端なヒットを出すよりも、たった1曲でも強い印象を与えるほうが長く名が残るようだ。何せ新聞に訃報が載るくらいだから。
クラシックで「一発屋」といえば「幻想交響曲」(ベルリオーズ)みたいなものですか(笑)。
何はともあれ久しぶりに「青い影」を聴きたくなったので「ひかりTV」の「ミュージック」部門で検索したところご本人が歌ったオリジナル版は存在しなかった。
そのうち、もしかして手持ちの「オムニバス盤6枚組」(いろんな歌手のヒット曲を詰め込んだ盤)に入ってなかったかなあと微かな記憶が蘇ってきた。
で、CD棚を漁って探してみたところ、ありました!
1960年代のヒット曲を網羅したCDだが、そのトップバッターに「A WHITER SHADE OF PALE」があった。
さっそくブルーレイに取り込んで試聴。
なお、この曲は歌詞が難解なことで知られている。興味を惹かれてネットでググってみるといろいろあったが、一番ピッタリと思ったのがこれ。
「私たちは軽やかにダンスを踊ったんだ フロアを車輪が横切るようにね ちょっと船酔いを感じてたけど 周りのみんながもっと踊れって囃し立てるんだ 部屋はもっと賑やかになって天井が抜けちゃうんじゃないかっていうくらい 私たちはもう少し飲もうって ウェイターを呼んだら トレイを持ってきたんだ そのすぐ後のことだった 浮気についての話をすると 彼女の顔は最初血の気を失いみるみる青白くなってなっていったんだ
彼女は言った 理由はないわ 真実は見てのとおりよ だけど僕はなんていうべきか悩んだ 彼女をそうさせたくはない 16人のヴェスタの巫女のひとりに罰を受け 沖に流されるようなもの 僕は目を開けていたのだが何も見えていなかったのかもしれない」
どうやら「付き合っていた彼女が浮気し、それを引きとどめたくて悩んでいる」という趣旨のようで、タイトルの「青い影」は浮気をそれとなく指摘された彼女の顔がみるみる血の気を失い青白くなっていったことに由来するみたい、ですよ。
哲学的なメロディに比べると「な~んだ」という感じだが、歌詞の意味を知ったのはこれが初めてだった、英語がとんと苦手なものでして(笑)。
なお、これがきっかけとなってそのほかの「オムニバス盤」5枚すべてをブルーレイに取り込んで往年のヒット曲に耳を傾けて懐かしい青春時代を振り返った。
プラターズ「煙が目にしみる」 フランク・シナトラ「夜のストレンジャー」 ナット・キング・コール「モナリザ」 ファッツ・ドミノ「ブルーベリーヒル」 テンプテーションズ「マイガール」 ジミー・ディーン「ビッグ・バッド・ジョン」 キングストン・トリオ「トム・ドゥーリー」 ボビー・ルイス「トッシン&ターニング」 ブルック・ベントン「ザ ボールウィーブル・ソング」 トミー・エドワーズ「イッツ・オール・イン・ザ・ゲーム」・・
ずいぶん記憶力が衰えたのに、はるか昔の曲目はよく覚えている。どうやら「情動」が絡んだ記憶は別物のようですね。
当時は福岡市に住んでいたのだが、米軍がらみの飛行場が市内にあったので「FEN」(極東放送:FAR EAST NETWORK)が放送されており、毎週土曜日の夜8時から30分間、最新の「ビルボード誌・ヒット20」を、茶の間のお粗末なラジオにかじりついて聴いたものだった。
音質なんてどうでもよかった「あの頃」が懐かしい・・・(笑)。