《「すべての責めは私が負う。覚悟はできている」――財産税導入、預金封鎖、新円切替……日本を救うこの決断は、この男にしかできなかった。・・》
《渋沢栄一の孫にして、日本銀行総裁、そして大蔵大臣を務めた渋沢敬三。彼はなぜ、第二次世界大戦後、預金封鎖や新円切り替えなどの苛烈な経済対策に踏み切れたのか? 生物学者をめざす心優しい少年が、その人柄ゆえに経済界の要職に抜擢され、日本の財政の行方を左右する究極の決断を迫られるようになるまでの数奇な生涯を、大胆な視点で描いた長編小説。》
関東大震災、226事件・・、そして戦中・戦後の激烈な環境の中では、自分が望んで就いた仕事ではないが、日銀副総裁、総裁、大蔵大臣として日本経済を支え続けた渋沢栄一の孫の渋沢敬三・・、興味深く読ませて頂きました。
終戦時「国債が1,200億円・・戦時補償の債務とを足すと1,500億円を超える。・・昭和19年のGDPは、745億円・・」(「2024年3月末で、日本の政府債務残高は1,297.2兆円。対GDP比(推計値)では257.2%」)・・、インフレ抑制のために取る手段は「財産税」と「戦時利得税」、現金の保有額を把握するためには、新様式の日本銀行券を発行し、現行のものと強制的に交換(預金封鎖)。
そして、自分が強く関与した法により、三田の本宅を財産税の物納として、そっくり明け渡し・・、GHQによる公職追放も受ける。
余談ながら、名前を聞いた事のある政治家の名も多く登場していて(吉田茂 石橋湛山 池田勇人 福田赳夫 大平正芳 愛知揆一・・)、戦中・戦後の財政を支えた大蔵官僚の多くが、その後、政治家として日本のリーダーになって行ったのだなぁ・・。
(画像借りました。)
奇しくも、間もなく「政権選挙」・・、選ばれた人達は、国民をどの様に導くのだろう・・。
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