共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

浅漬け

2013年11月21日 18時18分52秒 | 日記
本日11月21日に日付が変わったと同時に、今年もボージョレーヌーヴォーの販売が解禁となりました。時差や日付変更線等の関係で、何故か本国フランスよりも日本の方が一足先に解禁になるということで、毎年時報のカウントダウンからの乱痴気騒ぎ…基、お祭り騒ぎが、NHKのニュースにまでなるほどの賑わいです。

デパートの店頭には御覧のように、ボージョレーヌーヴォーのボトルが山と積まれていました。よく見るといくつか種類があるようですが、そこはまぁ『新酒』ですから、そんなにビックリするほど味に違いはないかと思います。

ここまで読んで頂くと何となく察しがつくかと存じますが、私ははっきり言ってこのワインが嫌いです。

あくまでも持論ですが、赤ワインというものは最低でも3年から、長くても5年くらいまでの間、きちんと樽で熟成させたものが美味しいです。5年より古くなると段々古漬け感が増してきてエグくなりますし、3年未満だとちゃんと漬かっていない感じで酸っぱくていけません。

第一、このワインと合わせて美味しいものが分かりません。ビーフシチューみたいな濃いものには負けてしまいますし、魚のムニエルに合わせるには酸味が邪魔過ぎます。となると、ひたすらオードブルやパンとチーズみたいなものと飲み続けることになるのでしょうが、そういうものしか合わせられないというのであれば、何ともつまらないものです。

それといつの頃からか、輸送の軽便化をはかるため等の理由から、特に大型量販店等で販売されるものについてはガラスのビンではなくペットボトルで売られるようになったのも解せません。写真に撮ったこのボトルも手にするとベコッΣ(゜ロ゜ノ)ノ!と凹むのですが、そもそもワインがペットボトルに詰められた段階で、安っぽさ爆発です。

これを見る度に思うのです、「醸造元は本気でこの『ペットボトル化』を良しとしたのだろうか」と。

どんなものもそうですが、ものの器というものはパッと見た印象だけでなく、その中に入っているものの印象までも決定付ける要素を多分に含んでいると思うのです。

その昔、錦松梅という高級ふりかけのCMで故・古今亭志ん朝師匠が「中身もいいけど、器もいいねぇ」と微笑んでいたことがありましたが、正にその通りです。あの美味しいふりかけが、もし有田焼の器ではなくてタッパーか何かとてつもなく安っぽい入れ物に入っていたら、果たして『錦松梅を食べている喜び』みたいなものを感じることが出来るでしょうか?

勿論、ものを作ったからには売らなければなりません。そのために企業努力という知恵を絞って、その結果としてものの売上が伸びれば、それはそれで結構なことだと思います。ただ、ものを売るためだけの『なりふり構わぬ感』には、個人的に疑問を呈せざるを得ません。コストパフォーマンスも大事なのだろうと思いますが、同時に『品位・品格』というものも、出来れば疎かにしないで頂きたい…と、切に願うのでありました。

まあしかし、これだけあれやこれやとゴタクをつらつら書き連ねたからと言って、じゃあ武士の情けでこの浅漬けワインを1本くらい買っていってやろう…という話でもないのであります。さて、では今日は美味しいイタリアワインでも買って帰りませう(* ^-^)~♪
コメント
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