共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

巨匠の貫禄~ハイドンの交響曲第104番ニ長調《ロンドン》

2018年05月23日 18時32分08秒 | 音楽
今日は何だか肌寒い一日となりました。午後から雨が降り始めてから少し湿度が上がってきたようで、練習していてもヴィオラのチューニングが微妙に合いにくくて困ってしまいます。

ところで、7月にオーケストラのコンサートに出演することになりました。先日楽譜が届いたのですが、内容は

モーツァルト:歌劇《劇場支配人》序曲
ハイドン:交響曲第104番ニ長調《ロンドン》
モーツァルト:交響曲第41番ハ長調《ジュピター》

と、まあいずれ劣らぬ名曲揃いのプログラムなのです。

それでも、どれも好きな曲ばかりなので練習していても楽しいのです。中でもハイドンは

「そっちに行きますかぁ…!」

という転調が堪らないので大好きです。特にこの《ロンドン》では第2楽章の後半や第3楽章のトリオで顕著なのですが、思わず

「オイイイッ!」

と言いたくなってしまうような転調を、時にはたったひとつの音を軸にして回転させたり、時にはオーケストラ全体の音を止めてしまったりしてまで、実に巧妙に展開してしまうのです。当時としては相当斬新な音楽だったでしょう。もしかしたら、初演で客がざわついているのを背中で感じながら、ニヤニヤしつつ指揮をしていたのかも知れません。そうだとしたら、相当性格のいいお爺ちゃんです。

とにかくハイドンについては、もっと皆さんに知って頂きたいと思っています。そんなわけで今宵はその《ロンドン》を、2012年のプロムス、イギリス・ロイヤルアルバートホールで演奏された、ベルナルド・ハイティンク指揮、ウィーンフィルによる演奏でお楽しみ下さい。

Haydn - Symphony No. 104 - London (Proms 2012)
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