共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

第22回アミューあつぎ野外ライブ

2018年07月29日 23時40分10秒 | 音楽
昨日猛威を奮った台風12号は思ったより早く西日本方面に進んで行き、地面に残っていた水たまりも日の出と共に一気に蒸発しました。ということで、開催が危ぶまれていたアミューライブは、予定通り決行することとなりました。

今回のライブで一番目立っていたのが、左の御仁です。この方は、我々がここでライブをするにあたって、場所の使用許可を申請している厚木市役所生活文化学習課の職員です。

何でアーティストでもない公務員がこんなところをウロチョロしているのかと言うと、何でも前回のライブの際に『近隣住民』から「音楽の音が五月蝿い」というクレームがあったのだそうです。それで、一体どれだけ我々のライブが喧しいのかを、休日返上でデシベル計まで持参して我々のライブ中の音量を逐一計測しに来たという、何ともご苦労様なお方なのです。

曰く市の規定により、我々が発していい最大音量は65デシベルなのだそうです。65デシベルとはどのくらいかと言うと、一般的な掃除機をかけている時の音や、かなりざわついた室内の音量に匹敵するのだそうです。それをこの方は、ライブが始まってから終わるまでず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと我々の目の前に突っ立ってデシベル計を向けて、65デシベルを超える状況がどれだけあるのか無いのかをチェックしておられました。ご苦労様なことです。

それに対抗すべく、こちらでも独自にデシベル計を用意して数値を計測することにしました。ところが、写真を御覧頂くと分かると思うのですが、我々がライブを開催している場所というのはバスが何十本も往来するような目抜き通りの目の前なのです。しかもこの御仁の真後ろにはご丁寧に目の前にバス停まであって、この道を通る系統のバスは須らくこのバス停に停まってドアを開け閉めするのです。その時にバスが発する

プシュー!

という音がデシベル計に入ってしまうと、それだけで簡単に80デシベル前後にまで数値が跳ね上がってしまうのです。他にも救急車が通ったり、車高の低いDQN車がイケイケなサウンドを爆音で垂れ流したりすると、あっという間に数値が100デシベルを超えてしまうという、何とも素敵な状況下で我々は毎月ライブを行っているのです。

今日は仕方ないので、事前にこちらの御仁がお持ちのデシベル計で計って

「これならば問題ないでしょう」

とのお墨付きを頂戴した音量でのライブとなりました。しかし、演奏する立場になってみると、周りの雑踏に掻き消されるようにして悲しくなるくらい演者に何にも聞こえないのです。それでもお目付け役がいる手前、アンプからこぼれる僅かな音を頼りにピアノを弾くハメになりました。

他のアーティストさんたちもお目付け役の設定に倣い、『適正音量』でライブをして下さいました。本当に有り難くも申し訳ない気もちでいっぱいです。

ただ、私としても一言あっていいかと思い、一点から微動だにしないこの御仁になり代わって、近隣にあるありとあらゆるマンションの前まで出向いてデシベル計で音量を計測してやりました。その結果、デシベル計を用いるまでも無く、各マンション前では

「果たして何処やらでライブなんかしているのだろうか?」

というくらい何も聞こえませんでした。

それはそうです。

音というものは、発生したところから減衰していくものです。例えば50メートル離れるとそれだけで32デシベル減衰するのだとか。ましてや『近隣住民』が住まうマンションはそれよりも尚離れていて、それよりもはるかに喧しいメインストリートに面しているのです。だから、そもそもそんな距離にあるマンションの『近隣住民』から我々にクレームをつけるとなると、このクソ暑い昼間にわざわざベランダまで出てきて、クレームつける気満々で血眼になって耳をそばだてなければならないはずです。そんなことを、果たしてまともな神経の持ち主がするでしょうか。

そのことについて私もこの御仁に聞きたい。

「ヒタスラ『定点観測』ヲシテ、ナニカ参考ニナリマシタカ?ソモソモ本当ニ計ルベキハ、ココダッタノデセウカ?」

敢えて言いましょう。

「一部のクレームを金科玉条のように仰ぎ奉って気遣いの焦点がズレてっから、特に文化的側面において近隣の海老名市や相模原市に大きく溝を開けられてしまっているのが、今の厚木市の体たらくなんだよ(゜∀。)」

あとはせめて、こんなつまらない計測をされたのが我々だけではなく、この場所を使っている全ての団体に及んでいることを強く要請するばかりです。
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