昨日の冷たい雨もあがり、今日は時折晴れ間ののぞく爽やかな秋の空となりました。最高気温も23℃と昨日の最高気温よりも10℃近くあがり、窓を開け放っていても気持ちのいい感じになっていました。
こんな気持ちいい陽気の時には、気持ちのいい音楽が聴きたくなるものです。なので今日は
バッハの《ブランデンブルク協奏曲》を聴くことにしました。
《ブランデンブルク協奏曲》は、バッハが作曲した6曲からなる合奏協奏曲集です。1721年3月24日にブランデンブルク=シュヴェート辺境伯クリスティアン・ルートヴィヒに献呈されたため、この名があります。
ただ、作曲の過程は明らかではありません。また、各6曲の楽器編成や様式などから判断して、かなり長い期間にわたってつくられた協奏曲のなかから6曲を選び、編成の大きなものから順に並べたものであると考えられています。
一応第1番から第6番まで番号が付いていますが、作曲された順番は、第6番→第3番→第1番→第2番→第4番→第5番となっています。大半はバッハのケーテン時代 (1717年〜1723年)に作曲されたものですが、第3番と第6番の2曲はその前のヴァイマル時代(1708年〜1717年)にさかのぼると推測されています。
そんな《ブランデンブルク協奏曲》の中から、今日は第6番をご紹介しようと思います。
第6番は《ブランデンブルク協奏曲》の中でもかなり古いスタイルで書かれた音楽で、協奏曲とはいいながら独奏楽器群と合奏楽器群の区別はあまりありません。楽器編成も
ヴィオラ・ダ・ブラッチョ✕2
ヴィオラ・ダ・ガンバ✕2
チェロ✕1
通奏低音(ヴィオローネとチェンバロ)
というもので、ヴァイオリンが参加しない異色の弦楽合奏曲となっています。
第1楽章は変ロ長調 2/2拍子。2挺のヴィオラが、半拍ずれたカノンによって旋律を奏でます。
第2楽章は変ホ長調 アダージョ・マ・ノン・タント 3/2拍子。通奏低音にのって2挺のヴィオラが伸びやかなメロディに交わします(ヴィオラ・ダ・ガンバは完全休止)。
第3楽章は変ロ長調 アレグロ 12/8拍子。シンコペーションが特徴な主題と、細かいパッセージを丁々発止に弾き交わす軽快な曲調が爽快です。
そんなわけで、今日は《ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調》をお聴きいただきたいと思います。ヴァイオリンが全く登場しないヴィオラが主役の落ち着いた響きのアンサンブルを、楽譜動画と共に御堪能ください。