共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

今日はスッペの誕生日〜音楽鑑賞教室の定番曲《軽騎兵》序曲

2022年04月18日 19時35分15秒 | 音楽
今日もあまり天候のよくない一日となりました。気温も予報された通りには上がらず、夕方からは強めの雨も降って肌寒くなってきました。

ところで、今日4月18日は作曲家スッペの誕生日です。



フランツ・フォン・スッペ(1819〜1895)はオーストリアの作曲家で、オペレッタとその序曲で有名です。

《天国と地獄》の作曲家として知られるジャック・オッフェンバックのオペレッタに触れたスッペは、ウィーンで初めてオペレッタを手掛けました。このことからスッペは『ウィンナ・オペレッタの父』と呼ばれることもあります。

スッペのオペレッタのうち、《ボッカチオ》と《ドンナ・ファニータ》の2曲はニューヨークのメトロポリタン歌劇場でも上演されました。結局メトロポリタンのレパートリーに定着することはできませんでしたがヨーロッパでは一定の頻度で上演が続いていて、ウィーンフォルクスオーパーやモスクワ・アカデミー歌劇場が来日公演で取り上げたこともあります(因みに、ドイツ物はほとんど歌わなかったマリア・カラスのデビュー演目は《ボッカチオ》でした)。

実はスッペのオペレッタは日本でも有名で、大正時代に浅草オペラの台頭によって数々の作品が紹介されました。とりわけ《ボッカチオ》のアリエッタ『恋はやさし野辺の花よ』はスターテノール田谷力三の愛唱歌として普及され、『ベアトリーチェ』は『ベアトリ姐ちゃん』とタイトルを変え、榎本健一の歌で大ヒットしました。

スッペは30曲のオペレッタのほか、バレエ音楽など多数の舞台音楽を作曲しました。それらの大部分が忘れられている中でも《軽騎兵》や《詩人と農夫》といった一部の喜歌劇の序曲が映画やアニメーション、コマーシャルなどの音楽に転用され、現在でもコンサートでも盛んに演奏されています。

こうした序曲は《こうもり》の作曲家ヨハン・シュトラウス2世や《メリー・ウィドウ》の作曲家フランツ・レハールなどと比べ、起伏を大きくとって豪快にオーケストラを鳴らす傾向があります。そのせいかヘルベルト・フォン・カラヤンやゲオルク・ショルティ、オットマール・スウィトナーといった大指揮者が、好んでスッペの序曲を演奏しています。

そんなわけで、今日はスッペの序曲の中でもとりわけ有名な《軽騎兵》序曲を、帝王ヘルベルト・フォン・カラヤンの指揮でお聴きいただきたいと思います。小中学校での音楽鑑賞教室のオープニングでも頻繁に取り上げられる、トランペットの華やかなファンファーレが印象的な音楽を御堪能ください。



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