3月最終日の今日も、日中はかなり暖かな日和となりました。道を歩いている春休み中の子どもたちも半袖半ズボン姿で駆け回っていて、あちこちで元気な声が響いていました。
ところで、今日は久しぶりに作曲家の誕生日ネタで押し切ろうと思います(オイ…)。今日はハイドンの誕生日です。
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フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732〜1809)は『交響曲の父』や『弦楽四重奏曲の父』とも呼ばれている、古典派を代表する作曲家です。多作家であることで知られていますが、中でも弦楽四重奏曲第77番ハ長調の第2楽章のメロディ『皇帝讃歌』は、現在のドイツ国歌として歌われています。
ハイドンたちが活躍していた当時はオペラを成功させてはじめて一流の作曲家と認められる時代で、交響曲の前身はその延長線上にある『シンフォニア』という序曲のような管弦楽曲でした。その付随音楽的な立ち位置だったシンフォニアをハイドンが『交響曲』という独立したジャンルに仕立てたことによって後に続くモーツァルトやベートーヴェン、シューベルトといった作曲家たちの名だたる交響曲が生み出されることとなったのですから、正に『交響曲の父』と呼ばれるに相応しい人物と言えるでしょう。
さて、偽作も含めるとかつては107曲もあっとされるハイドンの全交響曲の中でも傑作の誉れ高い作品といえば、間違いなく交響曲第101番ニ長調《時計》でしょう。この《時計》というサブタイトルはハイドン自身が付けたものではなく、第2楽章の冒頭から一貫して流れる8分音符の音形がまるで時計がチクタクと一定の時を刻むように聞こえることから後の世に付けられたものです。
長くハンガリーのニコラウス・エステルハージ公に仕えていたハイドンでしたが、公が他界したことによって職を失ったハイドンはウィーンに戻っていました。そこに目をつけたのが、
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当時ロンドンで音楽興行主として活躍していたヨハン・ペーター・ザロモン(1745〜1815)でした。
ザロモンはフリーになったハイドンをロンドンに招き、新作の依頼をしました。ハイドンはそれに応えて、今日ザロモン交響曲、或いはロンドン交響曲と呼ばれている第93番から第104番までの交響曲を発表しました。
これらの交響曲では当時としては珍しかったクラリネットが2本使われていて、管楽セクションに豊かな響きをもたらしています。勿論、この《時計》でもクラリネットが効果的に使われていて、一連のロンドン交響曲らしい管楽セクションの豊かさに貢献しています。
そんなわけで、ハイドンの誕生日である今日はその傑作《時計》の演奏動画を転載してみました。古楽器オーケストラの演奏による、古雅な響きでの演奏をお楽しみください。