今日は低い雲が垂れ込める、どんよりとしたお天気となりました。
そのことだけが原因ではないと思うのですが、実は今日…いや、正確には昨日から鬱々とした気分が抜けないのです。
こんな時にはいい音楽を聴いて…と思うのですが、気分が塞いでいると選曲もどうしても陰鬱なものになってしまいます。最近聴いているのは、スペインのリュート奏者ホセ・ミゲル・モレーノのバロックリュート編曲によるバッハの《無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ》の演奏のCDです。
このCDには《無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番》と《無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番》が収録されているのですが、もう一つパルティータ第2番の終曲《シャコンヌ》に基づいたトンボーが収められているのです。
トンボー(Tombeau)とはフランス語で『墓碑』という意味で、挽歌的な意味での音楽の名前にもなっています。このCDに収録されているトンボーは、名曲《シャコンヌ》にのせてソプラノのエマ・カークビーとカウンターテナーのカルロス・メーナとによって、バッハのコラール『キリストは死の縄目に繋がれり』の歌詞に基づいた副旋律的な二重唱が歌われています。そのトリオによるトンボーはあまりにも美しく、また哀しい歌となっています。
ちょうどそのトンボーが挙げられた動画があったので、以下に転載してみました。夕べのひと時、静謐な世界観を御堪能頂きたいと思います。
緊急事態宣言解除を受けて、恐らく来月から音楽教室が再開されるのではないかと思われます。それまでには、何とか自分のテンションを上げておかねば…。