都市部では家の窓から外を見ると自分の庭と道と道の向こう側の他人の庭と家が見えます。
通常、人は窓から見て美しい庭を考えます。
そして道や道の向う側の庭と家は見えないように生垣を設けます。
しかしこうすると窓から見える空間が庭だけになり狭くなります。
見える空も狭くなります。
そこで道や道の向こう側に見える他人の庭と家のことも考えて庭造りをすると面白いと思います。
他人の庭と家については美しいと思わない場合があります。
しかしこれはあるがままに受けとめるといいと思います。
すると窓から見える空間はかなり広くなります。
まだ実験中ですが、私は庭に生垣を設けず、道も向う側の他人の庭も家も見える状態で庭造りを考えています。
こうすると道行く人から私の庭と家が見えますが、私は広い空間を楽しめるし、道行く人も生垣で狭苦しくなった道を歩くより開放感があって気持がいいと思います。
庭をどうしようと思ってよく窓から庭を見ていますと道行く人と目があいすぎてしまい、お互い気まずい思いをすることがありますが、庭造りがほぼ終わり、道行く人をあまり気にしないようにして自分がやりたいことをやるようになれば、お互いあまり気にならないでしょう。
都市部では道と庭と家を調和させ、道に開かれた庭にすると、狭苦しさの問題を多少緩和できると思います。
東京下町には、他人の家の中は、見えても見ない、見たとしても見なかったことにする慣習があるそうです。
都市部では、心に、見えない生垣を設けるのは面白い考えです。