
八ツ場ダム建設計画の概要 ダムが完成すると有名な温泉町川原湯や美しい峡谷吾妻峡は水没します。
(出所)国土交通省
群馬県の八ツ場ダム建設が問題になっています。
この建設は治水が目的です。
総事業費4,600億円のうちすでに3,210億円使ってしまったそうです。
しかし上の写真で見ると完成度は低そうです。
ダムの建設がまだですので水没予定地は水没していません。
民主党政府がこのダム建設を中止したいという背景には治水上それほど重要ではないという判断があるのでしょう。
しかし想定外の大雨あるいは渇水は想定外ですからこのダムの治水効果は専門家にとっても難問でしょう。
治水効果を主張して建設を推進してきた東京都や埼玉県などの地方政府が建設中止を反対するのはわかります。
しかし水没予定地の町まで中止に反対しています。
最初は建設に強く反対し、長い反対運動に疲れ、絶望し、町を捨てる決心をしたら今度は建設中止ということですぐに気持ちを切り替えることができないでいるのでしょう。
ダム湖ができないと観光事業ができないという反対理由があります。
これは疑問です。
現代ではダム湖は新規性がありません。
ダム湖を利用した観光事業で生活できるとは思えません。
それから住民は、思い出のある町を失い、心がうつろになるでしょう。
現在の温泉や峡谷の方がはるかに観光事業には有利です。
想定外の大雨で町が流される恐れが少ないならば、また決心を変えることは大変と思いますが、町にとっては今からでも建設を中止した方がいいと思います。
生活は自分のことだけでなく子々孫々のことも考えるべきです。
何よりも歴史のある美しい山、谷、そして町、温泉は貴重な財産です。
これまでの土建は無益ということはありません。
有用なものが多いと思います。
土建で破壊された自然は時間が回復してくれます。
かねを使った中央政府も地方政府も損したと考えるのではなく、これ以上損しなくてすむと考えるといいと思います。