じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

映画「オズの魔法使い」

2019-06-13 23:18:00 | Weblog
★ 映画「オズの魔法使い」(1939年)を観た。まず制作されたのが昭和14年だということに驚く。今見ても画像が美しい。

★ 児童文学なのでストーリーは単純。エム叔母さんの家で暮らすドロシー。嫌なご近所さんのおばさんに愛犬を奪われそうになり家出を決意する。家を出たドロシーは竜巻に巻き込まれオズの国に飛ばされてしまう。そこで出会った案山子、ブリキ男、ライオン。案山子は脳が欲しいという。ブリキ男は心が欲しいという。ライオンは勇気が欲しいという。故郷カンザスに帰りたいドロシーは彼らとともにオズの大魔法使いのもとを訪れる。

★ 案山子が脳を、ブリキ男が心を、ライオンが勇気を手に入れるところは感動する。

★ 当時としては最高の特撮なのだろう。美術、音楽も素晴らしい。カンザスの部分はセピアの単色、オズの国はカラーで撮られている。このカラーが実に鮮やかだ。いまでこそ珍しくはないが、当時としては画期的な映像だっただろうね。
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大澤真幸「社会学史」

2019-06-13 20:16:25 | Weblog
★ 大澤真幸さんの「社会学史」(講談社現代新書)を読み終えた。630頁超、新書としては異例の分厚さだ。

★ 社会学(社会秩序はいかにして可能か)について、その前史、成立、展開、未来像が書かれていた。難解な概念がいくつも出てくるが、講義形式をとっているので飽きずに読めた。小説より面白くて熱中してしまったほどだ。

★ 初学の者にも配慮して、多くの大胆なたとえ話をつかって説明されている。それがこの本の分厚さの理由だと思う。

★ それにしても大澤さんの「教養」の広さ、深さには圧倒される。もはや社会学史を超えている。「近代」とは何か、私は今どの地点にいるのかを考えさせられた。

★ 少しわかったところもあれば、よくわからないところもあったが、それはそれで楽しかった。わからないことをわからないと知ることも学習だと思う。

★ 最後の方で引用されていたローザ・ルクセンブルクの言葉には励まされる。「革命の好機を待っていたら、それは永遠にやってこない。失敗こそが、成功のための不可欠の条件」なのだと。また、ヘーゲルの言葉、「誤ることへの恐怖こそが誤りそのものに他ならない」

★ 勇気ある1歩を踏み出したいものだ。
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夾竹桃ジン「ちいさいひと」

2019-06-13 15:14:31 | Weblog
★ 夾竹桃ジンさんのマンガ「ちいさいひと 青葉児童相談所物語 1」(小学館)を読んだ。再読だと思うが、この時期読むとまた心にズシリとくる。

★ 自らも虐待児としての体験をもつ相川健太(22歳)が児童福祉士として児童相談所でさまざまな児童虐待問題に直面する物語。

★ エピソード1は、ネグレクトがテーマ。やせ細った子どもの姿が痛ましい。児童虐待防止法ができたとはいえ、行政が家庭に踏み込むのはハードルが高い。ここでは新人相川の熱意を受け取った人々の一歩踏み込んだ対応が子どもたちの命を救ったことになっている。

★ マンガの途中に児童虐待の実態について解説がある。厚生労働省の社会保障審議会児童部会の専門委員会の調査として、平成15年7月から平成22年3月までの6年9か月間に、虐待で死亡した子どもの数が386人だと書かれている。6日に1人の割合で子どもが命を失っているという。

★ 絶句するしかない。
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機能不全

2019-06-13 10:43:40 | Weblog
★ 新聞を読むと暗く悲しい記事ばかりが目につく。札幌の女児虐待死事件、大阪吹田市の集団いじめ事件。京都向日市のケースワーカーが関与した事件は不可解な点が多い。

★ 児童相談所や学校をめぐる問題は、まず量的にも質的にもマンパワーの不足を感じる。

★ 価値観の多様化や人間関係の希薄化が背景にあるのだろうが、直接の原因は財源不足に伴う人材確保・養成の難しさかも知れない。

★ 札幌の件では職員一人当たりの受け持ち件数が話題になっている。虐待に対する社会的な認知度の高まり、児童相談所の機能強化に組織がついていっていないようだ。担当職員の力量はどうだったのか。今回の件では警察との連携も怪しい。いくら「48時間ルール」をつくっても機能しなければ意味がない。トリアージのように危険度を察知することができなかったのか。

★ 確かに、職員の努力により実際は100人のうち99人の子どもが救えているのかも知れない。救えて当たり前で、救えなかったら非難される。酷な専門職には違いない。しかし、子どもの命を救う最後の砦になって欲しい。

★ 吹田市の集団いじめは教育現場の感性の鈍さ、対応のまずさが目につく。教育委員会や学校関係者は謝罪や処分に終わらず、どこに問題があったのかしっかり検証してほしいものだ。教員の力量不足なのか、学校経営の問題なのか、学校と教委との関係の問題なのか。
いじめに対する法律をつくり、各学校で対応マニュアルをつくっても、それが機能しなければ意味がない。

★ 向日市のケースワーカの事件は不可解だ。そもそも容疑者とされる中年男性の相談に29歳のケースワーカーが一人で対応していたのか。役所としてのサポート体制はどうなっていたのか。組織としての対応はどうだったのか。今後の捜査の進展を見守っていきたい。

★ パーフェクトは無理だとは思うけれど、どうも組織の機能不全が気にかかる。財政がひっ迫し、一方で働き方改革が叫ばれる中、どう対応すべきか。効率化を目指すのか。公的な支援は限界として他の方途をさぐるのか。課題は後を絶たない。
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