じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

川端康成「心中」

2019-06-02 12:44:14 | Weblog
★ 大量殺傷と自らの死。この破滅的な犯行に「拡大自殺」という用語が与えられていると知った。

★ 「拡大自殺」は無理心中にも似ている。自分勝手な自分中心の発想が動機となる。「心中」を検索していたら、川端康成の小説に行き着いた。

★ 川端康成の「掌の小説」(新潮文庫)から「心中」を読んだ。わずか2ページ余りの短い作品だが、生と死のドラマが凝縮されているように感じた。

★ 妻と7歳の娘を残して家を出た夫。2年がたち妻のもとに夫から手紙が届く。

★ 娘に毬をつかせるなという。毬の音が心臓を叩くという。妻は娘の毬を取り上げた。

★ また手紙が届く。娘に靴を履かせるなという。靴の音が心臓を踏むという。妻は娘に草履で学校へ通わせた。娘は嫌がって学校に行かなくなった。

★ また手紙が届いた。娘に瀬戸物の茶碗で飯を食わせるなという。その音が心臓を破るという。妻はそれにも従った。

★ 娘が勝手に茶碗を取り出したことを機に、妻は爆発する。茶碗を投げ、食卓を突き飛ばし、壁を破る。そして止める娘の頬を打った。「この音を聞け」と。

★ また手紙が来た。それは破滅的な内容だった。そして妻はそれに従った。

★ 音を立てなくなった妻と娘の横で夫も枕を並べて死んでいたという。

★ 解釈をしたくなるのだが、解釈をやめてあるがままに受け止めたい作品だ。
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2ドル紙幣

2019-06-02 11:17:39 | Weblog
★ 英語の発展クラスでは「PROGRESS IN ENGLISH 21」を教材に使っている。そのbok2に「PUT YOUR “JOHN HANCOCK”HERE」という読み物がある。

★ そもそもbook2は英語スピーチコンテストに優勝したJIROがアメリカ旅行(留学)を獲得、彼の体験を通して英語とアメリカの文化・歴史を学ぶというもの。

★ レッスン2では「新大陸発見」、レッスン3シーン2では「ポカホンタス」、シーン3では「ボストン茶会事件」の読み物があり、それに続いて独立宣言の署名を扱った「PUT YOUR “JOHN HANCOCK”HERE」となる。

★ アメリカでの学校生活の初日、玄関の事務所を訪れたJIROは事務の女性から書類を見せられ“Just put your John Hancock here”と言われる。意味が解らないJIROに友人のTomが説明をするシーン。

★ その時登場するのが2ドル紙幣。日本で2000円札を見かけないように、アメリカでも2ドル紙幣はポピュラーではないという。(アメリカ独立200年を祝して発行されたというから記念紙幣のようなものか)

★ 2ドル紙幣の裏面にはコロニーの代表が独立宣言に署名する様子が描かれている。表面は宣言の起草者Thomas Jefferson。

★ その独立宣言を討議する会議の議長がJohn Hancockで、この出来事にちなんでサインを求める時、 put your John Hancock というそうだ。

★ 日本でも、八百長、出歯亀、五右衛門風呂、名無しの権兵衛、お釈迦になる、弁慶の泣き所、元の木阿弥と人名を交えた慣用表現があるから、その類か。ちょっと古い話では、1万円を聖徳太子といったり(今なら福澤さん、もうすぐ渋沢さんになるのか)、スポンサーを大蔵省と言ったこともあったなぁ。 

★ ちなみに、英語で“go to the John”は「便所に行く」だ。

★ 勉強になった。

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