じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

山下澄人「しんせかい」

2019-06-28 19:34:19 | Weblog
★ 山下澄人さんの「しんせかい」(新潮社)を読んだ。

★ 俳優になりたかったのかどうかはわからない。ただブルース・リーや高倉健になりたかった。「二期生募集」の新聞広告を見て、無鉄砲にも男は「しんせかい」に向かった。

★ 男が向かったのは北海道。著名な脚本家が私財を投じて俳優や脚本家を養成するためにつくった塾だ。といって、特に施設があるわけではない。塾生は建物を自分たちで建て、薪を割り、2年間、自給自足のような共同生活をする。

★ 雪深い風景はまさに「北の国から」だ。純の独特のセリフが聞こえてきそうだ、キタキツネを見つめる蛍の姿が目に浮かぶ。廃材からモノをつくる様子は田中邦衛さん演じる五郎だ。

★ 時々男のもとに地元の幼なじみから手紙が届く。恋人未満だった彼女。その手紙はまるで「前略、おふくろ様」の田中絹江さんの声だ。じゃあモノローグは萩原健一さんか。

★ 塾生たちの会話は、今でいうなら「テラスハウス」のようだ。それぞれがそれぞれの想いをもって、ぶつかり合いながら、共感しながら、何かをつかもうともがいている。作業ばかりの日々だが、それは「ベスト・キッド(カラテ・キッド)」のミヤギの指導のようなものか。

★ 若いというのはいいなぁと思った。
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公立高校で答案改ざん

2019-06-28 08:54:21 | Weblog
★ 京都の府立高校で非常勤の教員が英語の定期テストの答案を改ざん(底上げ)していたという。答案を書き直して誤答を正答にしていたというからご丁寧なことだ。

★ 改ざんの理由として、①赤点ぎりぎりの生徒の成績を上げてやりたかった、②指導が点数につながらず、プライドもあり行った、と話しているという。(京都新聞)

★ 赤点の子を救いたいなら他にも手段はあったはず。追試を行ってもよいし、別に課題を課してもよかろう。赤点をとらないようにテストに簡単な問題を入れるなどの工夫もできる。授業の感想を書かせて一律底上げすることもできる。簡単な英作文でもよかろう。

★ 指導が点数につながらず、という点については、この非常勤講師は実に謙虚な人だと思う。教員の中には自分の指導の未熟さを顧みることなく、テストの点数の悪さに怒り、生徒に当たり散らす人もいる。

★ テストは生徒の到達度を測るとともに、教員の指導の効果を確かめるツールとして活用できる。授業改善のヒントになるのだ。(多忙でそこまで余裕がない先生が多そうだが)

★ プライドという点では、学校経営上の問題が垣間見える。この方が50代の非常勤講師ということに何か関係がありそうだ。どういう経緯で採用されたのか、またどのようなキャリアをお持ちの方なのかはわからないが、非常勤という不安定な地位が関係しているのかも知れない。同僚教員との関係はどうだったのだろう。学校管理職の配慮はどうだったのだろうか。

★ そして今回のようなケースは特異な例なのだろうか。氷山の一角なのだろうか。 

★ 2014年頃だったろうか、ある業者が定期テスト問題の情報開示を求め、手に入れた問題を販売して話題となった。販売の是非はともかく、情報公開の対象になるということは、公立学校の定期テストは行政文書、公文書なのだ。じゃあその答案を改ざんするというのは、法的にはどうなのだろうか。公正さの面から道義的な問題はありそうだが。関心をもった。
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