じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

潜在的機能

2019-06-11 18:12:51 | Weblog
★ 大澤真幸著「社会学史」(講談社現代新書)は、いよいよパーソンズの説明が終わる。(430頁あたり。あと200頁だ。読みごたえ満点)

★ パーソンズの説明の終りの方で、彼の弟子、ロバート・K・マートンとその同僚、ポール・ラザースフェルドの紹介があった。

★ まず、ラザースフェルドの「コミュニケーションの二段の流れ」というのが面白い。大澤さんはアベノミクスを例に説明されている。マスメディアから「アベノミクスは素晴らしい」という意見が発せられても人々はすぐにはそれを受け入れない。「オピニオンリーダーに濾過された上で、一般の人々に影響を与える」(425頁)

★ 「なるほどなぁ」と思った。私も「〇〇が言っているのだから間違いないだろう」ってことを日常的に行っている。「すべてを疑え」とは思っても、限界があるしね。

★ 発信側からすれば、うまくオピニオンリーダーをつかめばよいということだね。CMにタレントを起用したり、ワイドショーでコメンテーターを使ったり(確かに好き嫌いがはっきりするなぁ)、政党や宗教団体が「広告塔」と呼ばれる人を活用するのもこの一環かな。

★ マートンについては、機能を顕在的機能と潜在的機能に分けたということがピックアップされている。かつて買ったマートンの「社会理論と社会構造」(みすず書房)。結局、ペラペラと見ただけで積読になり、知らぬ間に行方不明になっている。あの大部も大澤流で切るとたったこれだけになるのか。感心した。

★ 「プロ倫」について、「資本主義の精神は、それを意図的に目指さない限りで到達される状態」(428頁)という。潜在的機能は潜在的であるから意味があるのか。そもそも意図的になれば潜在じゃなくなるから。なんかしびれる感じがする。

★ 前に取り上げた「予言の自己成就」。1970年の万国博覧会(懐かしい)を例に説明されていた。面白い。

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田辺聖子「うすうす知ってた」

2019-06-11 17:09:08 | Weblog
★ 田辺聖子さんの「ジョゼと虎と魚たち」(角川文庫)から「うすうす知ってた」を読んだ。

★ 母と姉妹3人の家族。父は数年前に亡くなった。姉は28歳、妹は26歳。姉は男性とのいい出会いもなく、ただ年をとることに焦りを感じ始めている。そんな時、妹から「結婚する」と告げられた。

★ 複雑な姉の心情が伝わってくる。大阪弁が優しい。

★ 作品中に出てきた宇治の碾茶(ひきちゃ)、温めたご飯に塩をパラパラ、そこへ碾茶をひとさじ振りかけるという。それに胡瓜の浅漬け。宇治に住んでいてもこんな食べ方はしたことがない。なかなかうまそうだ。
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「老後2000万円」と参議院選

2019-06-11 14:06:45 | Weblog
★ 95歳まで生きるなら2000万円の備えが必要との金融審議会の報告書が火種になっている。

★ 「100年安心」などと謳った公的年金制度の欺瞞を明らかにしてしまったからだ。そもそも国民年金は6万数千円。これで生活などできるはずはない。今でそうだから、これから数十年後に年金を受け取る世代は、果たして支払った分だけもらえるのかさえ疑わしい。

★ ある意味、金融審議会の報告書は正直な数字だ。公助はもはや限界なのであとは自助でね、というのも「持てる人たち」からすればホンネだ。しかし、正直だと困るのが政治の世界。

★ 参議院選を前に政府与党は火消しに必死の様子だ。「100年安心」の時の厚労大臣が公明党の坂口氏だったことで、公明党としても少なからずダメージを受けそうだしね。選挙の時に投票を依頼に来るおばさんも「あれわねぇ」と弱気な発言だった。 
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