じゅんむし日記

心は急いでいる。それなのに、何も思い通りの形にはなっていかない。がまんがまん。とにかく、今できることから始めよう。

三木茂夫「内臓のはたらきと子どものこころ」

2011-10-16 | 


刻一刻と成長していく胎児の写真…だれでも目にしたことがあるでしょう。

その写真はいつでも横向き。
大きな頭とまるまった胴体…。

でもこの本には、
私が知っているいつもの写真とは別の、
正面から見た胎児の顔のスケッチが載っていたのです。

胎児の成長は、何億年もの進化の過程のようであるとはどこかで聞いた話ですが、
それを証明するかのようなこのスケッチ画に、知らない世界を見たようなショックを受けました。

人間の中に含まれる神秘。
脊椎動物を簡単な模型に表すと、内外二本の筒になります。
外は体壁系。内は内臓系。
アタマ(頭脳)は体壁系の世界に属し、ココロ(心臓)は内臓系の世界に根を下したものです。
顔は内臓が突出したものであるというのは、ココロが顔の表情に映し出されることからも納得できます。

だから、うまく嘘をつこうと思ってもどうしてもバレてしまうのですね(~_~;)

そして、子どものこころの発達を、宇宙のリズムと人間の進化の過程から、広い視野の中で説明しています。
「内臓の感受性」は「言葉の形成」と切っても切れない関係にあり、
すぐれた言葉の形成は、豊かな内臓の感受性から生まれるということなのだそうです。
著者には、人間を見る温かな目があります。

保育者向けの講演会の様子を本にしたものなので、
私なんかにもすごくわかりやすいです。
そして、何といっても新鮮でおもしろいです!!
この本の初版は1982年だというのにね^^;


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