少年時代の夏休みは我々子どもにとっても結構多忙であった。中でも辛かったのは田と芋畑の草取りだった。暑い日中は避けたけれども、それでも暑くて腰が痛かった。宿題が残っているからと言って、ずる休みすることもあった。母はただだまってそそくさと仕事に行った。その姿を思い出すと何も言えない罪悪感を今も感じる。夏休みの楽しみは家の前を流れる小川に竹筒で作って仕掛けたウナギ取りだ。明朝は入っているだろうかと思うとなかなか寝つかない。貧しかったけれども、もう一度少年時代に返ってみたい。
志布志市 一木法明(71) 2007/8/31 毎日新聞鹿児島版掲載
はがき随筆 夏休み特集-12
志布志市 一木法明(71) 2007/8/31 毎日新聞鹿児島版掲載
はがき随筆 夏休み特集-12