○○生命保険のTさんが今度、退職することになったとあいさつにみえた。最初のころ、若いので独身かと思っていたら、3人の子のお母さんだった。夫が亡くなってからは折りにふれて「お元気ですか」「お留守だったので、お子さんのところかと思っていました」と声をかけてくれる人だった。連綿と続く私の悔やみごとをいつも親身に聞いてくれてありがたかった。どういう事情で辞められるのかは聞けなかった。「ついでの時にはぜひ寄ってくださいね」と言ったが、心の支えが一本抜けたようで寂しい。人生とは出会いと別れの旅である。
霧島市 秋峯いくよ(67) 2008/6/3 毎日新聞鹿児島版掲載
霧島市 秋峯いくよ(67) 2008/6/3 毎日新聞鹿児島版掲載